人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2010年5月27日

人事評価は、半年に1回でいいの?

生きがいラボ・ニュースレター【2010年5月27日号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      人事評価は、半年に1回でいいの?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ほとんどの企業様の人事評価は、
賞与の支給に合わせて年に2回だけ行なわれます。

 ※正確には「考課」ですが、ここでは「評価」を使っていきます。


私は、人事評価は頻度が多いほど良いと考えています。



なぜなら、人間の記憶は日が経つにつれてあいまいになるので、
どうしても最近の仕事ぶりでの評価になってしまいます。

このことを「期末考課」と言い、評価エラーの代表例です。



また、評価される頻度が高いほど、上司は「評価すること」に、
部下は「評価されること」に対するスキルが上がります。

上司の評価するスキルが上がることについては当然のことですが、
部下の評価されるスキルについては意外だと感じたかもしれません。


しかし、評価されることにもスキルが必要なのです。


なぜなら、人は基本的に、他人に評価されることに抵抗があります。

私は、この「評価されることへの抵抗感」は、
人事制度がうまく機能しない大きな原因の一つだと考えています。

ただし、人が成長するためには、人に評価してもらい、
自分を客観的に見つめ直すことが絶対に不可欠です。

その意味では、人事評価の頻度を上げることによって、
部下に「評価されること」に慣れてもらうことが大切なのです。

「評価されること」に慣れることによって、
上司の評価を「前向き」に捉え、成長の糧にすることができます。


では、どれぐらいの頻度が良いのでしょうか?



私は、「1か月に1回」が良いと考えています。

「1か月に1回」が、時間的な負担と評価の効果性を考えたときに、
最も妥当なラインです。


1か月に一度、上司と部下が人事評価表に基づいて面談をし、
1か月の仕事の振り返りを行なうのです。

そして、毎月の人事評価の結果の積み重ねが、
賞与や昇給、昇進・昇格の決定資料となっていくのです。

これだと「期末効果」は発生しません。

なおかつ、上司は部下を評価するスキルが高まりますし、
部下は評価されることに対する抵抗感がなくなっていくのです。



この話をすると、「ただでも忙しいのに1か月に1回は負担が大きい」
と不満をおっしゃる管理職の方がいらっしゃいます。

この点については、問題点が4つあります。


1.上司の最も重要な仕事は「部下育成」であるという認識が低い。

2.部下への権限移譲ができておらず、上司に過剰な仕事を抱えている。

3.一人の上司が管理する部下の人数が多すぎる。

4.評価項目や基準が複雑すきて、評価に時間がかかりすぎる。


1番目と2番目については、上司側の問題ですが、
3番目は組織構造上の問題なので、上司側ではなんともできません。

私が、人事制度を変える前に組織の見直しを行なうのは、
組織構造の問題によって人事制度が機能しない場合があるからです。

3番目の場合は、一人の上司が管理する部下の人数が適正になるように、
組織構造を見直す必要があります。


4番目の場合は、人事評価制度そのものを見直す必要があります。

とくに、中小企業には複雑な人事制度は、全く必要ありませんので、
「シンプル」な人事評価制度に変えた方が良いでしょう。



このようにして、毎月の人事評価を継続することで、
上司と部下の双方が「成長」を実感できる会社づくりにつながります。

是非とも、毎月の人事評価を実践してください。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年5月24日

新入社員に言ってはいけない言葉

生きがいラボ・ニュースレター【2010年5月24日号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      新入社員に言ってはいけない言葉

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

4月に入社した新入社員さんも、
そろそろ社会人生活に慣れ始めている頃ではないでしょうか。


社会人になると一気に交友範囲が広がるので、
なかなか先輩社員やお客様の顔と名前が一致しないことがあったり、

あるいは仕事面でも覚えないといけない多すぎて、
戸惑うことが多かったことでしょう。


この時期になると、だんだんと仕事にも慣れ始めてくる頃です。



それに伴って、受け入れ側の先輩社員の方も慣れが出てきます。

新入社員さんが入った当初は懇切丁寧に教えていた先輩社員達も、
新入社員の存在に慣れてきます。


実は、この時期が最も大切な時期なのです。


今までは新入社員さんから仕事についての質問がきても、
「それはね、こういうことだよ」と丁寧に教えていた先輩社員が、
慣れに伴ってきちんとした対応をしなくなっていきます。

そして時には、
「この前も教えたことじゃないか!ちゃんと聞いていたのか!」と
叱るようになります。

意識的に厳しくしているのなら育成方針ですから良いと思いますが、
多くの場合、先輩社員にはその自覚はありません。

しかし、新入社員さんの方は、対応の変化に気づいています。



先輩社員にも自分の仕事があります。

したがって、新入社員さんの指導に時間をとられることは、
自分の仕事の遅れにつながります。

そういう状況を考慮すると、同じことを何度も教えることに
ストレスを感じることは当然です。



しかし、新入社員さんを育てることは先輩社員の責任なのです。
新入社員さんへの指導を怠ることは、無責任な行為なのです。


ほとんどの新入社員さんは、初めて入った会社にできることなら
長く勤めたいと思っています。

日本生産性本部が4月21日に発表した新入社員の意識調査によると、
今年の新入社員の57.4%が「今の会社に一生勤めたい」と考えています。

これは過去最高の割合で、厳しい経営環境が続く限り、
この傾向は継続するでしょう。



つまり、約6割の新入社員さんは「会社に骨をうずめる」気持ちで
入社しているということです。

中小企業ならば、この割合はもっと高いはずです。



このように考えると、新入社員さんを育てるときには、
「長期的」な視点で育成することが必要なのです。

10年後の自社の将来を担う人材として、大切に育てるべきなのです。



したがって、新入社員教育が全てに優先されることは当然の結果です。


この時期に先輩社員が口にしがちで、
新入社員のやる気を削ぐ言葉を禁句集として挙げておきます。

次の言葉を言いそうになったら、グッとこらえていただきたい。
新入社員さんの教育には、「忍耐」も必要なのです。



 ●新入社員のやる気を削ぐ禁句集

  ・「いつまで学生気分なんだ!」
  ・「いい加減にこれぐらいは覚えろ!」
  ・「何度言ったら分かるんだ!」
  ・「何回言わせれば気が済むんだ!」
  ・「おれ(私)が新入社員の時には・・・」
  ・「最近の若者は・・・」
  ・「それぐらい常識だ!」
  ・「とにかく言われた通りにしろ!」
  ・「大学(高校)で何を勉強してきたんだ!」


挙げだすとキリがないので、これぐらいにしておきましょう。



私が言いたいのは、新入社員の甘えを許すということではありません。

もしも新入社員さんに気の緩みがあるならば、
先輩社員は愛情を持って厳しく叱らなければなりません。

あるいは、先輩社員への依存心が強いのであれば、
すぐに質問に答える前に自分で考えさせなければなりません。


私が伝えたいことは、この時期になると現れてくる先輩社員の側の
気の緩みによって、自社の将来をになう人材を逃す可能性があると
いうことなのです。

先輩社員の気の緩みは、言葉や態度になって現れます。
先輩社員本人には自覚がなくとも、新入社員さんはそれを察知します。


せっかく採用した新入社員さんをきちんと育成するためにも、
この時期に再び気を引き締め直して参りましょう。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年5月21日

「最近の若者は・・・」と言う前に その2

生きがいラボ・ニュースレター【2010年5月20日号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      「最近の若者は...」と言う前に  その2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回の続きです。


私は、現代の若者は実に可哀そうだと思います。

まず、彼・彼女たちは景気が良い時代を知りません。
物心がついたころには、既に不景気でした。

テレビからは不安をあおるニュースばかりが流れていました。

「親がリストラにあう」「親の会社が倒産する」という
つらい思いをした若者も多いはずです。

つまり現代の若者は、心が常に満たされていない状態にあった
と言えます。



このような状態を心理学(交流分析=Transactional Analysis)では、
『ストローク欠乏』と呼びます。


『ストローク』を簡単に定義すれば、
「自分の存在価値を認めてくれる働きかけ」のことを言います。

たとえば、人は他人から「ありがとう」と言われると嬉しいものです。
この「ありがとう」という言葉が、ストロークです。

人から感謝されていることを「ありがとう」という言葉を通して実感し、
自分の存在価値を自分自身で認められるようになります。


つまり、ストロークをもらえばもらうほど、
「自分は価値のある存在なんだ」ということを自覚できるのです。

私が思うに、現代の若者は長い社会不安のなかで育ったことで、
慢性的な「ストローク欠乏」の状態にあります。
(若者だけではないかもしれませんが・・・)


ストロークが欠乏すると、問題行動を起こします。

軽度のストローク欠乏は、「遅刻」「無断欠勤」「無気力」
「無関心」を引き起こし、重度になると「うつ病」「ノイローゼ」
という症状まで発生します。


ここまで重度ではなくとも、たとえば、
何度注意しても報・連・相ができない新入社員の場合は、
単に能力不足の問題ではなく「誰も自分なんかに関心はない」と
いうような気持ちが、心の奥底にあるのかもしれません。

だから、自分から情報を発信しようという発想にならないのです。


現代の若者が「ストローク欠乏」であるという認識があれば、
おのずから接し方を変えなければならなくなるでしょう。

つまり、日ごろから意識をして「ストローク」を与えることです。


もっと具体的に言えば、「褒めてやる」ことです。


しかし、褒めるという行為は思っているよりも難しいものです。
間違った褒め方をすれば逆効果になってしまいます。

たとえば、部下である若者が良い結果をつくったとしましょう。

そのとき、上司である皆さんは「いい仕事をしたな!えらいぞ!」と
褒めてあげるでしょう。

しかし、この褒め方は「ストローク欠乏」の根本的な解決にはなりません。


なぜなら、この褒め方は「条件付き」のストロークだからです。


良い結果をつくったから褒めた、これは上司として当然のことです。

しかし、その部下がストローク欠乏の状態にあったならば、
「良い結果をつくらなかったら自分の存在価値はない」と
逆手に捉えてしまう可能性があるのです。

ストローク欠乏の状態にあると、情報を歪んで解釈してしまうのです。

では、どうすればよいのでしょうか?



「無条件」のストロークを与えることが必要なのです。


つまり上司である皆さんは、

 「たとえ悪い結果に終わったとしても、
  君が価値ある存在であることには変わりない。

  良い結果をつくることで、君の存在価値をさらに高まる。

  そして、君には良い結果をつくるだけの可能性がある」

と言わなければならないのです。


このような「無条件」のストロークを与え続けることで、
ストローク欠乏の状態から脱することができます。

そうなれば、「条件付き」のストロークを与えても、
素直に受け取ってくれるようになります。



私にも新入社員のころに、ストローク欠乏の時期がありました。

良い結果を何もつくることができないでいました。

そんなときにでも、「福留くんのいいところは誠実さだ」と
無条件のストロークを与えてくれる先輩がいました。

つらいときにも無条件で励ましてくれる上司や先輩、同僚に恵まれ、
私はなんとかその状況を乗り越えることができたのです。

そして、皆さんも同じような体験があるはずです。


私がお伝えしたいは、「最近の若者は...」と言う前に
『愛情』を持って若者を育てようということです。

難しいことではありません。

彼・彼女たちの「親」の気持ちで接すればいいのです。

彼・彼女たちは、ご両親からの愛情を受けて育った、
一人ひとりがかけがえのない大切な存在です。

会社はいわば、ご両親から大切なお子さんを預かっているのです。
だから会社は、社員様を大切に育てる義務があるのです。


私自身も「最近の若者は...」と言いたくなったら、
このことを思い出すようにしたいと思います。

         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年5月17日

「最近の若者は・・・」と言う前に その1

生きがいラボ・ニュースレター【2010年5月17日号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      「最近の若者は...」と言う前に

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

--------------------------------------------------------
※このニュースレターは、
 当社のお客様や他のメールマガジンにご登録いただいた皆様に、
 毎週月曜日と木曜日にお送りしています。
---------------------------------------------------------


リクルートスーツを着た若者が目立つ季節になりました。
この時期になると、自分が就職活動をしていた頃を思い出します。

私が就職活動をしていた1995年は、
すでにバブルが弾けて就職氷河時代と言われていました。

しかし、あと数年もすれば景気も良くなるだろうという、
今から考えれば甘い見通しですが、そんな雰囲気があった時代です。


そんな私も「最近の若者は...」と言いたくなる年齢になりました。

「自分から挨拶してこない」「妙に冷めている」「感情を見せない
から何を考えているか分からない」など、若者を観察していると
いろいろな思いが湧いてきます。


しかし・・・、

私が若かったころ(今でも諸先輩から見ると若者かもしれないが)、
「最近の若者は」と言われることが心の底から嫌いでした。

そう言われる度に「自分のことを何も知らないくせに勝手なことを
言うな」と思ったものです。

その私が「最近の若者は...」というフレーズを使いたくなっている
のですから、人間というのはおもしろいですね。


人類は「最近の若者は...」というフレーズを、はるか昔から使って
きました。

古代ギリシャや紀元前の書簡にも、その記述があるそうです。

つまり、いつの時代にもジェネレーションギャップは存在する
ということです。

となれば大切なことは、お互いを理解するために努力をすることだ
と言えるでしょう。


次回20日のニュースレターでは、最近の若者の心を理解するために
交流分析(Transactional Analysis)という臨床心理学の考え方を
お伝えしたいと思います。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

人事コンサルティング会社 生きがいラボ

Copyright (C) 2010 生きがいラボ株式会社 All Rights Reserved Produced by 人事コンサルティング