人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2010年5月21日

「最近の若者は・・・」と言う前に その2

ikigai-lab (2010年5月21日 00:39)
生きがいラボ・ニュースレター【2010年5月20日号】
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      「最近の若者は...」と言う前に  その2

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回の続きです。


私は、現代の若者は実に可哀そうだと思います。

まず、彼・彼女たちは景気が良い時代を知りません。
物心がついたころには、既に不景気でした。

テレビからは不安をあおるニュースばかりが流れていました。

「親がリストラにあう」「親の会社が倒産する」という
つらい思いをした若者も多いはずです。

つまり現代の若者は、心が常に満たされていない状態にあった
と言えます。



このような状態を心理学(交流分析=Transactional Analysis)では、
『ストローク欠乏』と呼びます。


『ストローク』を簡単に定義すれば、
「自分の存在価値を認めてくれる働きかけ」のことを言います。

たとえば、人は他人から「ありがとう」と言われると嬉しいものです。
この「ありがとう」という言葉が、ストロークです。

人から感謝されていることを「ありがとう」という言葉を通して実感し、
自分の存在価値を自分自身で認められるようになります。


つまり、ストロークをもらえばもらうほど、
「自分は価値のある存在なんだ」ということを自覚できるのです。

私が思うに、現代の若者は長い社会不安のなかで育ったことで、
慢性的な「ストローク欠乏」の状態にあります。
(若者だけではないかもしれませんが・・・)


ストロークが欠乏すると、問題行動を起こします。

軽度のストローク欠乏は、「遅刻」「無断欠勤」「無気力」
「無関心」を引き起こし、重度になると「うつ病」「ノイローゼ」
という症状まで発生します。


ここまで重度ではなくとも、たとえば、
何度注意しても報・連・相ができない新入社員の場合は、
単に能力不足の問題ではなく「誰も自分なんかに関心はない」と
いうような気持ちが、心の奥底にあるのかもしれません。

だから、自分から情報を発信しようという発想にならないのです。


現代の若者が「ストローク欠乏」であるという認識があれば、
おのずから接し方を変えなければならなくなるでしょう。

つまり、日ごろから意識をして「ストローク」を与えることです。


もっと具体的に言えば、「褒めてやる」ことです。


しかし、褒めるという行為は思っているよりも難しいものです。
間違った褒め方をすれば逆効果になってしまいます。

たとえば、部下である若者が良い結果をつくったとしましょう。

そのとき、上司である皆さんは「いい仕事をしたな!えらいぞ!」と
褒めてあげるでしょう。

しかし、この褒め方は「ストローク欠乏」の根本的な解決にはなりません。


なぜなら、この褒め方は「条件付き」のストロークだからです。


良い結果をつくったから褒めた、これは上司として当然のことです。

しかし、その部下がストローク欠乏の状態にあったならば、
「良い結果をつくらなかったら自分の存在価値はない」と
逆手に捉えてしまう可能性があるのです。

ストローク欠乏の状態にあると、情報を歪んで解釈してしまうのです。

では、どうすればよいのでしょうか?



「無条件」のストロークを与えることが必要なのです。


つまり上司である皆さんは、

 「たとえ悪い結果に終わったとしても、
  君が価値ある存在であることには変わりない。

  良い結果をつくることで、君の存在価値をさらに高まる。

  そして、君には良い結果をつくるだけの可能性がある」

と言わなければならないのです。


このような「無条件」のストロークを与え続けることで、
ストローク欠乏の状態から脱することができます。

そうなれば、「条件付き」のストロークを与えても、
素直に受け取ってくれるようになります。



私にも新入社員のころに、ストローク欠乏の時期がありました。

良い結果を何もつくることができないでいました。

そんなときにでも、「福留くんのいいところは誠実さだ」と
無条件のストロークを与えてくれる先輩がいました。

つらいときにも無条件で励ましてくれる上司や先輩、同僚に恵まれ、
私はなんとかその状況を乗り越えることができたのです。

そして、皆さんも同じような体験があるはずです。


私がお伝えしたいは、「最近の若者は...」と言う前に
『愛情』を持って若者を育てようということです。

難しいことではありません。

彼・彼女たちの「親」の気持ちで接すればいいのです。

彼・彼女たちは、ご両親からの愛情を受けて育った、
一人ひとりがかけがえのない大切な存在です。

会社はいわば、ご両親から大切なお子さんを預かっているのです。
だから会社は、社員様を大切に育てる義務があるのです。


私自身も「最近の若者は...」と言いたくなったら、
このことを思い出すようにしたいと思います。

         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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