人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2010年6月14日

「組織のフラット化」と「人材育成」のバランス

ikigai-lab (2010年6月14日 11:44)
生きがいラボ・ニュースレター【2010年6月14日号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   「組織のフラット化」と「人材育成」のバランス

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


6月11日の日経新聞の記事によると、
トヨタが20年ぶりに「係長職」を復活させるとのことです。

社内から「事業の急拡大に人材育成のスピードが追いつかなかった」
との声が相次ぎ、組織見直しの一環として施策のようです。

同社では、入社10年前後の社員を係長級として扱い、
5人程の部下の管理や指導などの現場の束ね役と機能させるそうです。



記事には、組織のフラット化による一般的な問題として、

 1.若手社員がマネジメント経験を積む機会が減る

 2.部下のケアが手薄になる

という問題を挙げています。


私から言わせれば、このような問題は、
組織をフラットにすると決めた時点で予測できますし、
また、しなければならない問題です。



何か新しい経営手法が出てくると、
それが完全無欠のような錯覚を起こしてしまいがちです。

しかし、それは全くの誤りです。

あらゆる経営手法にはプラス面とマイナス面があり、
何かを得れば何かを失うことを忘れてはいけません。



上司の権限には、「意思決定権」「指揮命令権」「評価権」が
ありますが、組織をフラット化すれば、これを経験できる人が
減ることになります。

つまり、人材育成にはデメリット面が大きいということです。


しかし、階層を増やせば良いというものでもありません。
階層を増やせば、組織全体の意思決定は遅くなるからです。



「組織のフラット化」と「人材育成」はトレードオフの関係なのです。



このトレードオフの関係を、なんとか「やりくり」するためには、
組織設計や人事制度はできる限り「シンプル」で「フレキシブル」に
しておく必要があります。

私が、「シンプル」かつ「フレキシブル」な人事制度を主張するのは、
これらの理由からなのです。



今回のトヨタの取り組みが、組織のフラット化や管理職不要論によって
肩身の狭かった管理職という役割を見直すきっかけになればと思います。

しかし、トヨタがしたからという理由だけで、階層を増やすのは
とても危険です。

まずは、自社の向かうべき方向性をしっかりと確立してから、
具体的な方策の検討をするようにお願いします。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

人事コンサルティング会社 生きがいラボ

Copyright (C) 2010 生きがいラボ株式会社 All Rights Reserved Produced by 人事コンサルティング