人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2010年8月26日

組織構造のデザイン(3)

生きがいラボ・ニュースレター【2010年8月26日号】
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         組織構造のデザイン(3)

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

前回は、組織デザインをするときの注意ポイントの一つ目である
「分業」について扱いました。

  前回のニュースレターはコチラ↓



今回は、組織デザインの2つ目のポイントである
「調整」について扱います。


「調整」とは、分業によって分けられたそれぞれの業務が、
あたかも一つであるかのように連動して活動できるようにすることです。

調整には、「事前の調整」と「事後の調整」があります。


「事前の調整」とは、業務の標準化を行なうことによって、
それぞれの業務を遂行すると自然に調整が取れるようにすることです。

標準化は、「インプット」「スループット」「アウトプット」の
3つの段階で行ないます。


「インプット」の標準化は、投入するヒト・モノの標準化です。

ヒトの標準化とは、人材育成を行なうことによって、
組織成員の価値観やスキルを均一化し、また向上させることです。

モノの標準化とは、機械や部品などの標準化です。


「スループット」の標準化は、いわゆる「マニュアル化」です。
最適な作業手順をマニュアル化することです。


「アウトプット」の標準化の代表例は、「目標管理」です。

作業手順の標準化が難しい場合、生み出すべき成果物を標準化し、
それに至るまでのプロセスは組織成員に任せるという方法です。

創造性が必要な業務や、環境変化の激しい業務などについては、
このような「目標管理」が有効になります。



調整の2つ目、「事後の調整」はヒエラルキー化(階層化)です。

いくら事前の調整を行なったとしても、イレギュラーなことは
必ず起こります。

そのときの調整方法として、上司に相談し、その上司の意思決定によって
調整を行なうのが、「ヒエラルキーによる調整」です。

したがって、事前の調整が困難な組織ほど、組織のヒエラルキーが
多段階になります。



このように、組織デザインを行なうときには、
自社の業務が「事前の調整」をどの程度まで出来るのかが重要になります。

「事前の調整」を出来る度合いが高くなれば、
組織構造のヒエラルキーは少なくても仕事が回っていきます。

それとは逆に、「事前の調整」が難しい場合、
ヒエラルキーが多段階でなければ仕事が回っていきません。


単に、流行が「フラットな組織」だというだけでフラットにすると、
思わぬところで会社が大混乱を起こしてしまいます。

組織デザインは、自社の状況をよく分析しなければできないのです。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年8月19日

組織構造のデザイン(2)

生きがいラボ・ニュースレター【2010年8月19日号】
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         組織構造のデザイン(2)

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


今回は、3つの組織形態の基本型をベースにして、
自社に合った組織デザインをする際の2つのポイントを扱います。


2つのポイントとは、「分業」と「調整」です。


「分業」とは、役割を分けることによって、専門性のメリットを
追求することです。

一人の組織成員が受け持つ役割を、限定すればするほど、
その業務における専門性が高まります。

例えば、機能別組織を採用した場合、製造や販売といった
機能別のノウハウや経験が蓄積されていきます。

それによって、各組織成員の機能別のスキルが高まっていくのです。


分業には、「水平分業」と「垂直分業」の2つがあります。

「水平分業」とは、仕事の流れや必要な機能にもとづく分業です。

例えば、企画→設計→生産→販売 という仕事の流れによって
分業することです。

この水平分業によって、部門化が行なわれます。


「垂直分業」とは、"考える仕事"と"実行する仕事"を軸に
行なう分業です。

一般的な組織構造としては、上役になるほど実際の作業よりも
"考える"仕事が増えていきます。

つまり、垂直分業によって、階層化が行なわれます。


このように、水平分業と垂直分業によって専門性というメリットを
追求していくのですが、分業にはデメリットもあります。


まず一つ目は、過度の分業によってモチベーションが低下する
ことです。

過度の水平分業によって、仕事の範囲が狭くなることで、
自分の仕事が組織全体に役に立っているかのが見えなくなります。

人間は、自分の存在価値を感じたい生き物であり、
自分の仕事の意義が見い出せない時、仕事への意欲が低下します。

また、人間というのは「自分で考えて、自分で決めたい」という
欲求を根本的に持っています。

過度の垂直分業によってこの欲求が妨げられ、意欲が低下します。


もう一つのデメリットは、部分最適に陥るということです。

組織を分割することは、単に仕事を分けるということだけではなく、
人の心まで分けてしまうものです。

つまり、部門や階層ができた瞬間に、そこに溝ができるのです。

そして、自分の部門や、自分の仕事のことばかりに意識が向き、
組織全体を見ての意思決定ができなくなってしまうのです。


このデメリットへの対処法としては、

1.分業の程度を緩和して、幅広い役割を持てるようにする

2.ジョブローテーションなどで、幅広い視点を持てるようにする

3.経営情報を積極的に公開するなど、経営への参画意識を醸成する



次回は、「調整」について扱います。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年8月12日

組織構造のデザイン

生きがいラボ・ニュースレター【2010年8月12日号】
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          組織構造のデザイン

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

前回まで3回にわたって、組織形態の3つの基本型である
機能別組織・事業部制組織・マトリクス組織についてお伝えしました。


それぞれの組織形態にメリット・デメリットがありますので、
自社の経営戦略や社風を考慮して、どれかを選択することになります。

そして、選択した組織形態をベースにして、
自社の状況に合わせてカスタマイズしていくことになります。


例えば、ベースは製品別の事業部制組織を採用するとしても、
特定の機能だけ社長直属にする場合などがあります。

基礎研究については、事業部ごとで行なうよりも、
研究者をまとめて一つの研究所で行なった方が効果的ということもあり、
研究開発部門を事業部と同格に置くことがあります。

また、営業機能を事業部から独立させて、営業本部のように
事業部と同格にする場合もあります。


あるいは、組織の一部だけマトリクス組織にすることもあります。

例えば、ベースは機能別組織にしておいて、
営業部だけを「製品別」と「地域別」のマトリクスにするなどです。


大きな組織になるといくつかの事業部を事業本部でまとめたり、
経営企画室などのスタッフ部門を設置する場合もあります。


このように、3つの組織形態の基本型をベースにして、
自社の状況に合うように組織構造をデザインしていくのです。

次回は、その時に考慮すべき2つの視点について扱います。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2010年8月 5日

組織形態の基本型(3)

生きがいラボ・ニュースレター【2010年8月5日号】
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          組織形態の基本型(3)

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

前回のニュースレターでは、組織形態の基本型の一つである
事業部制組織についてお伝えしました。

  前回のニュースレターはコチラ↓



今回は、マトリクス組織について扱います。


マトリクス組織とは、複数の軸によって組織を分割する形態です。

例えば、営業や製造などの機能別に分割された組織の上に、
横串を通すようにそれぞれの事業による分割も行なうような形態です。

イメージをしやすいように表計算ソフトで説明すると、
表計算ソフトでは、一つのセルは「A列の1行目」というように、
列と行という2つの属性を持っています。

マトリクス組織では、一人の社員様は表計算ソフトのセルのように、
2つの属性を持つようになります。

例えば、営業部門の構成員でもありA事業部の構成員でもある、
というように、複数の軸によって分割されるのです。

したがって、2人の上司を持つことになりますので、
マトリクス組織は「ワンマン・ツーボス制」とも呼ばれます。


複数の軸を持つことで、多面的な調整を組織的に行なうことができ、
よりバランス感覚の良い組織運営をすることができます。



マトリクス組織のメリットとデメリットを挙げておきます。


●マトリクス組織のメリット

 ・機能と事業などの2次元軸による組織統合を図ることができる
 ・情報の共有化が促進される
 ・視野の広い人材育成につながる


●マトリクス組織のデメリット

 ・一人の組織成員が、2人の上司から指示を受けることになり、
  指示系統が乱れやすい
 ・責任の所在が不明確になりやすい
 ・複数軸の間で意見の対立が起こりやすい



3回にわたって組織形態を扱って参りましたが、

どの組織形態が優れているということはなく、
それぞれにメリット・デメリットがありますので、
自社の経営戦略に最も合う組織形態を選択することになります。

この時には、「捨てる」という覚悟が必要になります。

なぜなら、ある組織形態を選択するということは、
他の形態によって享受できるメリットを捨てるということだからです。

その「捨てる」決断をするために、戦略が重要になってくるのです。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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