人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2010年12月30日

内発的動機づけを中心とした人事制度(4)

ikigai-lab (2010年12月30日 02:25)
生きがいラボ・ニュースレター【2010年最終号】
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    内発的動機づけを中心とした人事制度(4)

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

今回は、人事制度が「金銭的報酬」による動機づけを捨てると
どのような制度になるかをお伝えしたいと思います。



結論を申しあげると、
「評価制度と給与制度が連動しない」ということになります。


これを聞くと、人事担当者や人事コンサルタントの多くは
戸惑ってしまいます。

なぜなら、今までの人事理論が追求してきたのは、
評価制度と給与制度を精密に連動させることだったからです。

つまり、誰もが納得する評価方法で社員様に点数をつけ、
それを正確に給与に反映させるということです。

「評価制度と給与制度が連動しない」ということは、
今までの人事理論の全く逆の発想なのです。



しかし、内発的動機づけを人事制度の中心に置くには、
評価制度と給与制度の連動を断ち切ることが不可欠です。

思い切って「連動」を断ち切ると、
人事制度が抱える問題が次々と解消されていきます。



まずは、人事評価制度が「査定」から「人材育成」の仕組みに
変わります。

本来の人事評価制度の目的は「人材育成」なのですが、
評価結果が給与制度とリンクしていたために「査定」の制度に
なってしまっていたのです。

そして、自分の失敗を隠したり、評価が上がるように取り繕ったり、
自分の評価を素直に反省することができなくなっていたのです。

人事評価制度と給与制度を連動させないことで、
人事評価制度を人材育成に特化した制度にすることができます。


点数をつける必要がなくなりますし、
評価項目も一人ひとりの状況に合わせて設定することができます。


目標達成率が評価項目のときに、どうしても目標を低く設定して
達成率を高めようという意識が働きますが、

給与制度と連動しなくなると、チャレンジングな目標を設定できる
ようになります。


評価面談も、点数を決めるための退屈で面倒な時間から、
上司と部下が共にビジョンを語り合える楽しい時間に変わります。



このように、人事評価制度を給与制度から切り離すことで、
人事評価制度が生き返っていくのです。




しかし、人事評価制度と給与制度を切り離すことによって、
新たな問題も生じます。

それは、「どのようにして給与を決めるか」ということです。



そもそも、給与制度をどんなに精緻な仕組みにしたところで、
給与への不満がなくなることはありません。

必ず不満は出てきます。

給与制度で社員様を動機づけようとすること自体が
根本的に間違っているのです。



人事評価制度と給与制度を切り離すならば、
給与制度の基本コンセプトを変える必要が出てきます。

それは、今までの「動機づけ」というコンセプトから、
「安全・安心の提供」というコンセプトへの転換です。


社員様の貢献に報いる手段に給与を使うのではなく、

能力を発揮する場を与えたり、キャリア開発を行なったり、
自律的に働ける環境を提供するなどの金銭的報酬以外を
行なっていくということです。

つまり、内発的動機を刺激する人事施策を執るのです。



そして、給与制度は、賃金相場や生計費を考慮して、
生活保障的な意味合いの強い、シンプルな制度にします。

給与額を意識しなくても良いような給与制度が理想です。

言い換えると、給与の額など気にせずに、
仕事に集中できる環境を整えていくということです。



この考え方は、今までの人事理論の正反対の考えなので
違和感を持つ方がいらっしゃるでしょうが、

組織と個人の関係性が変わりつつある現状を考えると、
この方向性が最も理に適っているのです。


組織が社員様をコントロールするという時代は終わりました。

これからは、自律した個人が、組織という環境を活用して
自己実現していく時代なのです。


流れにしたがい、ヒトと組織の関係性を規定する人事制度も、
根本的に変革すべき時だと思います。



今回が2010年の最終号となります。

今年は大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。
来年も宜しくお願い申し上げます。

良い年末年始をお過ごしください。


         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
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