人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年6月30日

本当に社員様を大切にする施策(9)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


今回は「4T+M」のなかの「Money」について扱います。


社員様が仕事の充実感、達成感を味わおうとするならば、
自分が「責任者」であるという自覚が必要です。

そういう自覚があったときに初めて、
成功したときに心から喜べ、失敗したときに素直に反省でき、
自律的人材への成長できるのです。

これまで説明してきた「4T+M」は、
社員様に「責任者」としての自覚を促す重要な要素となります。


最後の「Money」は、「予算」のことです。


何をするにしても、「お金」が必要です。

したがって、「予算」の権限を与えずして、
社員様が仕事の成果をつくることは、極めて難しいことです。

しかし、多くの企業様では、
「責任」はあるが「権限」はない、というケースが起こっています。

このような状況では、社員様は実力を発揮することができず、
仕事へのモチベーションも下がり、成果もつくれません。


だからと言って、単に「予算」の権限を与えれば良い、
というものでもありません。

会社の方向性にそった戦略を立案し、予算を含めた実行計画が
承認されてはじめて、予算の権限を与えるべきです。

つまり、「予算」に関しての自律性を認めるためには、
その社員様が経営者のスキルを持っていることが条件となります。


それと同時に、会社としてもしっかりとした経営計画を
策定することが求められます。

現場を巻き込んで経営計画を作りこむことによって、
社内の資源をどのように配分するかが決まっていくからです。



このように、「4T+M」を通して自律的人材を育成することは、
「経営者」を育成することに他なりません。


すべての人は本来、自分の人生を経営している「経営者」です。

例えば、会社における「予算」をマネジメントするスキルは、
人生における「家計」をマネジメントすることにつながります。

社員様に経営的スキルを身につけていただくことが、
社員様の人生をより豊かにすることにつながるのです。


また、会社内に経営的視点を持った人材が増えることで、
今まで隠れていた社内の問題点、課題点を抽出することができ、
迅速な改善策を打てるようになります。

それによって、会社のパフォーマンスも向上します。


自律的人材の育成は、会社にとっても、社員様の人生にとっても、
大きなプラスに働くことなのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年6月23日

本当に社員様を大切にする施策(8)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

今回は「4T+M」のなかの「Team」について扱います。


チームに関しての自律性と言うと、
まず思い浮かぶのは、採用や異動などの人事権でしょう。


人事に関する権限というのは、

組織に属する者にとって極めて大きい権力ですし、
非常に長期にわたって会社の業績に影響を与えますので、

しかるべき人が持たなければ、会社は崩壊します。


しかし、社員様の側に立ってみると、
「誰と一緒に仕事をするのか」「どの部署で仕事をするのか」を
選べないということは、かなり自由を制限されていると感じます。

ですので、「Team」についても、段階的に自律性を与えることが
大切になってきます。



まず、比較的簡単に導入できるのは、

「Time」のところで述べた「20%ルール」の時間内であれば、
誰と組んで仕事を進めても良いとすることです。


これでしたら、公式な組織には影響せず、
社員様に「Team」の自律性を与えることができます。



また、社内のプロジェクトを立ち上げるときなどは、

プロジェクト参加を公募する制度を設け、
リーダーがメンバーを選ぶ権利を与えるのも有効な施策です。


一定の条件を満たした社員様には、

フリーエージェント制で自由に部署を異動できる権利を
与える方法もあります。


また、上司を選ぶという点においては、

役職任期制を設けて、役職を定期的に選挙で決めるという
方法もあります。


独立支援制度やのれん分け制度といったものも、
視点を変えれば「Team」に関する自律を促進するものです。



このように、人事権という強力な権力に関しても、
限定的に社員様の自律性に任せる方法はいくつもあります。


次回は、「4T+M」のなかの「Money」について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年6月16日

2:6:2の法則

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


今回は「4T+M」のなかの「Team」について扱う予定でしたが、
共有したいことがございましたので、

予定を変更して「Team」については次回に扱います。



先日、尊敬する経営者様とお話していたときに、
「2:6:2の法則」のことが話題に上がりました。


有名な経験則ですが、

アリの世界では、よく働くアリが2割、まあまあ働くアリが6割、
働かないアリが2割という割合になり、

これを人間の集団にも当てはまるとする考え方です。


私の経験上も、ほぼそのような感覚があるのですが、
私自身としては、この法則があまり好きではありませんでした。


私はこれまで、

それほど活躍しなかった人が、会社や部署、上司が変わることで
能力を発揮し出すということを何度も見てきました。


つまり、「働かない」とされる2割の方々も、
置かれている環境次第で、能力を発揮できるというのが
私の考えです。


さらに言うと、経営者様が「2:6:2の法則」を出すときは、

「結局は2:6:2になるから仕方ない」

というような、あきらめの材料にされる傾向があります。



先日、「2:6:2の法則」の話題になったときに、
私がこの法則をあまり好きではないという話をしたところ、
その経営者様が私に教えてくださいました。


その経営者様は、
「2:6:2の法則」を次のように捉えていました。



 「働かない」とされる2割の社員さんは、
 会社の問題点を浮き彫りにしてくれるありがたい存在。

 問題点を、「反発する」「やる気を見せない」などの
 行動によって、指摘してくれている。

 これらの2割の社員さんを受け入れて、
 その声を活かしていくのは、経営者の考え方次第。

 つまり、経営者の器が試されている。



そのお話を聞いて、「なるほど!」と感じました。


私も、この経営者様のように、
人の可能性を信じきる姿勢を貫いていきたいと思いました。



次回は、社員様を幸せにする人事施策にテーマを戻して、
「4T+M」のなかの「Team」について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年6月 9日

本当に社員様を大切にする施策(7)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回は、自律的人材を育てるための要素、「4T+M」のなかの
「Technique」について扱いました。


今回は「4T+M」のなかの「Task」について扱います。



「Task(課題)」、つまり、「何を行なうか」について
社員様が自分で決められる裁量を委譲していくということは、

会社にとっては、とても大きな決断になると思います。


なぜなら、会社が社員様に与える仕事というのは、
事業戦略の達成のために細分化された一部分ですので、

本来ならば、どれ一つ欠けても戦略は達成できなくなるからです。


また、全体的な思考、戦略的な思考が備わっていなければ、
自分の好きなことばかり行なって、組織としての相乗効果が
得られないという事態にもなりかねません。


しかし、皆さんもご経験があるかと思いますが、
自分がすることを自分で決められないという状況は、
苦痛以外の何ものでもありません。

社員様のモチベーションを高めるためには、
「Task」についても自律を進めていく必要があるのです。


また、指示命令によって行なっている仕事からは、
創造的な発想や心のこもったサービスは生まれてきません。

結果的には、「Task」の自律を進めることによって、
会社のパフォーマンスも高めることにつながっていくのです。



社員様に「何を行なうか」を任せていくプロセスには、
主に2つのパターンがあります。




1.勤務時間の一部を、自分が選んだ仕事に充てられるようにする


 有名な例としては、スリーエムの「15%ルール」や
 グーグルの「20%ルール」があります。

 スリーエムやグーグルでは、勤務時間の一定時間を
 自分が選んだプロジェクトに充ててよいというルールがあるのです。

 この時間は、上司も介入することはできません。

 
 自分で選んだプロジェクトですから、当然 やる気も高まりますし、
 創造性や革新的なアイデアも生まれてきます。

 スリーエムの「ポスト・イット」や、
 グーグルの「グーグル・ニュース」や「Gメール」などは、
 この自由な時間のなかで生まれたものです。

 
 よく「プロジェクトがうまく進まない」というお声も聞きますが、
 既存の仕事に追われていたり、上司や同僚の理解がないケースが
 ほとんどです。

 スリーエムやグーグルのように、勤務時間の一定時間について
 社員様がしたい仕事をするようなルールを明確にすることが、
 新規事業の開発などでは不可欠になります。

 


2.対話型目標管理によって、徐々に裁量を大きくしていく


 「何を行なうか」について任せようとすれば、
 社員様に全体的な思考や戦略的な思考を身につけていただくことが
 必要不可欠になります。

 ですので、目標管理によってそのような思考を育成しながら、
 自律性を伸ばしていこうというのが「対話型目標管理」です。


 「誰が目標設定するのか」と「誰が結果を評価するのか」の
 2軸で目標管理を類型化すると以下のようになります。


 (1)ノルマ型目標管理

    → 上司が目標設定し、上司が結果を評価する


 (2)自己採点型目標管理

    → 上司が目標設定し、部下本人が結果を評価する


 (3)フィードバック型目標管理

    → 部下本人が目標設定し、上司が結果を評価する


 (4)自律型目標管理

    → 部下本人が目標設定し、部下本人が結果を評価する



 「対話型目標管理」は、これら4つの象限の中心に位置し、
 目標設定も結果の評価も「対話」のなかで行ないます。


 上司と部下がお互いをパートナーとして尊重し合い、
 対話を通して納得したうえで目標管理を進めることによって、

 徐々に部下の裁量を大きくしていくのです。

 
 目標を「大目標」「中目標」「小目標」のように細分化し、
 まずは社員様が「小目標」を自分で立てられるように育成し、

 つぎは「中目標」、つぎは「大目標」というように、
 成長に合わせて社員様の裁量を大きくしていけるのです。
 



この2パターンに共通して言えることは、
経営者様の「社員様を信じる力」が問われるということです。

「任せたら怠けるんじゃないか?」と考えているうちは、
いくらルールや制度をつくっても、まったくの無意味です。

社員様を疑いの目で見れば、社員様もそれだけの働きしかしません。


社員様を信じ切るところからスタートし、
成長に合わせて任せていくというプロセスが大事なのです。



次回は、「4T+M」のなかの「Team」について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年6月 1日

本当に社員様を大切にする施策(6)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

前回は、自律的人材を育てるための要素、「4T+M」のなかの
「Time」について扱いました。


今回は「4T+M」のなかの「Technique」について扱います。



スケジューリングを自律的にマネジメントできるようになれば、
次の段階では、

 Technique = 仕事のやり方・進め方、技術・スキル

について、自分でマネジメントできるように育成します。



時間管理を任せられるようになっているので、
入社2年目~3年目ぐらいの社員様をイメージしてください。

 ※業種・業態によって異なります。


この頃になると、ある程度の基本的な仕事のスキルは
身についているでしょうから、仕事のやり方やスキルの面でも
徐々に任せていくことが大切です。


ここでもポイントとなるのは「対話」です。


上司と部下の対話のなかで、部下に考える時間を与えながら
より良い方向に導いていくのです。

上司から見て、部下の考えるやり方が今イチだと思っていても、
まずは任せることが必要です。


許容できる範囲で、失敗させることも必要なのです。

大切なのは、その失敗について非難するのではなく、
失敗の原因と改善策を「対話」によって明確にすることです。


最も重要なのは、部下が「自分で考えて決めた」と感じることです。

その意識にならなければ、仮に失敗したとしても、
「上司の指示が悪かった」と感じ、素直に反省できないのです。

素直に反省できなければ、成長もありません。


「考える→実行する→反省する」というサイクルが回るように
サポートすることが上司の役割となります。

このサイクルが回ることによって、
部下は自分のスキル・技術の課題点を自分自身で気づき、
その克服のために学習する意欲が湧いてきます。

このことが仕事への情熱となっていくのです。



経営者や管理職の皆さまのなかには、

「何でもマニュアル化して、その通りにさせた方が効率的だ」

と考える方もいらっしゃるかと思います。


もちろん、基本業務に関するマニュアルは必要不可欠ですし、
それによって品質が維持できることも確かです。

しかし、マニュアル化によって「創造性」が失われることも
可能性として否定できません。


仮に、事業の核心、つまり、顧客に提供する価値を担う部分で
創造性が失われたとしたら、会社はどうなるでしょうか?

間違いなく、時とともに事業は陳腐化していきます。

その時になって、社員様に「創造性を発揮しろ」と言っても
遅いのです。



社員様に「Technique」の部分で自律性を与え、
大成功している企業が靴のネット通販会社「ザッポス」です。

ザッポスのCEO トニー・シェイ氏は次のように語っています。


 
 ほとんどのコール・センターは、
 業界用語でいう「平均処理時間」を基準に
 オペレーターの業績を評価していますが、

 これは、1日に各オペレーターが
 何件の電話に応対できるかに焦点を当てています。


 言い換えると、
 オペレーターはどれだけ早く顧客の電話を切れるかを
 気にすることになり、

 私たちからすれば
 素晴らしいカスタマー・サービスを提供しているようには
 思えません。


 また、マニュアル原稿を用意したり、売上を増やすために
 アップセル(より高額な商品へ誘導すること)をオペレーターに
 強要したりするコール・センターも少なくありません。

 
 ザッポスでは、電話にかけた時間を計っていません。
 (これまでの最長時間は約6時間でした!)

 また、こちらからアップセルをすることもありません。
 
 (中略)

 私たちにはマニュアル原稿がありません。

 どんな顧客に対応する際も、
 ザッポスの社員は常に最善の判断をしてくれると
 信じているからです。

 (中略)

 電話でのやり取りでは いつもオペレーター各自が
 自分本来のパーソナリティを発揮してほしいと願っています。


       「ザッポス伝説(ダイヤモンド社)」より引用



このような姿勢にザッポス社員は共感し、
愛社精神を持つとともに、仕事に対して情熱を傾けているのです。

仕事のやり方を社員様に任せることは、
遠回りなように見えますが、長期的に見れば効果的なのです。


なおかつ社員様にとっても、上司からの命令ではなく
自分で決めることによって達成感や充実感が大きくなります。

仕事本来の楽しさを味わうことができます。



社員様の仕事の進め方を任せるためには、
トニー・シェイ氏のように、上司が部下を信じられるかが
とても重要なポイントになります。

部下との対話のなかで、上司も成長することができるのです。



次回は、「4T+M」のなかの「Task」について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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