人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年7月28日

ビジョンが進化する

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

ジェイティービーモチベーションズの調査によると、
東日本大震災の後の仕事に対するモチベーションについて、

「がんばろうと思う」が75%となり、
「やる気は大震災前より上がっている」が約39%となるなど、

大震災を乗り越えようという前向きな姿勢が見受けられます。


私の周りでも、大震災をきっかけとして価値観が変わった方や、
ビジョンが変わったという経営者の方がいらっしゃいます。


また、私の尊敬する経営者さまは、


 「阪神大震災のときは、我われが日本中から助けてもらった。

  今度は、関西の我われが、被災された方々を助けよう!」


と、ボランティア活動や、関西経済を盛り上げる取り組みを
積極的に展開されています。


震災後には様々な難しい問題が持ち上がっていますが、
たくさんの方が「自分は何かできないか?」と考えていることが、
今回の調査でも明らかになりました。



私自身は、今回の震災で「命の尊さ」を再確認しました。


私は今までずっと、会社の業績に貢献できるだけではなく、
会社で働く全ての方が、豊かな人生を送ることができるような
人事制度を模索してきました。


そのような想いのなかで、

エドワード・デシ氏の「内発的動機づけ」の研究や
ミハイ・チクセントミハイ氏の「フロー理論」、
ピーター・センゲ氏の「ラーニング・オーガニゼーション」、
オットー・シャーマー氏の「U理論」、
シーナ・アイエンガー氏の「選択」に関する研究、
太田肇教授の「日本的人事管理論」、

などの理論的背景と、自分自身の職業生活の実体験に基づいて、
新しい人事制度理論を考えてきました。


そして今は、社員さまの「生きがい」の実現を図ることで、
社員さまにとっても会社にとっても、望ましい結果をつくれると
確信しています。


しかし、自分の人事制度によって社会を変えようと発想は
震災前にはありませんでした。

もっと正確に言うと、そういう考えではあったのですが、
言葉にする覚悟がありませんでした。



震災によって、たくさんの尊い命が失われる現実に触れ、
日本は「人間の命」を大切にした社会に生まれ変わるべきだと
感じました。

今までの人事制度の根本思想は、「アメとムチ」の論理で
社員さまの意思を無視して強制的に働かせようというものです。

現代社会における自殺や精神性疾患の増加は、
これによる精神的ストレスが一因であると考えています。

この状態は、命を大切にした社会とは程遠いものですが、
個人と組織の関係性が変わらなければ、この状態は続きます。



私は今回の震災によって、

新しい人事制度を通して、個人と組織の関係性に変革を起こし、
生きがいを持った豊かな人生を送れる社会づくりに貢献することが

自分の使命だと心から思えるようになりました。

震災のショックによって、「会社づくり」から「社会づくり」へと
ビジョンが進化したのです。


冒頭の調査にあったように、
同じように感じておられる方がたくさんいらっしゃると思います。

今回の震災で犠牲となられた方々の命に報いるには、
これをきっかけとして、日本が進化することしかないと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年7月19日

自分の感情を選択する(2)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回は、自律的人材になるには「感情を選択する」という意識が
必要になるとお伝えしました。


自律的「人材」という言葉を使うと、
会社における社員さまのことだけを連想してしまいがちですが、

経営者さまも自律的人材を目指す必要があります。


もっと正確に言うならば、最も影響力の大きい経営者さまは、
会社のなかで一番「自律的」でなければなりません。



「他律的」な経営者さまの代表は、「うちの社員は出来が悪い」と
業績が伸びないのを社員さまのせいにするケースです。


確かに、会社のなかで一番努力しているのは経営者さまであり、
社員さまの努力や能力に不満を感じてしまうお気持ちも分かります。

また、日夜 一生懸命に働き、とてつもないプレッシャーと戦い、
一番会社のことを考えている自分が業績不振の原因になっていると
考えたくない気持ちも分かります。

しかし、経営のことを本当に突き詰めて考えれば、
業績が伸びない最大の原因は、経営者さまの能力不足なのです。



ここで言う「能力」とは、マネジメントやリーダーシップなどの
いわゆる「スキル」の面だけではなく、

「人間性」の部分も含まれます。


現代の専門分化が進んだ組織においては、
「スキル」よりも「人間性」の面が大きく影響すると言えます。

経営者さまの「人間性」は、
社員さまの「心」の状態に大きく影響を与えるからです。


つまり、経営者さまが「他律的」であれば、
ほとんどの場合、社員さまも「他律的」になってしまいます。

経営者さまが「社員が悪い」と思っていると、
それを直接は言葉で表していなくても、社員さまに伝わり、

社員さまは「社長に信頼されていない」と感じるのです。


そしてその結果、社員さまも「うちの社長は分かっていない」と
他律的に経営者さまを責め始めるのです。

それが負のスパイラルのなかで増幅され、
経営者さまと社員さまとの関係が加速度的に悪化していき、

会社が内部から崩壊していくのです。



この問題を解決するには、
経営者さまが自分の感情をポジティブになるように選択し、
心の底から「自律的」になるしかありません。

表面上は社員さまを信頼している言動をしていても、
心のなかで「社員が悪い」と思っていれば、必ず伝わります。

必ず、どこかで本音が出てしまうのです。


経営者さま(部下を持つ方)は特に、
自分の感情を自律的にコントロールする必要があるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年7月14日

自分の感情を選択する

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回まで、社員様が自律的人材に成長するのを支援する要素
についてお伝えしました。

しかし、いくら会社が良い環境を整えたとしても、
成長する人、成長しない人の差が出てきてしまいます。


この差はいったい何なのでしょうか?


私は、「どれだけ自分の感情をコントロールできるか」の差が
大きな要素として存在していると思います。



感情というのは、無意識に生活をしていると、
外部の環境によって自動的に発生するものだと考えがちです。

このように考えていると、もし自分がイライラしていたならば、
その原因は「上司のせい」「会社のせい」「部下のせい」などと、

自分をイライラさせる「周りが悪い」となります。

このような人は、仕事に対して「受け身」であることが多く、
自分以外への不平不満ばかり感じてしまっています。

その結果として、せっかく素晴らしい実力を持っていても、
仕事のパフォーマンスは上がりませんし、成長もできません。


人間ですから、思い通りにいかなければイライラもしますが、

イライラしている自分の感情に気づいて、
自分の感情をプラスの方向にコントロールすることが大切です。


これができなければ、いくら良い環境に身を置いたとしても、
成長することはできません。



会社においては、上司が感情をコントロールできなければ、
部下の成長を阻害してしまう可能性があります。


部下育成についての本のなかには、
「部下の話をよく聴く」と「時には叱ることも必要」という
内容について書かれてあります。

この2つの関わり方を、部下の成長のためという視点で、
「瞬時に」選択することが必要となります。


しかし、部下の話を聴くべきだと知識では知っていても、
思い通りに動かなかった部下に対するイライラを解消するために

自動的に叱る(正確には"怒る")という行為をしてしまうことも
多くの上司は経験されているのではないでしょうか?


そういう時には、だいたい言い過ぎてしまうものです。
(恥ずかしい話ですが、私も何度も経験があります・・・)


このことは、名目上は「部下のため」に叱っているつもりでも、
実際には「自分の感情処理」をしているだけです。

これでは、良い部下指導にはなりませんし、
部下のモチベーションが下がって、逆効果になってしまいます。



前回までの「4T+M」の施策をする際には、
まずは上司(経営者)が自分の感情をコントロールできるように
ならなければなりません。

上司が自律的人材でなければ、部下も自律的人材には育たないのです。



第一歩として、「感情は選択することができる」という考え方を
会社のなかに浸透させなければなりません。

自分の感情にも責任を持つことを、教えていかなければなりません。


「感情の選択」の達人が、タイガー・ウッズ選手です。


ゴルフというスポーツは、同じ人が同じようにホールに挑んでも、
素晴らしいショットになったり、ミスショットになったりするように、
精神力が問われるスポーツです。

タイガー・ウッズ選手は、自分の感情を「10秒」ごとにリセットし、
フレッシュな気持ちで次のプレーに臨めるようにしているそうです。

なおかつ、訓練として、ゴルフをしていないときにでも、
24時間意識して、「10秒」での感情の切り替えをしています。


タイガー・ウッズ選手のようなレベルには達しなくとも、
自分の感情を選択することが、自律的人材への第一歩となるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年7月 7日

本当に社員様を大切にする施策(10)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回まで、社員様に自律的人材に成長してもらうことが、
本当に社員様を大切にすることだとお伝えし、

自律的人材を育成する要素である「4T+M」を述べてきました。


しかし、「4T+M」の自律性を伸ばす仕組みよりも
もっと大切なことは、会社が社員様をどのように考えるか、です。


社員様をパートナーとして信頼するか、
あるいは、社員様を利益を生む道具と考えるか、によって、

仮に同じ施策をとったとしても、その伝わり方が違ってきます。



社員様を信じて成功している企業として、
以前にご紹介した靴のネット通販会社「ザッポス」があります。

CEOのトニー・シェイ氏の言葉を再掲します。


 
  ほとんどのコール・センターは、
  業界用語でいう「平均処理時間」を基準に
  オペレーターの業績を評価していますが、

  これは、1日に各オペレーターが
  何件の電話に応対できるかに焦点を当てています。


  言い換えると、
  オペレーターはどれだけ早く顧客の電話を切れるかを
  気にすることになり、

  私たちからすれば
  素晴らしいカスタマー・サービスを提供しているようには
  思えません。


  また、マニュアル原稿を用意したり、売上を増やすために
  アップセル(より高額な商品へ誘導すること)をオペレーターに
  強要したりするコール・センターも少なくありません。

 
  ザッポスでは、電話にかけた時間を計っていません。
  (これまでの最長時間は約6時間でした!)

  また、こちらからアップセルをすることもありません。
 
  (中略)

  私たちにはマニュアル原稿がありません。

  どんな顧客に対応する際も、
  ザッポスの社員は常に最善の判断をしてくれると
  信じているからです。

  (中略)

  電話でのやり取りでは いつもオペレーター各自が
  自分本来のパーソナリティを発揮してほしいと願っています。


        「ザッポス伝説(ダイヤモンド社)」より引用




また、「日本一楽しい会社を作りたい」という経営をしている
中里スプリング製作所という会社が群馬県にあります。

社員数約20名の中小企業ですが、
「社員に好きなことをやってもらう」というポリシーを
徹底して貫いています。


その例として、同社には「ご褒美制度」という制度があり、
1年間で一番頑張った社員様に「ご褒美」を与えます。


そのご褒美とは、

1.会社の設備と材料を作業時間内に好きなだけ使って、
  好きなものを作っていい権利

2.嫌な顧客1社との取引をやめてもよい権利


この施策も、社員様への信頼なくして出来ることではありません。



ザッポスも中里スプリング製作所も、
社員様を大切にするという価値観を示すだけではなく、

「言行が一致している」ことが見逃せない点です。


いくら口では良いことを言っても、実際の行動が伴っていなければ、
まったく意味がありません。



会社が社員様を信じずに、コントロールしようと考えていると、
社員様も会社を信じることはなく、自分の力を出し惜しみします。

それとは逆に、会社が社員様を信じて、自主性を重んじていると、
社員様も会社を信じて、最大限の努力をするようになります。


当たり前すぎるぐらいに当たり前のことなのですが、
実際は社員様をコントロールしようとする会社が多いようです。

そして、「当社の社員はモチベーションが低い」と言うのは、
あまりに自分勝手と言わざるを得ません。


まずは、社員様が信頼するに足る「誠実さ」を示すことが、
全ての出発点となるのです。

そのうえで、「4T+M」の施策を行なうことによって、
社員様が成長し、結果として会社のパフォーマンスも上がるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

人事コンサルティング会社 生きがいラボ

Copyright (C) 2010 生きがいラボ株式会社 All Rights Reserved Produced by 人事コンサルティング