人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年8月26日

社員さまを尊重する人事施策(1)

今回から、経営者さまが社員さまを大切に考える「想い」が伝わる
人事施策について考えていきたいと思います。


まず今回は、全ての基礎となる考え方をご紹介します。



社員さまのモチベーションを上げる人事施策を実施するとき、

「望ましい行動」に対して「金銭的報酬」を与えるという施策が
しばしば見受けられます。


成果主義人事制度がその典型ですが、もっと細かい例で言うと、

社員さまからの改善提案を増やしていきたい場合に、
「改善提案をしたら(採用されたら)○○円」という制度を
設ける企業さまもあります。


金銭的報酬によって「望ましい行動」をさせようとするのは、
結論から言うと、ほとんどの場合が逆効果になります。


会社は「頑張りに報いたい」という純粋な気持ちだったとしても、
多くの場合、社員さまは「コントロールされている」という
印象を持っています。

これは、創造性が必要な業務にたずさわる社員さまになるほど、
顕著に現れます。

金銭的報酬を見せられることで、仕事そのものへの関心や、
仕事に対するプライドが損なわれてしまうのです。

心理学などの研究によって実証されていますが、
金銭的報酬での動機づけは、それほど難しいものなのです。



したがって、社員さまを大切に想っていて、
社員さまがイキイキと働ける職場環境をつくろうとするのであれば、

「金銭的報酬に頼らない」というのが基本原則です。



言い方は悪いですが、「お金で釣る」というのは、
社員さまの存在価値を尊重していない施策として受け取れらます。


「金銭的報酬」という安易な方法に頼らず、
どうすれば社員さまを「尊重」できるかを考え続けていくことが、

社員さまのためにもなりますし、結果的に会社のためにもなります。



次回は、社員さまを尊重する人事施策について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年8月19日

仕事に対する価値観

前回の記事のなかで、

 これからの企業経営には、社員さまを「労働力」としてではなく、
 「一人のかけがえのない人間」として尊重していくことが、
 企業の永続にとって最も重要

とお伝えしました。


この会社の姿勢は、実際に社員さまの仕事に対する価値観に
関わっていきます。


もし、会社が社員さまを「労働力」として考えているならば、
社員さまは会社を「お金を得る場所」としか考えなくなります。

全ての判断基準が「お金」になっていくので、
ちょっとしたことで会社に対する不平・不満が湧いてきて、
出来る限り「手を抜く」ことばかりを考えるようになります。

仕事が「苦役」になってしまうのです。


反対に、会社が社員さまを「かけがえのない存在」と考えるならば、
社員さまも会社を「自分の価値を発揮する場」と考えます。

判断基準が「自己実現」や「貢献」になるので、
より良い仕事をしようと、自発的に努力を行なうようになります。



多くの経営者さまは、「自分は社員を大切に考えている」と
おっしゃいます。

確かに、経営者さまのお話をお聴きすると、ほとんどの方は、
社員さまへの深い愛情を感じます。

しかし、それが社員さまに伝わっていないのです。


なぜなら、人事制度が典型的ですが、実際に行なう経営施策が
「社員=労働力」の根本原理に基づいているからです。

例えば、人事制度で「評価と給与を連動」することによって、
社員さまは自分がコントロールされている感覚を味わいます。

人を金銭的価値を基準に置き換える制度が存在すると、
いくら「人材育成のため」などと言っても伝わりません。

社員さまの立場からすると、
「経営理念では良いことを言っても実際の行動は違う」ように
映ってしまうのです。



次回から、経営者さまが社員さまを大切に考える「想い」が伝わる
人事施策について考えていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

「お金」でモチベーションを上げられるのか?

私はずいぶん前から、「お金」でモチベーションを上げようとする
既存の人事制度理論に異を唱えてきました。

「お金」でモチベーションを上げ続けるのは不可能であり、
それどころか、逆に仕事への関心を奪ってしまうことになるからです。

それは、エドワード・デシ氏をはじめとする多くの学者が、
長年のさまざまな実験によって明らかにしてきた人間の本質なのです。



しかし、人事施策に関しては、それらの研究が活かされず、
相変わらず金銭的な報酬でモチベーションを上げようとしてきました。


人事制度の構造を簡単に言えば、

1.等級制度によって社員さまを格付けし、
2.等級別の評価項目・基準によって社員さまに点数を付け、
3.その等級と点数に応じて給料額を変える

ということです。


つまり、望ましい行動をすれば給料を上げ、
望ましくない行動をすれば給料を上げない(下げる)ことで、

社員さまの行動をコントロールしようとしているのです。



この構造のやっかいなところは、一見すると理に適っていることです。



人事制度をこういう「アメとムチ」の構造にすれば、
社員さまは給料を上げたいから頑張るだろう、と考えてしまいます。

しかし、人間は馬のように、鼻先にニンジンをぶら下げられて、
ニンジンを目がけて無心に走れるほど、単純ではないのです。

狙いとは逆に、仕事への関心を失ってしまい、
受け身になったり、反発したりして、パフォーマンスが落ちるのです。

もちろん、仕事の喜びを感じることもできなくなってしまいます。



今までの人事制度は、呼び名や評価項目・基準が多少違っても、
基本的な構造は同じでした。

さまざまな考え方が登場しましたが、
基本的には「アメとムチ」の構造に変わりなかったのです。

私は、今までの人事制度は、人間の尊厳を軽視しているとさえ
考えています。



私が提唱している人事制度は、
金銭的報酬による「アメとムチ」は一切使うことはありません。

なぜなら、「評価」と「給与」を分離しているからです。


「評価」は、社員さまの成長のためだけに活用します。

「給与」は、社員さまの「生活の安定」と会社の「支払い能力」で
おおむね決まるように設計します。


今までの人事制度理論とは、180度反対のコンセプトですから、
ご理解いただくのに時間がかかる場合もあります。

しかしお陰さまで、経営者さま、特に社員さまを大切にしたいという
経営者さまには、共感していただける方が増えています。



これからの企業経営には、社員さまを「労働力」としてではなく、
「一人のかけがえのない人間」として尊重していくことが、
企業の永続にとって最も重要であると考えています。

そのことによって、個人と組織の新しい関係性が構築され、
働き盛り世代の自殺や精神疾患のなくなり、

全ての人が仕事に喜びを見い出せる社会づくりができると思います。


当社は、そのような社会づくりを目指していきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年8月 4日

「事業」と「企業」のどちらを継承するのか?

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


昨日は、前職の会社で、コンサルタントが集う月例勉強会に
参加させていただきました。

退職してからも勉強会に参加できることが本当にありがたく、
また、尊敬するコンサルタントの方々から学べる場となっています。

その勉強会で「事業承継」の話題になりました。


主任コンサルタントのFさんが、


 『事業』を継承するか、あるいは『企業』を継承するか、
  を明確にしなければならない。
 

とおっしゃったことが印象に残りました。



事業の中核である製品、商品、サービスは、
時代の流れや技術の進歩によってドンドンと陳腐化していきます。

ソニーが今秋でMDウォークマンの生産を止めますが、
いくら流行った製品であっても、寿命に勝つことはできません。

したがって、先代経営者から後継する者は、
企業存続のために先代の事業を捨てる決断も必要となるかもしれません。

 ※もちろん、事業ドメインをどう定義するかにもよりますが。


しかし、当社のことを考えた場合、
組織・人事コンサルティング事業を捨ててしまうということは
当社の存在価値がなくなるということです。

当社は「人間の生きがいを追求する」を経営理念に、
組織・人事の変革を通して、全ての人が「生きがい」を持てる社会を
構築することを目的として創業しました。

この方向に進んでいなければ、存在する価値がない会社なのです。

極端に言えば、儲かるからといって何かの小売を行なったとしたら、
それは既に「生きがいラボ」ではないのです。


このような意味で、事業承継を行なう場合には、
「何を変えてはならないのか」「何を変えるべきなのか」を
しっかりと検討する必要があると思います。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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