人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年10月27日

モチベーション施策の注意ポイント(1)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


社員さまのモチベーションを高めることは、
会社の業績にとっても、また社員さま一人ひとりの人生にとっても
とても重要なことです。

しかし実際には、会社のなかでモチベーションを高く維持し、
充実感や達成感を感じている社員さまは少ないものです。


そして、経営者を含め部下を持つ方々は、
部下のモチベーションを高めようと頭を悩ませておられると思います。

「良かれ」と思って実施した施策が、
逆に部下のモチベーションを下げてしまったというご経験を
された方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回から、モチベーションを高めるために行なっている施策が
逆に社員さまのモチベーションを下げる結果とならないように、
その注意ポイントをお伝えしていきます。


まず、今回は大前提をお伝えしたいのですが、
それは、人は「アメとムチ」では動かされないということです。

もっと正確にいえば、「交換条件付き」の「アメとムチ」です。


「交換条件付きのアメとムチ」とは、

『~をしたら、○○というご褒美を与える』
『~をしたら、××という罰を与える』

というようなものです。


こういう「交換条件つきのアメとムチ」は、
社員さまをコントロールしようとする意図が見え隠れしています。

人は、他人からコントロールされるのが大嫌いですから、
一見すると従順に見えていたとしても、心では反発しているのです。

「アメとムチ」が逆効果だということは当然のように感じますが、
実は無意識に「アメとムチ」の施策を行なっていることが多々あります。

特に、金銭的報酬による「アメとムチ」は強烈に逆効果を与えます。


大前提として、「アメとムチ」の施策は逆効果になることを踏まえて、
次回から個別の施策について見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年10月20日

社員さまを尊重する人事施策(9)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回まで、社員さまを尊重する人事施策ということで、
「独立」「目標管理」「キャリア」などについて見てきました。

今回はまとめですが、重要なのは「どんな施策」にするかではなく、
経営者さまが「社員さまを信じ切れるか」にかかっています。


100名の経営者さまに聴けば、
おそらくほぼ全員の方が「社員さまは大切」とおっしゃいます。

しかし、一挙手一投足にわたるまで、
その考え方を徹底して実践するのはなかなか難しいことです。

経営者も人間ですから、感情に左右されることもあります。



例えば、社員さまが期待通りの行動をとらなかったとします。

もし本当に社員さまのことを信じているならば、
なぜそのような結果になったのかを「質問」するはずです。

しかし、多くの場合、期待通りにならないことにイライラし、
よく状況を聴かないままに責めてはいないでしょうか。


あるいは、社員さまが経営に対して何か意見を言ったとします。

もし本当に社員さまのことが大切で信じているならば、
意見を言ってくれたことに対して、心から感謝するはずです。

しかし、社員さまの提案が、
自分の過去の意思決定を否定しているように感じてしまい、
何かしら理由をつけて却下していないでしょうか。


私が人事制度構築のお手伝いをしている会社さまでも、

基本コンセプトでは社員さまが「自律性」を発揮できるような
制度づくりと設定していても、

いざ制度の各論に入ってくると、
「この制度では怠ける社員が出てくるのではないか」というように
トップの心は揺れ動きます。


人間は完全ではありませんから、それが悪いことではありません。

重要なのは、そういう弱さを謙虚に反省し、
常に自分を厳しく律し、高めていくように努力することです。


いくら制度や施策としては社員さまを尊重していても、
日々の行動がそれと違っていれば、何の意味もありません。

「会社はトップの器以上にならない」とよく言われますが、
本当にその通りだと思います。

本当に社員さまがイキイキと働く会社をつくるには、
トップが自分のエゴを自制する努力が必要となるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年10月13日

社員さまを尊重する人事施策(8)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。



今回は、「キャリア」について考えていきたいと思います。



キャリアを日本語に訳すと「職歴」「経歴」という意味ですが、
私は「生き方そのもの」だと考えています。

どういうキャリアをたどってきたか、
あるいはどういうキャリアを歩んでいきたいのかを考えることは

ほとんど「人生」を考えることと等しいからです。


したがって、会社のなかで「どういうキャリアを歩めるのか」が
不明確であるということは、社員さまの側から見ると、

この会社で頑張っても将来が見えないように映ってしまうのです。


これほど重要なキャリアですが、私の感覚では経営者さまの多くは
キャリア開発について深く意識されていないように感じます。



その原因としては、大きく2つあるように思います。



1.「キャリアは自分でつくるもの」という認識があるから


 経営者さまの多くは、自分の意思で会社を立ち上げ、
 自分の意思で行動し、自分で最終責任をとってきた方々ですので
 
 「自分のキャリア(生き方)は自分で決めるもの」

 という認識が強くあります。


 これが、キャリア開発が意識されない原因の一つだと思います。


 


2.キャリア開発は不確定要素が多いから

 
 実際に社員さまのキャリアを考え出したときに、
 不確定要素が多すぎることに驚かれた方もいらっしゃると思います。

 社員さまのキャリアを考えようとしたときには、
 自社の組織戦略(組織をどのような形にしていくのか)について
 明確にすることが必要となります。

 そして組織戦略は、長期的なビジョンや経営戦略がなければ
 明確な方向性を打ち出すことができません。

 いくら経営トップといえども、社員さまのキャリアのゴール地点、
 つまり数十年先までも見通すことは不可能です。


 キャリアの世界には「計画された偶発性」という言葉があります。

 クランボルツという学者の考えですが、
 キャリアは人生のなかで起こる偶然の出来事によって左右され、
 その偶発的な出来事を主体的に活用することがキャリア形成には
 大切なことだという考えです。

 ※本当は「計画された」ということがキーポイントなのですが、
  ここでは説明を割愛します。

 
 つまり、キャリア開発に関しても、経営環境の変化などによって
 将来を完ぺきに設計することはできないということです。

 このように不確定要素が多いことも、
 キャリア開発を難しくしてしまっている原因の一つです。



一つ目の「キャリアは自分でつくるもの」に関しては、
私自身も、自分の夢を実現するために会社を立ち上げましたので
基本的には同じ考えです。

しかし、私がお客さまの会社で社員さまと面談して感じることは、
多くの方が将来への強い不安を抱いていて、その大きな原因として、
自分のキャリアが見えないことが挙げられます。

そしてその不安が、現在の仕事に没頭できない原因となっています。

社員さまの不安解消のためにも、自社のキャリアを示すことは
重要な施策ではないかと思います。



また、2つ目の不確定要素が多いことに関しても、

「先が読めないから考えなくてよい」ということではなく、
先が読めないからこそ、一貫したコンセプトの元で構想することが
求められると思います。 


そもそも、将来のことは全てが不確定要素です。

その不確定な将来を、自分の力で主体的に切り拓いていくために、
経営ビジョンや経営戦略があるわけです。



今まで見てきたように、
「キャリア」を考えることは「人生」を考えることと同じです。

社員さまが「この会社で頑張ればどんな人生をつくれるのか」を
示してあげることも、大切なことではないでしょうか。


もちろん、前々回でも述べたように、社員さま自身にも
「自分の人生は自分でつくる」という主体的な意識を持つことが
必要不可欠となります。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年10月 7日

社員さまを尊重する人事施策(7)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


今回は、「人間性」について考えていきたいと思います。


多くの人事制度では、「情意考課」ということで
社員さまの「人間性」を高めるための評価項目が存在しています。

しかし、情意考課に関しては賛否両論あるところです。


否定的な見方として、情意考課で評価する「人間性」の部分は
正確な評価が難しいことが挙げられます。

社員さまの「積極性」や「協調性」など、
客観的に数値化して評価することなど、ほぼ不可能です。

無理やりに指標をつくることはできますが、
その客観性、妥当性に関しては大いに疑問が残ります。

また、会社は社員さまに成果を求めているのだから、
「人間性」にまで踏み込むべきではない、という意見もあります。


しかし私は、本当に社員さまのことを大切に考えるのであれば、
「人間性」を高めるための取り組みをすべきだと考えます。

知識やスキルだけ身につけても、
人間性が伴わなければ本当に良い仕事はできるはずがありませんし、
プライベート(家庭生活や子育て など)もうまくいきません。

人間性を高めることは、社員さまが豊かな人生をおくるための
必要不可欠な条件なのです。

ですので、会社が社員さまの人間性を高めようとすることは
とても大切なことだと考えています。


しかし、やり方には注意が必要です。

先にも述べたように、人間性を客観的に測ることは不可能ですし、
人間は自分の内面を人からとやかく言われたくないものです。

ましてや、情意考課の結果が給与に連動しているならば、
評価結果を素直に反省して成長の糧とすることは非常に困難です。

では、どうするか?


私がお勧めしているのは、
給与制度とは連動させない「360度評価制度」によって、
人間性についてのフィードバックを行なうことです。

上司が部下を評価するのではなく、5~6名のチームを組み、
そのチーム内で相互に人間性に関する評価項目で評価し合うのです。

そして、その評価結果は給与制度には連動させません。
あくまでも、成長のためのフィードバックという目的だけです。

ですので、もっと言えば、別に点数化する必要もありません。
評価項目についてのコメントをするだけでも良いのです。

給与に連動させないことによって、
評価結果を素直に受け入れて反省しやすくなるのです。


このように、上司や部下という役職など関係なく、
会社全体に「お互いに高め合おう!」という社風をつくり出すことが
「人間性」を高める取り組みとして有効です。

経営者・上司がどれだけ謙虚になれるかが、
社員さまの人間性を高めるための最大のポイントだと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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