人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年11月24日

モチベーション施策の注意ポイント(4)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

前回に引き続き、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱っていきます。

今回は「表彰制度」が、
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。



表彰の内容には、大きく3つの種類に分けられます。


1.顕彰型:高業績者を対象にした表彰

2.奨励型:縁の下の力持ち的な人材を対象にした表彰

3.人間関係型:ライト感覚の表彰



3番目の軽い表彰制度ではあまり問題となりませんが、
特に1番目の顕彰型の表彰制度では、人事評価制度と同じ原因で
社員さまのモチベーションが下がります。


それは、表彰者を選んだ評価への「納得性」です。


納得性への不満には、2つの要素があります。

一つは「評価基準の妥当性」への不満、
もう一つは「評価した人(経営陣、管理職)」への不満、です。

この2つの要素が混ざり合って、不満を生み出します。


評価基準への不満に関しては、
全社員さまが納得できるようにするのは、ほぼ不可能と言えます。

立場や価値観などのさまざまな違いによって、
それぞれの社員さまにとって大切なものが違ってくるからです。


もし、社員さまが納得性できない基準で表彰が行なわれると、
社員さま(特に表彰されなかった社員さま)のやる気が落ちます。

そして、表彰をした経営者・上司への不信感へとつながっていきます。


また、表彰制度を通して社員さまをコントロールしようという
意図があったならば、それを社員さまは感じ取ります。

そして、それがまた経営者・上司への不信感を大きくしていきます。



しかし、表彰制度の本来の趣旨である
「頑張った社員をみんなの前で称えよう」という考え方そのものが
間違っているということではありません。


その本来の趣旨に、金銭的報酬で釣ろうという意図や、
行動をコントロールしようという意図など、

余計なものを付け足していくと問題が大きくなっていくのです。


経営者さまは、安易な手段によってモチベーションを上げよう
とする意識を捨て去る必要があります。

社員さま一人ひとりと正面から向かい合い、
さらにやりがいのある仕事やより大きな裁量権、成長のチャンスなど
金銭的報酬ではないもので報いていく姿勢が大切です。



では、次回も「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年11月17日

モチベーション施策の注意ポイント(3)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

前回に引き続き、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱っていきます。



今回は「賞与(ボーナス)」の制度が
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。


賞与には、大きく分けて2つの種類があります。


1つ目は、支給額を「月給の○○ヶ月分」という決め方をする
固定給的な賞与です。

2つ目は、会社の期間利益の額に比例して支給額が決定される
利益分配的な賞与です。

多くの会社では、2つのどちらか、あるいは双方をミックスして
賞与を支給しています。

このどちらも、モチベーションを下げる可能性を持っています。


固定給的な賞与の問題は、「既得権益になる」ということです。

社員さまが「賞与をもらえるのは当然だ」というように考え、
賞与があることを計算に含めたうえで生活設計をします。

そうすると、業績の悪化などで支給額がわずかでも減った場合、
大きな不満を生み出すことになってしまいます。

常に支給額を増やし続けることができるのなら問題はないですが、
現在の激変する経営環境のなかでは、それは不可能です。

賞与を支払うために借入をし、
その返済がさらに業績を圧迫する状況にもなりかねません。


かと言って、2つ目の利益に応じて支給額を決めるようにしても
支給額が減れば、同じようにモチベーションの低下を招きます。


さらに利益分配的な賞与には、別の問題が持ち上がってきます。

それは、会社からの「利益がなければ賞与はあげないよ」という
メッセージが強すぎた場合、社員さまは会社に支配されていると
いう意識を強く持つようになることです。

もっときつい言葉を使えば、脅されているように感じるのです。

そして、仕事そのものへの関心を急速に失っていき、
仕事が楽しくなくなり、「苦役」へと変わってしまうのです。


加えて、賞与額を評価結果によって個人差を付けている場合、
評価の納得性の問題も付随してきます。



このように書くと、
賞与という制度は「百害あって一利なし」のように感じますが、
そうではありません。

本来の趣旨である「儲かった分をみんなで分けよう」という
考え方は正しいものです。


その本来の趣旨に、

「固定給」のように運用したり、
「評価を連動」させて個人差を付けてみたり、
「賞与が欲しかったら利益を出せ」というメッセージを付けたり、

余計なものを付け足していくと問題が起こるのです。



経営者さまの意識のなかに
「賞与という制度を使って社員をコントロールしよう」という
考えが少しでもあれば、それは社員さまに伝わります。

賞与本来の趣旨に立ち返って運用することが大切ですが、
それでも利益が減って支給額が減れば、不満は生まれます。

そこは、誠意をもって状況を社員さまに説明することでしか
社員さまの信頼を得ることはできません。

社員さまからの信頼がなければ、
どんな施策を執ってもネガティブに捉えられてしまいます。


経営者さまは、金銭的報酬という安易な手段によって
モチベーションを上げようとする意識を捨て去る必要があります。

社員さま一人ひとりと正面から向かい合い、
さらにやりがいのある仕事やより大きな裁量権、成長のチャンスなど
金銭的報酬ではないもので報いていく姿勢が大切です。

金銭的報酬に関しては、
「いかに不満を少なくするか」だけを考える割り切りが必要です。



では、次回も「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年11月10日

モチベーション施策の注意ポイント(2)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回は、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策も
社員さまのモチベーションを逆に低下させる可能性があることを
お伝えしました。

今回は「昇進・昇格」の制度が
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。


「昇進・昇格」によるモチベーション向上は、
ほぼ全ての会社で、疑うこともなく導入されている施策です。

しかし、「役職をつけたから」「等級を上げたから」といって
自動的にモチベーションが上がるほど人間は単純ではありません。


「昇進・昇格」によってモチベーションが向上するためには、
条件が必要です。

その条件を見ていきたいと思います。



★「責任」だけではなく「裁量権」も大きくなること

 「役職・等級が上がった」と言っても
 責任は大きくなり、裁量権はあまり変わらないという場合が
 ほとんどです。

 仕事の充実感とは、
 「自分で決められる(と認識している)」度合いと比例します。

 責任だけ大きくなって裁量権が変わらなければ、
 社員さまは思うような仕事ができず、充実感も得られません。

 よく「仕事の報酬は仕事」と言いますが、
 正確に言うと「仕事の報酬はより大きな裁量権」なのです。  


 この条件がクリアされていないと、
 「昇進・昇格」による金銭的報酬の増加(昇給)が
 よりツライ業務に対する代償措置のように感じるのです。

 「給料が増えるんだから仕方ないか・・・」という風に。


 これでは、昇進・昇格した本人のモチベーションも上がらず、
 その部下も「役職についてもしんどいだけだ」と感じてしまい、
 昇進・昇格に対する意欲が失われます。

 そして、ドンドンと沈滞ムードが強くなっていきます。


 ですので、「責任」と「裁量権」のバランスをとることが
 大切なポイントとなります。



★適切な社員さまが「昇進・昇格」すること

 昇格は社内の等級や資格が上がるだけですが、
 昇進に関しては役職がつき、多くの場合、部下ができます。

 そして、会社が行なう人事施策のなかでも
 最も社員さまが関心があり、かつ影響を与えるものです。

 ですので、人選には細心の注意を払う必要があります。

 人選を間違うと、そのような人を昇進させた会社に対する
 信頼が失われるのです。


 ピーター・ドラッカーは、マネジャーに不適切な人物として、
 次のようなタイプを挙げています。

 1.人材の強みではなく、弱みばかりに着目する人物
 
 2.「何が正しいか」ではなく、「誰が正しいか」に関心を
   持つ人物

 3.真摯さよりも知性を重んじる人物

 4.有能な部下に恐れを抱く人物

 5.自分に高い目標を課さない人物


 このような人物は、昇進すると「支配欲」が強くなります。
 自分の都合のために、部下やチームを動かそうとします。

 これはモチベーションとは呼ばず「エゴ」と呼びます。

 もちろん、会社のパフォーマンスにも良い影響はありません。



「昇進・昇格」によって社員さまのモチベーションが上がるには
このような条件をクリアする必要があります。

もっと根本的なことを言えば、社員さまが会社を信頼していなければ、
「昇進・昇格」の仕組み自体が会社からのコントロールに映ります。

つまり、「アメとムチ」によって行動を強制するための措置だと
捉えられてしまうのです。



一般的には、当然にモチベーションが上がると思われている
「昇進・昇格」ですが、本当は厳しい条件をクリアしてはじめて
社員さまのモチベーションが上がるのです。

安易に「役職手当を高くすれば良い」というものではないのです。


では、次回も「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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