人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2011年12月21日

モチベーション施策の注意ポイント(完)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回まで7回にわたって、
会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱ってきました。

1.交換条件付きの「アメとムチ」
2.昇進・昇格
3.賞与
4.表彰制度
5.目標達成インセンティブ
6.(改善)提案制度
7.人事評価面談

今回は、これまでの総括です。


会社のモチベーション向上施策が逆効果になる代表例として
上記の7つを挙げましたが、
同じような事例には枚挙にいとまがありません。

そして、重要なポイントとしては、
どんな施策を打ってもうまくいく会社もありますし、
何をやってもうまくいかない会社があるということです。


つまり、例えば・・・

目標達成インセンティブを導入しても効果がなかった会社は、
提案制度や表彰制度を導入してもうまくいかないということです。

逆に、特にモチベーション向上施策を講じなくても
社員さまのモチベーションが高く維持されている会社もあります。


その違いは、何なのでしょうか?


私の経験上、最も根本的な原因は「トップの人間性」です。


もし、トップが社員さまを業績向上の「道具」と思っていたり、
会社を「自分のもの」と少しでも思っていたとしたならば、

どんな施策を打ったとしても、絶対に効果は上がりません。

口ではどんなにきれいごとを言ったとしても、
日常の中でのちょっとした発言や態度、表情などによって
社員さまはトップの腹の中を見破ってしまいます。

そして、施策の裏にある「真の意図」を感じ取り、
会社が施策を打てば打つほど、やる気を削がれていくのです。

「会社は経営者の器以上にならない」とよく言いますが、
まさにその通りなのです。


かと言って、経営者といえども聖人君子ではありませんから、
エゴもあれば感情の起伏もあります。

特に、中小企業・ベンチャー企業の経営者のほとんどは、
会社のオーナーですから、会社を自分のものと感じてしまうのも
無理もない話です。

大事なのは、そういう自分がいるということを真摯に受け止め、
常に人間性を高めるべく自分を律することだと思います。


結局は、社員さまのモチベーションを上げることができるのは、
正しい意図から生まれ出た施策だけなのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年12月15日

モチベーション施策の注意ポイント(7)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回に引き続き、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱っていきます。

今回は「人事評価面談」が、
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。


人事制度を運用されている企業さまであれば、
多くの企業さまでは人事評価に関する面談をされていると思います。

人事制度のセオリーでは、人事評価面談をすることは
社員さまのモチベーションアップと育成につながりますので、
必要不可欠な取り組みです。

しかし、多くの企業さまでは、人事評価面談によって
社員さまのモチベーションが下がっている現象が見受けられます。


この根本的な原因は、当社がこれまで主張しているように
人事制度が「アメとムチ」のコンセプトでつくられているからです。

面談の根拠となる制度自体が、モチベーションを下げる構造ですので、
いくら面談をしてもモチベーションが上がるはずがありません。


それ以外の原因としては・・・


● 部下が話を聴いてもらえず、上司が一方的に話をしている

 → 上司が普段言えないことを伝える場だと考えているため
   部下からすると「説教の場」に見える


● 上司が部下指導に情熱を持っておらず、マンネリ化している

 → 会社から面談をするように言われたので、
   とりあえず形だけは面談をしているような状態になっている



私は、人事評価面談を単なる評価決定の場ではなく、
会社と社員さまの「ビジョン」をすり合わせる場だと考えています。


この「すり合わせ」をすることなく、
「会社で決まったことだから」という理由だけで物事を進めると

会社と社員さまのビジョンがますます乖離を起こしてしまい、
会社への貢献意欲が失われていきます。


いかに社員さま個人のビジョンを尊重し、
会社と社員さま一人ひとりが満足のいく方向性を見い出せるかが
大切なポイントになります。

とても時間のかかることですが、
社員さまにイキイキと働いてもらうには必要不可欠なプロセスです。


面談をする上司全員が、このような視点を持っていなければ
いくら人事評価面談で時間をとっても無意味と言えるでしょう。


次回も引き続き、「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年12月 8日

モチベーション施策の注意ポイント(6)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。


前回に引き続き、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱っていきます。

今回は「(改善)提案制度」が、
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。


「(改善)提案制度」がある会社さまはたくさんありますが、
それが効果を生み出しているケースはかなり限られます。

会社としては、提案制度で社員さまのアイデアを採用することで
経営改善につながり、なおかつ社員さまのモチベーション向上にも
つながることを期待しています。

確かに、社員さまにとっては自分の意見が反映されることは
喜びであり、モチベーションアップにつながります。


しかし、多くの会社さまでは、
「なかなか思ったように提案が出てこない」という現状です。


その原因はいろいろありますが、よく伺うのは・・・

● 会社への帰属意識がなく、改善しようという意識が薄い
● 会社(上司)が提案に対して真剣に取り組んでいない


提案がなかなか出てこない状況に対して、
経営者(上司)は社員さまの問題意識の低さを指摘しますが、

会社(上司)への不信感が根底にある場合が多いのです。



また、提案制度がうまく機能しない理由として、
経営者(上司)の狭量が原因となっているケースも多いです。


会社(上司)にとって、社員さまからの提案というものは
自分が過去にした意思決定を否定する内容が多く、

無意識のうちに提案を却下したくなってしまうのです。


社員さまからすると、自分の合理的な提案が却下されれば、
「提案しても無駄だ」と提案をしようとは思わなくなります。


つまり、提案制度が有効に働かないということは、
現場の意見を尊重しない社風である可能性が高いということです。



また、提案制度で「提案1件につき○○円」というように
金銭的報酬を与えている会社さまもあります。

会社からすると、社員さまのためを思っての施策なのですが、
逆効果になっている会社さまも多くあります。


会社への信頼があれば、この金銭的報酬を「ご褒美」と感じ、
提案へのモチベーションにつながります。

しかし、会社(上司)への信頼がなければ、
この金銭的報酬によってコントロールされていると感じてしまい、
ますます会社への信頼をなくしていきます。

そして、仮に提案をしたとしても、仕方なく提案しているか、
金銭的報酬が目的で提案しているかのどちらかであり、

会社をもっと良くしようという意思からではなくなります。

したがって、実行段階で必ずつなずくことになります。


このように、「(改善)提案制度」が有効に機能するためには、
まずは会社(上司)が社員さまの声に真摯に耳を傾ける姿勢が
もっとも大切となるのです。



次回も引き続き、「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2011年12月 1日

モチベーション施策の注意ポイント(5)

いつもありがとうございます!生きがいラボの福留です。

今日から12月。

今年にやり残したことがないように、
2011年の締めくくりの1か月を頑張っていきましょう!


前回に引き続き、会社側が「良かれ」と思って打ち出した施策が
逆に社員さまのやる気を削ぐケースについて扱っていきます。

今回は「目標達成インセンティブ」が、
社員さまのモチベーションを下げる可能性について扱います。


ほとんどの会社では、売上や利益、新規受注件数などの
目標が設定されていると思います。

そして、目標を達成したときには、個人やチームに対して
一時金などの形でご褒美を上げる会社もいらっしゃるかと思います。

このような目標達成への刺激策を「目標達成インセンティブ」と
呼びます。

この目標達成インセンティブも、運用の仕方によっては
社員さまのモチベーションを下げる結果を招いてしまうのです。



頑張った社員さまにご褒美をあげるという考え方は
とても素晴らしいと思いますし、社員さまも喜ぶことでしょう。

頑張ったからには「承認」して欲しいというのが人間の欲求ですので、
頑張った結果を承認されることで、モチベーションは上がります。


しかし、目標達成インセンティブの制度が
「ご褒美が欲しかったら結果をつくれ!」という意味を含んだとき、
社員さまのモチベーションを下げる要因になります。


特に、自分の仕事そのものに対して「やりがい」や「プライド」を
持っている社員さまほど、

「ご褒美が欲しかったら結果をつくれ」というメッセージを感じると
急速に仕事に対する情熱が冷めてしまいます。

馬の鼻先にニンジンをぶら下げるようなやり方に対して、
「褒美目的で頑張っているんじゃない」と自尊心が傷ついてしまいます。


かと言って、頑張った社員さまを承認することが悪いわけでは
ありません。

頑張った社員さまは、承認しなければなりません。

「承認」のための目標達成インセンティブは全く問題ありません。


しかし、会社(上司)への信頼感がなければ、
目標達成インセンティブが「鼻先のニンジン」と捉えられるのです。

インセンティブが「金銭的報酬」であれば、特にそうなります。


このように、同じ目標達成インセンティブを導入していても、
うまく機能している会社と、逆効果になっている会社に分かれるのは、

経営者・上司への信頼感、
もっと言えば、経営者・上司の人間性に原因があるのです。


経営者や部下を持つ者は、常に「お客様のため」「社員さまのため」
「社会のため」という志や使命感を持った言動を求められます。

そして、表面上の志や使命感は、すぐに見破られます。

本当に心の深いところで志や使命感を持っていなければ、
社員さまや部下をごまかし続けることは、絶対に不可能です。


また、経営者の戦略不足や上司のマネジメントスキル不足によって
成果がでるような仕事の設計ができていなければ、
いくら目標達成インセンティブを導入しても、効果がありません。

社員さまからは、インセンティブが「ごまかし」に見えてしまいます。

目標達成インセンティブで、経営者や上司の力不足を補うことは
できないのです。


次回も引き続き、「モチベーション施策の注意ポイント」について
見ていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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