人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2012年2月23日

「人が人を評価する」ということ

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


私が人事制度のなかで、「評価と給与の分離」を考え始めたのは、
人が人を評価することの難しさを感じたことが発端です。


多くの社員さまは、自分の給料に不満を持っています。

不満の原因を探っていくと、給料の額への不満というよりは、
給料の「決め方」に対する不満の方が強くあります。

給料の「決め方」のなかでも、
「自分への評価」に対する不満が大きな原因となっています。


そこで、人事コンサルタントは、
いかにして評価に納得性を持たせるかを考えるわけですが、

そもそも「人が人を適切に評価する」ことが可能でしょうか?

もし、納得性のある評価が実現できなければ、
いくら評価制度と給与制度を精密に連動させたとしても、
不満を解消することはできません。


この問題について私は、「人が人を適切に評価する」ことは
不可能であると考えています。

どこまでいっても、上司の主観が入ってくると考えています。

上司だけではない多面評価を採用したとしても、
その評価が給与と連動していれば、違う面での不満が生まれます。

それならば、評価と給与を分離してしまった方が、
人事評価制度も給与制度も活きるのではないかと考え出したのが
当社が提唱している人事制度のスタートになっています。


最近読んだ本で、大変共感したのが「矛盾の経営」(英治出版)
という本です。

面白法人カヤックというITベンチャー企業についての本ですが、
代表取締役の柳澤大輔氏の言葉に大変共感しました。

以下はその引用です。


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 人が人を評価することには限界がある、というのが創業時から
 一貫した僕の持論であり、カヤックにおける人事評価の前提です。
 
 リーダーなどの目に映るメンバーの姿は、その人間のごく一部に
 過ぎない。

 その一面だけで業務の適性を正しく判断したり、
 昇給や昇格を公平に決めたり、ましてや潜在能力を見極められる、
 と考えるのは傲慢ではないでしょうか。

 その一方で、企業を維持・運営していくためには、人事評価は
 避けられません。

 そうであれば、人事評価の意味や機能を変えてみたらいいのでは
 ないでしょうか。

 上司がメンバーを一方的、一義的に採点するのではなく、
 社員がお互いをじっくり知るきっかけにする。

 最終的に昇給や昇格につなげるとしても、
 評価の過程そのものを楽しむ。

 その結果、人事評価そのものが仕事のモチベーションや
 個々の成長スピードを高める新しい報酬の一種としての役割を持つ。

 そういう制度をつくりたいと考えているのです。

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柳澤氏の、「給与」のための「評価」ではなく、
「モチベーション」や「成長」のための「評価」という考えには、
まったく同感です。

そして、社員さまが成長し、会社の業績が向上して給与原資も増え、
結果的に給与に反映されるというプラスの循環をつくることが、
会社と社員さまの双方にとって最も幸せな状態であると思います。


そのための第一歩が、「評価と給与の分離」に取り組むことだと
私は考えています。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年2月16日

中小企業の人事制度で必要のないもの

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


さまざまな中小企業の経営者さまのお話を伺うなかで、
せっかくつくった人事制度がうまく活用できていないケースが、
残念ながらたくさんあります。

人事制度に関するご相談を受けて、
活用できていない人事制度を拝見させていただくと

ほとんどは「教科書通り」につくられた制度になっています。


人事制度だけを見ると、構造自体に欠陥があるということは
ほとんどありません。

しかし実際には、役に立っていないのです。


教科書通りにつくられた人事制度がなぜ役に立たないかは、
いくつかの理由があります。

今まで私が申し上げてきたように、
「評価」と「給与」を連動させた「アメとムチ」の論理で
制度が設計されていることも大きな原因です。

現在の人事制度理論は、人間の本質と合っていないのです。

この視点に関しては、今まで何度も申し上げてきましたので、
今回は別の視点を述べたいと思います。



中小企業の人事制度は、シンプルでなければなりません。

人事専任部署がない中小企業においては、
複雑な制度を継続的に運用することはほぼ不可能なのです。

そういう視点で見るならば、教科書通りの人事制度には、
中小企業には必要のないものが含まれています。


それは「等級制度」です。


呼び名は何であれ、社員さまを格付けするような制度は
中小企業には必要ありません。


その最大の理由は、
等級制度があることによって人事制度が複雑になることです。

少し想像していただくと分かりますが、
社員さまに客観的基準で序列をつけることは至難の業です。

ましてや、等級制度と役職をリンクさせることによって、
同じ等級なのに役職のある・なしが出てきたり、
実力があるのに等級が低いために役職につけなかったりと、
運用に大変な労力がかかるのです。

厳密に運用するのが難しいので、
等級制度は多くの場合、有名無実の制度になってしまいます。


しかも、やっかいなことに、
等級制度は設計するのも難しく、時間と労力がかかるのです。

このように、等級制度は「つくるのは大変だけど使えない」と
いう代物です。


逆に言うと、
「等級制度」をなくし、「評価と給与」を分離したならば、
人事制度は「劇的」にシンプルになります。

シンプルであるがゆえに、継続して運用ができ、
社員さまの成長を支援できる制度として機能するのです。


私もそうでしたが、
人事コンサルタントとして人事制度理論を学んでいくと
それらを全て使ってみたくなるものです。

複雑精緻に相互に連動している制度というのは、
合理性と客観性の塊のように錯覚してしまうことがあります。

しかし、中小企業においては、教科書どおりの制度では
まったく機能しません。


私自身への戒めでもありますが、
人事制度の見た目の「美しさ」に目をとられるのではなく、

「つくるプロセス」や「運用しやすさ」などの「中身」を
充実させることを心がける必要があります。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年2月 9日

「仕事」と「人生」をつなぐもの

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


「ワーク・ライフバランス」という言葉は確実に定着しましたが、
なかには誤解されていることもあるようです。

仕事時間を短くしたり、休日を増やしたりする取り組みのように
考えておられる方もいらっしゃいますが、

本当の意味は、仕事の時間当たりの生産性をあげることで
プライベートの時間も充実させ、
仕事とプライベートの間に良い相乗効果をつくることが狙いです。

「バランス」という言葉の印象が誤解を生むようなので、
「ハーモニー」や「シナジー」という言葉を使う方もいるようです。


私は、仕事というものは、
人生を豊かにするために必要な経験ができる最高の場だと思います。

私個人の経験で言っても、
仕事で「部下指導」した経験は「子育て」に活きていますし、
「計数管理」の経験は「家計」の管理に活きています。

また、10年間の「営業」の経験は、
プライベートでも、人との「コミュニケーション」に活きています。

仕事を一所懸命にした経験は、必ずプライベートでも活きます。


私は、これからの企業、特に中小企業に関しては、
社員さまの人生を豊かにすることを真剣に考えるべきだと思います。

なぜなら、
社員さまが「この会社で一生懸命に働けば人生が豊かになる」と
感じることができなければ、

仕事に真剣になれませんし、愛社精神も湧かないからです。

愛社精神を軽視する方がいらっしゃいますが、
愛社精神は仕事のパフォーマンスを大きく左右する要素です。


そして、社員さまの側は、
毎日の仕事が自分の人生をつくることを深く理解すべきです。

「自分は話が下手だから」「人見知りだから」「数字に弱いから」
「人を指導するのが苦手だから」などと、

ご自分の限界を自分で設定するのは、人生の幅を狭めてしまいます。

たとえ今は苦手なことでも果敢にチャレンジすることで、
仕事だけではなく、自分の人生そのものが広がりを持っていきます。


そういう意味で、私はこれからの人事制度の在り方は、
「キャリア開発制度」を中心に置くべきであると思っています。

当社が提唱する「評価」と「給与」を分離する人事制度も
「キャリア開発制度」を重要視していますが、

「キャリア」は「仕事」と「人生」をつなげる要素であり、
会社と社員さまの双方がメリットを享受できる部分でもあるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年2月 2日

「目的」と「手段」

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


人事制度の構築を検討される経営者さまには、
乱暴に大きく分けてしまうと2つのタイプがあるように思います。


一つは、社員さまをパートナーとして考え、
社員さまの成長と幸せのために人事制度をつくりたいタイプ。

もう一つは、社員さまを会社の業績を上げる道具だと考え、
人事制度の「アメとムチ」によって社員さまを統制したいタイプ。


私がご縁をいただく経営者さまは、
幸運なことに ほとんどの方が前者の考え方を持っておられます。

そして、そのような経営者さまに共通するのは、
一つに「目的」と「手段」を混同していない、ということです。

常に「目的」について自問自答しておられます。


「自社の存在理由となんだろうか?」

「なぜ、自分は経営者になったのか?」

「自分は何のために経営をしているのか?」

「自分は経営者としてどんな人生を歩んでいきたいのか?」


経営や人生の「目的」について深く自問すれば、
売上や利益は「手段」であることがおのずと分かってきます。

しかし、これが口でいうほど簡単ではありません。

私も会社を立ち上げ、経営者となってみて実感しましたが、
業績が厳しいときには「目的」を見失ってしまうこともあります。

どんな厳しい状況においても「目的」を見失わないためには、
本当に強靭な精神力が必要だと思います。


そして、人事コンサルタントのなかには、
「目的」と「手段」を見失ってしまう方もいらっしゃいます。

つまり、人事制度をつくることを「目的」と思ってしまい、
中小企業やベンチャー企業では運用することができないような
複雑怪奇な人事制度をつくる人事コンサルタントが多いのです。

あるいは、社員さまの給料に格差をつけることが「目的」となり、
逆に社員さまのモチベーションを下げてしまうのです。


確かに、お客さまからの顕在ニーズは「人事制度の構築」です。

しかし実際には、人事制度は「目的」ではなく「手段」であり、
本当の目的はもっと別のところにあるのですが、

それを見失う、または感じとれないコンサルタントが多いのです。


「目的」と「手段」を混同してしまうと、
良い結果が出たように見えても、それは一時的なもので終わります。

本当の満足感や達成感、喜びを見い出すことはできません。

現在のような不安定な社会状況にある今こそ、
「目的」と「手段」を明確に区別することが必要だと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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