人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2012年3月22日

組織へのエンゲージメントが高まるには?

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


組織開発の分野では、組織への帰属意識や愛社精神のことを指して
「エンゲージメント」という言葉が広く使われています。


私は常々、会社への依存心を捨て、自律した考え方を持つことを
お勧めしていますが、

それと同じくらい、愛社精神も大切だと考えています。

不思議なことに、会社に依存しない自律した人材になればなるほど、
会社への不満が少なくなり、エンゲージメントが高まります。

独り立ちしてから親への感謝の気持ちが湧いてくると言いますが、
それと同じ現象なのかもしれません。

精神的に自律していなければ、会社に感謝できないのです。



先日、幼稚園の修了式で、組織へのエンゲージメントについて
考える機会がありました。


私の息子は4歳で年少ですので、あと2年あるのですが、
年長さん達はこの修了式をもって園を旅立ち、小学生になります。

いわば、この修了式は、年長さんのための修了式なのです。


息子が通っている幼稚園は他の幼稚園と違って
(・・と言っても、他の幼稚園のことはあまり知らないのですが)

年長・年中・年少というタテの関係をとても重要視していて、
学年が上の園児が、下の園児の面倒を見るのです。


行事に関しては、園が決めた行事を、決まった形で行なうのではなく、
年長さんがミーティングをして内容を決めていくのです。

ですので、年長さんのミーティング次第では、
行事が増えていったり、内容がまったく変わったりします。

先生方は、年長さんをサポートするという位置づけです。


話は戻って、修了式では、
年長さんが自分たちでつくった歌を歌ってくれたのですが、

その歌の歌詞のなかには、

「(自分たちは年少さんを)守ってきた」
「(自分たちは)みんなを引っ張ってきた」
「しんどかったけど、イヤじゃなかった」

という言葉があり、とても驚いたのと同時に、感動しました。


その後、年長さんから、年中さん・年少さん一人ひとりへの
メッセージがあり、

「●●ちゃん、いつまでも甘えてばかりではアカンで!」
「●●ちゃん、もっとみんなに優しくしてや!」

のように、一人ひとりに対してのアドバイスをしていきました。


そして、年中さんと年少さんみんなに対して、

「(年中さんに対して)あとは頼んだで!」
「(年少さんに対して)新しい年少さんを守ってあげてや!」

と、自分たちの想いを伝えていました。


式の途中から年長さんは泣いており、6歳の子どもたちの

「自分たちがこの園を引っ張ってきたんだ」という自負と
自分たちが卒業した後の園のことを後輩に託そうとする姿に

大変な感動を覚えました。


なぜ、これほどまでに6歳の子供たちが園のことを大切に
思うかを考えると、

組織へのエンゲージメントを高めるためのヒントがあります。


まず大切なことは、自分たちで話し合って決めたことが、
そのまま形になっていくということです。

つまり、自分たちの意思決定が、組織の将来を決めていると
実感できるということです。


そして、上司(ここでは先生方)の存在が、

自分たちに任せてくれるという信頼感と
いざ困った時には必ず助けてくれるという安心感を

与えているということです。


これらのことで、やりたいこと・やるべきことに没頭でき、
組織に対して「誰かのモノ」ではなく「自分のモノ」として
感じられるようになります。

そして、さまざまな困難や葛藤に遭遇しても、
それらを乗り越えていこうという意欲が湧いてくるのです。


6歳の子どもたちが歌った「しんどかったけどイヤじゃなかった」
という言葉が自然と出てくるような環境づくりこそ、

エンゲージメントを高める大切な要素なのだと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年3月15日

AIJ問題に思う(2)

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


前回はAIJ投資顧問の問題からの教訓として、

このような混乱の時代だからこそ、常に自分自身を変革させ、
リスクにチャレンジする生き方が求められることをお伝えしました。


「リスクにチャレンジする生き方」をもう少し具体的に言うと、

退職金や年金などをアテにせず、
いつまでも稼げる(=社会に貢献できる)自分をつくり上げる

ということです。


会社の寿命は人間の寿命よりも(一般的には)短いですから、
今の会社で一生働き続けるということは困難です。

また、AIJ問題でますますクローズアップされましたが、
年金も受給できるかどうかは分かりません。

多少の蓄えがあっても、インフレになれば吹っ飛んでしまいます。

そうなれば、最も確実な生き方は、
社会から必要とされる自分であり続けることしかありません。


「自分は●●だから」という言い訳をしながら、
現状に甘んじていると、いずれ社会から必要とされなくなります。

社会(会社、周りの人)の要請を真摯に受け止め、
自分の強みを強化し、弱みを克服することで、

貢献できる自分を 常につくり続けることが求められます。

一言でいえば、自分を「経営」することが必要だということです。



このことは個人の生き方だけではなく、会社についても言えます。


企業経営においても、価値観の変革が求められていて、
社員さまを管理・コントロールできる時代ではなくなります。

なぜなら、優秀な人材ほど、会社に依存しない考え方ですし、
これから更にその傾向が強くなっていくからです。

ですから、社員さまが個性や能力を自由に発揮できる会社には
ドンドンと優秀な人材が集まっていきますし、

社員さまを管理・コントロールしようとする会社からは、
優秀な人材がドンドンと流出していきます。

今もその通りになっていますが、
これから10年間でその傾向は劇的に強くなっていくでしょう。

社員さまに会社側の論理を押しつけ、
過重労働の上に経営が成り立っているような会社は淘汰されます。


誤解がないようにお伝えしますが、私は
キャリアの節目には寝食も忘れて働くことが必要だと考えています。

1日8時間、週40時間というような働き方で、
社会で通用するような人材に成長できるとは絶対に思えません。

しかし、これと過重労働とはまったく別の問題です。

経営者さま・社員さまの双方に、ここを混同する方がおられるので、
念のためにお伝えしておきます。


話を元に戻しますが、

そうすると会社と社員さまがWin-Winになるためのキーワードとして
「キャリア」と「ビジョン」という言葉が浮かび上がります。


私は「キャリア」を「人生」という意味で使っていますが、

● 会社は、社員さまのキャリア設計とその実現をサポートする
● 社員さまは、自分のキャリア実現に会社という場を活用する

という関係性をつくることが、Win-Winの出発点となります。

ですので私は、これからの人事制度の中心的存在となるのは
「キャリア開発制度」であると思っています。


さらに「ビジョン」についてですが、
一般的には会社における「ビジョン」は経営者が示すものだと
捉えられていると思います。

そして、経営者さまは、会社に所属しているのだから、
自分が示したビジョンには協力すべきだと考えてしまいがちです。

しかし、この価値観を変える必要があります。


経営者さまのビジョンは、あくまでも個人のビジョンなのです。

この事実を直視しなければ、社員さまとWin-Winの関係は築けず、
社員さまをアメとムチでコントロールするしか術がなくなります。

そして、先ほど述べたように、優秀な人材は流出し、
社内には不平・不満が渦巻いているという状況になるのです。


経営者さまには、自分のビジョンが個人のモノだと認識し、
社員さまとビジョンについて真摯に対話する姿勢が求められます。

つまり、社員さまに依存しない(甘えない)ということです。



これからの時代には、経営者であろうと社員であろうと、
自分を厳しく律する姿勢を ますます求められるだろうと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年3月 8日

AIJ問題に思う

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


AIJ投資顧問の問題に関してさまざまな見解が出ていますが、
現時点では事実関係がはっきりしないので、

ここでは批評めいたものではなく、
未来に向かって何が必要なのかを考えてみたいと思います。


この問題で、私たちは価値観の変革を迫られていることが
さらに明らかになったと思います。

つまり、何かに依存して生きることは最大のリスクであり、
「自律」「自立」して生きなければならないということです。


社会が混乱すると、人間はどうしても安定を求めるものです。

そして、これからもAIJのような問題が噴出し、
ますます日本社会は混乱の度を深めていくことでしょう。

時代の変節期には、溜まったウミが次々に表出します。


そうすると、ますます安定志向が高まっていくはずです。

加えて、問題の責任を他人に押し付けようとする
責任のなすりつけ合いが繰り広げられていくことでしょう。


しかし、安定志向や他責こそ、最もリスクが高い生き方です。

混乱の時代だからこそ、常に自分自身を変革させ、
リスクを自らとり、チャレンジする生き方が求められます。

一人ひとりがその意識を持ったときに、
日本社会はこの混乱を乗り越えられるのだと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年3月 1日

これから10年、会社づくりの基本条件

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


尊敬する知人の薦めで、神田昌典さんの
「2022-これから10年、活躍できる人の条件」(PHPビジネス新書)を
読ませていただきました。

私の志を応援してくださっているようで、
自分がやりたいこと、やるべきことが次々と浮かんできて、
ワクワクしながら読ませていただきました。

そのなかで、中小企業・ベンチャー企業のお手伝いをする者として
もっともクリアするのが困難な課題が、

「2024年、会社はなくなる!?(第4章テーマ)」というご指摘です。


このように「会社がなくなる」という文字だけ見ると
恐怖心を必要以上にあおる謳い文句のように感じてしまいますが、

神田さんの本意はそうではないので、
知りたい方は是非とも実際に本を読んでいただきたいと思います。


ここで私がお伝えしたいのは、これまでも申し上げてきた通り、
将来的には「組織」と「個人」の関係性が変わるということです。


これまでは、組織(会社)が強く、個人(社員)が弱い、という
関係性でした。

人事制度も「頑張れば褒美をやる、頑張らなければ罰を与える」
という「アメとムチ」の論理で設計されていました。

それがまかり通っていたのです。

しかし、さまざまな要因が変化し、
会社が社員をアメとムチの論理で管理するということ自体に
無理が出るようになりました。

神田さんは、会社というコンセプトのライフサイクルが終わる
と表現していますが、

セクハラ、パワハラ、精神疾患、自殺などの諸問題の急増は、
その現象面だと言えます。


では、個人と組織の関係性が将来的にどうなるかと言えば、
個人が強く、組織が弱い、というパワーバランスになります。

これは将来的にというより、すでにそうなりつつあります。


例えば、私の周りでも、志と能力のある人は会社を飛び出して
自分で事業をし始める方が多くなっています。

また、社員さまにとって魅力の薄い会社では、
「人が入っては辞める」を繰り返し、いつも現場がひっ迫しています。


これらの状況を「会社経営しづらい時代になってきた」と嘆いても
問題は解決されません。

「いかに社員を管理するか」という視点を捨て、
「いかに働きやすい会社にするか」という視点に立つ必要があります。

これからは雇用の流動化や働き方の多様化も進み、
社員さまにとって会社は、自分のエネルギーを注ぎ込む選択肢の
一つにすぎなくなります。

会社に自分のエネルギーを注ぎ込むだけの魅力がなければ、
別のところにエネルギーをつぎ込めば良いだけの話なのです。


これからの会社づくりの基本条件とは、
「いかに社員さまが情熱を傾けられる会社にするか」という問いを
持ち続けることです。

そのためには、捨てるべき価値観は捨てる勇気が必要です。

言葉でいえばたやすいのですが、実行するのは難しいテーマです。


私は、このテーマを徹底して追求していくことで、
これからの日本社会に貢献していきたいと決意しています。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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