人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2012年9月27日

人事制度の前に「組織」を見直そう

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


前回は、人事制度を見直す前に理念・ビジョン・戦略を明確にし、
「自社が求める人材像」を明確にする必要性をお伝えしました。

さらにもう一つ、人事制度を見直す前に確認すべきは「組織」です。


組織には、「箱」と「中身」の2つの視点があります。

組織の「箱」とは、仕事内容(分業)と役割分担(調整)の
組み立て方である「組織構造」のことです。

一言でいえば、
理念やビジョン、戦略を実現できる構造にしなければなりません。


経営戦略の実行に最も適した組織構造を実現するためには、

顧客動向・競合動向などの外的要因と、
理念・戦略・財務・業務プロセス・階層などの内的要因を分析し、
適切な組織戦略を策定するところから始めていきます。 



また、組織の「中身」とは、会社で働いている社員さまの考え方が
表面化した「社風」のことです。

社風もまた、
理念やビジョン、戦略を実現できる社風にしなければなりません。


「社風」を変革するためには、
創業者の精神や会社の歴史を振り返り、組織の存在理由である
「理念」と「ビジョン」を社員さまの参画のもとで明確化し、
会社のなかに共有された価値観を醸成する必要があります。

人事制度は、組織戦略・組織変革を後押しするものです。

逆に言うと、理念やビジョン、経営戦略と組織に一貫性がなければ、
人事制度を変えたとしてもあまり意味がないのです。

ですから、人事制度を見直す前には、
「組織構造」と「社風」の側面で自社を点検する必要があります。

        生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年9月19日

人事制度を見直す前に考えるべきこと

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


人事制度のご相談を受けていると、
会社の本質的な問題点が人事制度ではないこともあります。

経営者さまは、社内のモチベーションやスキルが向上しない原因を
人事制度に求めることが多いのですが、

その前に、事業構造そのものに問題があることもあります。


いわゆる「戦略不在」ということです。


経営者の役割は、いかに少ない経営資源で多くの成果が出る
ビジネスモデルを構築することです。

経営者さまの戦略ミスは、社員さまのモチベーションやスキルでは
どうやってもカバーすることはできません。

いくら頑張っても成果の上がらない仕事を続けていたのでは、
社員さまのモチベーションは上がりません。

加えて、社会的に付加価値の高いスキルも身につきません。


また、社員さまにヒアリングをしてみると、

 「会社の将来が不安」
 「どこに向かっているのかが分からない」

という理由でモチベーションが下がっているケースもあります。


「ビジョンがない(あるいは不明確)」ということです。

どこに向かっているのかも分からない船(会社)に乗っていて、
モチベーションが上がるはずがありません。


人事制度は、経営理念・経営ビジョン・経営戦略に基づき、
「自社が求める人材像」が明確になったときに効果を発揮します。

理念・ビジョン・戦略が不在のときには、
どんなに人事制度を工夫してみても、本質的な解決にはなりません。


もう一つ、人事制度を見直す前に考えるべき点がありますが、
それは次回にさせていただきます。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年9月12日

「期末効果」という評価エラー

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


今回は、「期末効果」という評価エラーについて扱っていきます。


人間の記憶というのは、非常にあいまいです。

人事評価の対象期間は、多くの会社では半年だと思いますが、
半年も前の部下の行動まで、正確に記憶することなど不可能です。

ですので、どうしても印象に残っている最近の出来事によって
評価をしてしまいがちです。

このように、評価対象期間の全ての行動で評価するのではなく、
最近の行動によって評価する間違いを「期末効果」と言います。


「期末効果」の防止策としては、

● 評価の根拠となる職務事実を日々記録しておく

  → 部下一人ひとりの言動を日々しっかりと観察し、
    観察記録をつけておく



観察記録の付け方の注意点としては、
「うまくいったこと」と「失敗したこと」の両方について
偏りなく記録することです。

上司の性格によっては、部下の失敗したことばかりに
目がいってしまうことがあります。

しかし、部下の失敗ばかりが目につく時には
上司が部下の成功を見逃している可能性が高くなります。

一般的に言って、人の短所は努力しなくても見えますが、
人の長所はよく観察しないと見えないものです。

その点を注意して、部下の長所や成功を観察する目を
養うことが大切です。


これで評価エラーについて7回にわたってお伝えしました。

部下を評価する上司も人間ですから、主観的にもなりますし、
評価に妥当性を欠くこともあります。

しかし、部下をしっかりと評価しようと努力する過程の中で
上司自身が磨かれていくのです。

部下を評価することで、上司が一番成長できます。


私が360度評価制度をお勧めするのは様々な理由がありますが、
人を評価する経験によって成長できるということがあります。

特に、人の長所を観る目を持つということは、
仕事だけではなく、夫婦関係や子育てにも役に立ってきます。

その経験を多くの社員さまにしていただくことで、
社員さまが豊かな人生をおくる支援ができると思っています。


7回にわたって評価エラーについてお伝えしましたが、
完璧にこれらのエラーがなくなることはおそらくないでしょう。

しかし、エラーをなくそうという努力そのものが
人生を豊かにする学びにつながるのだと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年9月 6日

対比誤差

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


今回は、「対比誤差」という評価エラーについて扱っていきます。


人事評価は、設定された評価基準に基づいて行ないますので、
本来ならば主観が入る余地はありません。

しかし、評価する側も人間ですから、
どうしても部下の評価を主観的に行なってしまうこともあります。

「対比誤差」とは、評価基準に照らし合わせるのではなく、
評価者が自分自身と比較して評価してしまうことを言います。


対比誤差が評価結果に悪影響を与える事例としては、
次のようなものがあります。


1.実行を重視する上司が、緻密な計画を立てて仕事をする部下を
  「優柔不断」「行動力不足」だと評価する。

2.実行を重視する上司が、緻密な計画を立てて仕事をする部下を
  「正確性」「計画性」という評価項目で過度に甘く評価する。


上記のように、同じ「実行を重視する上司」の場合であっても、
2つのパターンがあります。  


上司が緻密な計画を立てることを軽視している場合には、
「計画を立てるのに時間を使うんだったら、まず動け!」と感じて、
部下が優柔不断・行動力不足に見えてしまいます。

これとは逆に、自分より計画的に仕事をする部下に対して、
実際の実力以上に「あいつはすごい!」と感じることもあります。


両方とも、上司が自分自身を基準に評価していますので、
上司自身の得意・不得意などに左右されてしまいます。

「自分がやればもっと~」「自分より~」で評価するのではなく、
部下への期待レベル(評価基準)と比べて評価をしなければなりません。


「対比誤差」の防止策としては、

1.評価者自身が、自分の能力・特性について十分に考えてみる。

  → 自分の得意分野・不得意分野をしっかり把握しておく


2.部下に期待するレベルを明確にしておく。

  → 等級や役職、役割によって期待するレベルは異なりますので、
    それを意識して評価を行なう


以上のように、一般的な防止策をお伝えしましたが、
私の考えでは、評価から主観を取り除くことは、ほぼ不可能です。

人間が人間を完璧に評価することなどできないと思っています。


しかし、自分以外から評価されるという経験は、
人がより以上の自分になるための成長には欠かせないものです。

時には思うように評価されず、つらい時もあるかも知れませんが、
それを乗り越えたところに成長があるのです。

ですから、完璧に客観的な評価は不可能でも、人事評価は必要であり、
評価の「目的」「方法」を変えることで、人事評価が活きてきます。


まず、評価の「目的」ですが、ここでも何度も申し上げている通り、
評価を「処遇」を決めるのに使わないことが大切です。

評価をすることは成長のために必要不可欠なことですが、
その評価結果によって「給料」や「昇格」が決まるとなると、
人は評価結果を素直に受け入れることができなくなってしまうのです。

これは、理論理屈ではなく、人間というのはそういうものなのです。

評価結果が処遇にリンクすると知った瞬間に、
「自分をもっと良く見せたい」という欲が出てきてしまうのです。

現在の人事制度が、社員さまのやる気向上や成長に貢献しないのは、
この人間の心理を捉えていないからであり、

私が評価と給与を分離する理由はここにあります。


そして次に「方法」ですが、複数の目での評価を取り入れることです。
具体的に言うと、多面評価制度を行なうということです。

一人の評価は主観ですが、主観がたくさん集まると客観に近くなり、
これを評価制度に取り入れるのです。

そうすることで、より納得性の高い評価になります。

評価者訓練なども非常に大切ですが、
「人が人を評価する」ということの限界をしっかりと受け止め、
根本的に人事制度を考えていく必要があると思います。


評価エラーの話とずれましたが、次回は「期末効果」を扱います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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