人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2012年11月27日

部下の仕事のやり方を認める

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回は、自律的人材を育てるための要素、「4T+M」のなかの
「Time」について扱いました。

今回は「4T+M」のなかの「Technique」について扱います。


スケジューリングを自律的にマネジメントできるようになれば、
次の段階では、

 Technique = 仕事のやり方・進め方、技術・スキル

について、自分でマネジメントできるように育成します。


時間管理を任せられるようになっているので、
入社2年目~3年目ぐらいの社員様をイメージしてください。

 ※業種・業態など会社の状況によって異なります。


この頃になると、ある程度の基本的な仕事のスキルは
身についているでしょうから、仕事のやり方やスキルの面でも
徐々に任せていくことが大切です。


ここでもポイントとなるのは「対話」です。


上司と部下の対話のなかで、部下に考える時間を与えながら
より良い方向に導いていくのです。

上司から見て、部下の考えるやり方が今イチだと思っていても、
まずは任せることが必要です。


許容できる範囲で、失敗させることも必要なのです。

大切なのは、その失敗について非難するのではなく、
失敗の原因と改善策を「対話」によって明確にすることです。


最も重要なのは、部下が「自分で考えて決めた」と感じることです。

その意識にならなければ、仮に失敗したとしても、
「上司の指示が悪かった」と感じ、素直に反省できないのです。

素直に反省できなければ、成長もありません。


「考える→実行する→反省する」というサイクルが回るように
サポートすることが上司の役割となります。

このサイクルが回ることによって、
部下は自分のスキル・技術の課題点を自分自身で気づき、
その克服のために学習する意欲が湧いてきます。

このことが仕事への情熱となっていくのです。


経営者や管理職の皆さまのなかには、

「何でもマニュアル化して、その通りにさせた方が効率的だ」

と考える方もいらっしゃるかと思います。


もちろん、基本業務に関するマニュアルは必要不可欠ですし、
それによって品質が維持できることも確かです。

しかし、マニュアル化によって「創造性」が失われることも
可能性として否定できません。


仮に、事業の核心、つまり、顧客に提供する価値を担う部分で
創造性が失われたとしたら、会社はどうなるでしょうか?

間違いなく、時とともに事業は陳腐化していきます。

その時になって、社員さまに「創造性を発揮しろ」と言っても
遅いのです。



社員さまに「Technique」の部分で自律性を与え、
大成功した企業が靴のネット通販会社「ザッポス」です。

ザッポスのCEO トニー・シェイ氏は次のように語っています。


 
 ほとんどのコール・センターは、
 業界用語でいう「平均処理時間」を基準に
 オペレーターの業績を評価していますが、

 これは、1日に各オペレーターが
 何件の電話に応対できるかに焦点を当てています。


 言い換えると、
 オペレーターはどれだけ早く顧客の電話を切れるかを
 気にすることになり、

 私たちからすれば
 素晴らしいカスタマー・サービスを提供しているようには
 思えません。


 また、マニュアル原稿を用意したり、売上を増やすために
 アップセル(より高額な商品へ誘導すること)をオペレーターに
 強要したりするコール・センターも少なくありません。

 
 ザッポスでは、電話にかけた時間を計っていません。
 (これまでの最長時間は約6時間でした!)

 また、こちらからアップセルをすることもありません。
 
 (中略)

 私たちにはマニュアル原稿がありません。

 どんな顧客に対応する際も、
 ザッポスの社員は常に最善の判断をしてくれると
 信じているからです。

 (中略)

 電話でのやり取りでは いつもオペレーター各自が
 自分本来のパーソナリティを発揮してほしいと願っています。


       「ザッポス伝説(ダイヤモンド社)」より引用



このような姿勢にザッポス社員は共感し、
愛社精神を持つとともに、仕事に対して情熱を傾けているのです。

仕事のやり方を社員さまに任せることは、
遠回りなように見えますが、長期的に見れば効果的なのです。


なおかつ社員さまにとっても、上司からの命令ではなく
自分で決めることによって達成感や充実感が大きくなります。

仕事本来の楽しさを味わうことができます。


社員さまの仕事の進め方を任せるためには、
トニー・シェイ氏のように、上司が部下を信じられるかが
とても重要なポイントになります。

部下との対話のなかで、上司も成長することができるのです。


次回は、「4T+M」のなかの「Task」について扱っていきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年11月21日

時間をマネジメントできる人材を育てる

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


前回から引き続いて、本当に社員さまの幸せを考えたとき、
どのような人事施策をとるべきかを考えていきたいと思います。

前回では、社員さまを「自律的人材」に育てるためには
「4T+M」の視点での教育が必要だということをお伝えしました。



「4T+M」を教育(権限委譲)する順番として、


1.Time = 仕事のスケジューリング

2.Technique = 仕事のやり方・進め方、技術・スキル

3.Task = 仕事の目標、成果、課題

4.Team = チーム編成、人員配置

5.Money = 予算


が一般的ですが、もちろん会社によって多少の違いはあります。


今回は「4T+M」のなかの「Time」について扱います。


もっとも大切で、そしてもっとも難しいのが
「時間」という貴重な資源をマネジメントすることだと思います。

ピーター・ドラッカーも、
「時間を管理できなければ何も管理できない」と仰っていますが、
時間の管理はすべての仕事の基本となります。

このように「自律的人材」への第一歩として、
時間をマネジメントできるように育成することが必要となります。


もっとも基本的な時間管理は、「生活リズム」です。


学生から社会人になったばかりの新入社員のなかには、
遅刻を繰り返す人も出てきます。

または、休日明けに、逆に疲労を溜めて出勤してくる人もいます。


これらは、仕事を中心とした生活リズムができていないことが
原因の一つです。

 ※入社してから数年たってから遅刻を繰り返すなどは、
  別の原因があるかと思われます。

本当に初歩的なことですが、
まずは生活リズムを仕事中心にするように指導しなければなりません。


また、生活リズムの指導と同時に、
1日のスケジューリングができるように指導していきます。

仕事には「緊急度×重要度」による「優先順位」があります。


1. 緊急度:高 × 重要度:高

2. 緊急度:高 × 重要度:低

3. 緊急度:低 × 重要度:高

4.  緊急度:低 × 重要度:低


緊急度と重要度を「高低」に分けると、仕事は4象限に区別できます。

「中」を入れると9つに分かれますが、
新入社員が担当する仕事については4象限で十分かと思います。

この優先順位をもとに1日のスケジュールを自分で立てられるように、
上司や先輩がサポートしながら育成していきます。


1日のスケジューリングができるようになれば、
1週間→1か月→3か月、とスケジューリングの期間を長くします。

そして、「時間」という貴重な資源を、生産的に活用できるように
育成していくのです。


ある程度、スケジューリングが習慣になってくれば、
上司や先輩が口を出さずに、本人に任せてみることが大切です。

自分の時間を自分でマネジメントしているという実感が、
仕事に対しての充実感を生んでいきます。

任せた当初は、多少の失敗もあるでしょうが、
上司や先輩は陰から見守っているような姿勢が望ましいです。

そして、必要最小限のアドバイスを与えるようにします。

一度、受け身の姿勢が身についてしまうと、
自主的な行動ができるように変わるには大変な労力が必要です。

あくまでも、アドバイスは、「自分で考える」という習慣を
壊さない程度のものに抑える必要があるのです。


一つの施策として、
新入社員の時期に先輩社員さんを「メンター」として付けて
マンツーマンの指導をしてもらうことも効果的です。

できれば、新入社員さんに近い年代の先輩が適しています。

新入社員さんは新たな環境で不安がありますので、
メンターがつくことで、安心して仕事ができるようになります。

また、メンターとなった先輩社員さんも
人を育成するという経験のなかでたくさんのことを学べます。


このように、「4T+M」の一番目の「Time」について、
自分でマネジメントできるように育成します。

育成し、できるようになったら「任せる」ということが
非常に重要です。

任せなければ、育成した意味がまったく無く、
逆に、不平不満を生み出す原因にもなってしまいます。


時間を自分でマネジメントできるようになれば、
次に「Technique」を自分でマネジメントできるように指導する
段階に移ります。

次回は、「4T+M」のなかの「Technique」について、
自律的人材の具体的な育成法を考えていきましょう。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年11月 8日

「自律的人材」に育てることが社員さまの幸せにつながる

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


前回から引き続いて、本当に社員さまの幸せを考えたとき、
どのような施策をとるべきかを考えていきたいと思います。


前回も述べましたが、本当に社員さまことを考えれば、
「社外でも通用する人材に育てる」ための人事施策が必要です。

では、「社外でも通用する人材」とはどんな人材かというと、
「自分で考え、意思決定し、行動できる人材」です。

このような人材を「自律的人材」と呼びます。


「自律」の反対は、「他律」です。

「他律」というのは、
一言でいうならば「他に依存している」ということです。

象徴的な行動に「不平不満」「愚痴」「責任転嫁」があり、
自分が変わろうとせず、他者に変わってもらおうとします。


自分の仕事がうまくいかない原因を、

 「景気が悪いから」

 「会社の戦略・方針が不明確だから」

 「上司の指示が悪いから」

 「部下の能力が足りないから」

 「お客様の理解が足りないから」

などと、いつも他人のせいにします。


このような人材は、「他律的人材」です。


本当に社員様の幸せを考えたなら、
「他律的人材」から「自律的人材」に育成する必要があります。

なぜなら、「他律的人材」のままでは、
仕事においても、家庭においても、幸せになれないからです。


仕事においては、いつも人のせいにしていては、
本当の意味での仕事の楽しさや充実感を味わうことができません。

また家庭においても、夫婦の間で本当の信頼関係は築けませんし、
子どもに尊敬されるような親にもなれません。


社員さまの人生が輝くのは、「自律的」な考えができるようになり、
自分の人生を自分の力で切り拓いていこうとする時です。

そのような人材には、不平不満や愚痴などは存在しません。


ただ、不平不満が全て悪いと言いたいわけではありません。

不平不満を持つということは、
会社のあるべき姿も同時に持っているということです。

大事なことは、それらを他の人に何とかしてもらいたいと思うか、
自分でなんとかしようと思うかの違いです。

自分でなんとかしようと考えるのが自律的人材です。


自律的人材が考えるのは、

 「会社のために、自分は何ができるのか?」

 「お客様のために、自分は何ができるのか?」

 「自分に求められている責任は何なのか?」

 「自分はどのように成長していかなければならないのか?」

ということです。


では次回は、どのようにして「自律的人材」を育てるかを
考えてみたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2012年11月 1日

「終身雇用」は社員さまを幸せにできるか?

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。


前回から引き続いて、社員さまの幸せを考えたとき、
どのような施策をとるべきかを考えていきたいと思います。

前回も少しだけお伝えしましたが、
今回も「終身雇用」について、扱っていきたいと思います。


誤解解のないように前もってお伝えしておくと、

終身雇用制度は、社員さまをとても大切にする考え方であり、
素晴らしい制度だと思います。

しかし、終身雇用制度の前提となっている
「会社は倒産しない」という考え方が現実離れしていることは
前回にお伝えした通りです。


さらに、終身雇用制度の一番の問題点としては、
社員さまを現状維持の心理状態にしてしまう、ということです。


この厳しい環境下で、現状維持ほどリスキーな考え方はありません。

生き残りをかけて、常に変化し、変革していく必要があり、
それは会社であろうと、個人であろうと同じです。

現状に甘んじることなく、常に限界に挑戦していかなければ、
スキルはすぐに陳腐化してしまいます。


この危機感が、終身雇用のもとでは醸成されづらいのです。


例えば、

「自分は技術職だから、技術だけ知っていればいい」

「自分は営業だから、売ることだけ考えていればいい」

「自分は総務だから、事務だけやっていればいい」

などは、現状維持の典型例です。


確かにこれからの社会は、高度に専門化されたスキルが
ますます必要となってくるでしょう。

しかし、だからと言って、自分の専門分野しか知らないのでは、
本当に社会に貢献できる仕事はできません。

さらに言うなら、これからの日本社会を考えると、
老後は年金で悠々自適の生活をすることは難しいと思われます。

つまりこれからは、一生 社会から必要とされる人、
俗な言い方をすれば「一生稼げる人」になっていかなければ
本当に有意義な人生は送れません。

したがって、自分の専門分野のことだけ知っていれば良い、
という時代は終わったのです。

もっと具体的に言うならば、

すべての人が戦略思考やマネジメント、財務管理、部下育成、
リーダーシップなどのスキルを身につける必要性があるのです。

これらは、一生 稼げる人になるために必要なスキルです。


また、会社では部下がいないとしても、
子どもが生まれれば人を指導するスキルが必要になりますし、
地域社会でリーダーシップが必要な役割につくかもしれません。

また、家計をマネジメントする必要も出てきます。

営業ということでいえば、ビジネス社会というのは、
自分という商品をより高く売り込んでいくことに他なりません。

つまり、能力の拡大に全力でチャレンジすることは
仕事だけではなく、人生全般にわたって有意義なことなのです。


「終身雇用」の考え方は、経営者さまの愛情からくる場合が多く、
とても素晴らしいことだと思います。

「終身雇用」という素晴らしい考えを捨てる必要はありません。

しかし、「終身雇用」を社員さまに宣言することで、
社員さまが現状維持の状態になっているのならば、
社員さまのために「施策」を考え直す必要があるのかもしれません。

社員さまの人生を考えたとき、

「一生 社会から必要とされる人材にいかにして育てるか」
あるいは「他社でも通用する人材にいかにして育てるか」

を考えた方が、社員さまを大切にすることにつながります。


「終身雇用」であっても「現状維持」になってはならないのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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