人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2013年1月31日

経営者の想いが社員に伝わらない理由

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回の記事のなかで、

 これからの企業経営には、社員を「労働力」としてではなく、
 「一人のかけがえのない人間」として尊重していくことが、
 企業の永続にとって最も重要

とお伝えしました。


この会社の姿勢は、社員の仕事に対する価値観に関わっていきます。


もし、会社が社員を「労働力」として考えているならば、
社員は会社を「お金を得る場所」としか考えなくなります。

全ての判断基準が「お金」になっていくので、
ちょっとしたことで会社に対する不平・不満が湧いてきて、
出来る限り「手を抜く」ことばかりを考えるようになります。

仕事が「苦役」になってしまうのです。


反対に、会社が社員を「かけがえのない存在」と考えるならば、
社員も会社を「自分の価値を発揮する場」と考えます。

判断基準が「自己実現」や「貢献」になるので、
より良い仕事をしようと、自発的に努力を行なうようになります。



多くの経営者は、「自分は社員を大切に考えている」と
おっしゃいます。

確かに、経営者の皆さまのお話をお聴きすると、
ほとんどの方は、自社の社員さまへの深い愛情を感じます。

しかし、それが社員に伝わっていないのです。


なぜなら、人事制度が典型的ですが、実際に行なう経営施策が
「社員=労働力」の根本原理に基づいているからです。

例えば、人事制度で「評価と給与を連動」することによって、
社員は自分がコントロールされている感覚を味わいます。

人を金銭的価値を基準に置き換える制度が存在すると、
いくら「人材育成のため」「理念浸透のため」などと言っても
伝わりません。

社員の立場からすると、
「経営理念では良いことを言っても実際の行動は違う」ように
映ってしまうのです。


次回から、社員を大切に考える経営者の「想い」が伝わるような
人事施策について考えていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年1月24日

常識とは逆発想の人事制度

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


私はずいぶん前から、「お金」でモチベーションを上げようとする
既存の人事制度理論に異を唱えてきました。

「お金」でモチベーションを上げ続けるのは不可能であり、
それどころか、逆に仕事への関心を奪ってしまうことになるからです。

それは、エドワード・デシ氏をはじめとする多くの学者が、
長年のさまざまな実験によって明らかにしてきた人間の本質なのです。

しかし、人事施策に関しては、それらの研究が活かされず、
相変わらず金銭的な報酬でモチベーションを上げようとしてきました。


人事制度の構造を簡単に言えば、

1.等級制度によって社員を格付けし、
2.等級別の評価項目・基準によって社員に点数を付け、
3.その等級と点数に応じて給料額を変える

ということです。


つまり、望ましい行動をすれば給料を上げ、
望ましくない行動をすれば給料を上げない(下げる)ことで、

社員さまの行動をコントロールしようとしているのです。


この構造のやっかいなところは、一見すると理に適っていることです。


人事制度をこういう「アメとムチ」の構造にすれば、
社員さまは給料を上げたいから頑張るだろう、と考えてしまいます。

しかし、人間は馬のように、鼻先にニンジンをぶら下げられて、
ニンジンを目がけて無心に走れるほど、単純ではないのです。

狙いとは逆に、仕事への関心を失ってしまい、
受け身になったり、反発したりして、パフォーマンスが落ちるのです。

もちろん、仕事の喜びを感じることもできなくなってしまいます。


今までの人事制度は、呼び名や評価項目・基準が多少違っても、
基本的な構造は同じでした。

さまざまな考え方が登場しましたが、
基本的には「アメとムチ」の構造に変わりなかったのです。

私は、今までの人事制度は、人間の尊厳を軽視しているとさえ
考えています。


私が提唱している人事制度は、
金銭的報酬による「アメとムチ」を使うことは基本的にありません。

なぜなら、「評価」と「給与」を分離しているからです。


「評価」は、社員の成長のためだけに活用します。

「給与」は、社員の「生活の安定」と会社の「支払い能力」、
そして「業界の相場感」でおおむね決まるように設計します。

今までの人事制度理論とは、180度反対のコンセプトですから、
ご理解いただくのに時間がかかる場合もあります。

しかし最近では、私の考えにご共感いただけることが多くなり、
『人事マネジメント』という人事労務関連の月刊誌のなかで
4回シリーズで連載する機会もいただきました。


これからの企業経営には、社員を「労働力」としてではなく、
「一人のかけがえのない人間」として尊重していくことが、
企業の永続にとって最も重要であると考えています。

そのことによって、個人と組織の新しい関係性が構築され、
働き盛り世代の自殺や精神疾患のなくなり、

全ての人が仕事に喜びを見い出せる社会づくりができると思います。


当社は、そのような社会づくりを目指していきます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年1月18日

経営者の心の状態が経営を左右する

いつもありがとうございます! 生きがいラボの福留です。

前回は、自律的人材になるには「感情をマネジメントする」という
意識が必要になるとお伝えしました。


自律的「人材」という言葉を使うと、
会社における社員のことだけを連想してしまいがちですが、

経営者も自律的人材を目指す必要があります。

当然のことながら、経営者は社内で最も影響力が強い人ですので、
会社のなかで一番「自律的」でなければなりません。


「他律的」な経営者の代表は、「うちの社員は出来が悪い」と
業績が伸びないことのを社員のせいにするケースです。

確かに、会社のなかで一番努力しているのは経営者であり、
社員の努力や能力に不満を感じてしまうお気持ちも分かります。

また、日夜 一生懸命に働き、とてつもないプレッシャーと戦い、
一番会社のことを考えている自分が業績不振の原因になっていると
考えたくない気持ちも分かります。

しかし、経営のことを本当に突き詰めて考えれば、
業績が伸びない最大の原因は、経営者の経営能力の不足なのです。


ここで言う「能力」とは、マネジメントやリーダーシップなどの
いわゆる「スキル」の面だけではなく、

「人間性」の部分も含まれます。


現代の専門分化が進んだ組織においては、
「スキル」よりも「人間性」の面が大きく影響すると言えます。

経営者の「人間性」は、社員の「心」の状態に影響を与えます。


つまり、経営者が「他律的」であれば、
ほとんどの場合において、社員も「他律的」になってしまいます。

経営者が「社員が悪い」と思っていると、
それを直接は言葉で表していなくても、社員に伝わってしまい、

社員は「社長に信頼されていない」と感じるのです。


そしてその結果、社員も「うちの社長は分かっていない」と
他律的に経営者を責め始めるのです。

それが負のスパイラルのなかで増幅され、
経営者と社員との信頼関係が加速度的に悪化してしまって、

会社が内部から崩壊していくのです。


この問題を解決するには、
経営者が自分の感情をポジティブになるようにマネジメントし、
心の底から「自律的」になるしかありません。

表面上は社員を信頼している言動をしていても、
心のなかで「社員が悪い」と思っていれば、必ず伝わります。

必ず、どこかで本音が出てしまうのです。


経営者(だけではなく部下を持つ方全員)は特に、
自分の感情を自律的にコントロールする必要があるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年1月10日

感情をマネジメントする

明けましておめでとうございます! 生きがいラボの福留です。
今年もよろしくお願いします!

前回まで、社員さまが自律的人材に成長するのを支援する要素
についてお伝えしました。

しかし、いくら会社が良い環境を整えたとしても、
当然ながら、成長する人、しない人の差が出てきてしまいます。


この差はいったい何なのでしょうか?


私は、「どれだけ自分の感情をマネジメントできるか」の差が
大きな要素として存在していると思います。

感情というのは、無意識に生活をしていると、
外部の環境によって自動的に発生するものだと考えがちです。

このように考えていると、もし自分がイライラしていたならば、
その原因は「上司のせい」「会社のせい」「部下のせい」などと、

自分をイライラさせる「周りが悪い」となります。


このような人は、仕事に対して「受け身」であることが多く、
自分以外への不平不満ばかり感じてしまっています。

その結果として、せっかく素晴らしい実力を持っていても、
仕事のパフォーマンスは上がりませんし、成長もできません。


人間ですから、思い通りにいかなければイライラもしますが、

イライラしている自分の感情に気づいて、
自分の感情をプラスの方向にマネジメントすることが大切です。

これができなければ、いくら良い環境に身を置いたとしても、
成長することはできません。


会社においては、上司が感情をマネジメントできなければ、
部下の成長を阻害してしまう可能性があります。

部下育成についての本のなかには、
「部下の話をよく聴く」と「時には叱ることも必要」という
内容について書かれてあります。

この2つの関わり方を、部下の成長のためという視点で、
「瞬時に」選択することが必要となります。


しかし、部下の話を聴くべきだと知識では知っていても、
思い通りに動かなかった部下に対するイライラを解消するために

自動的に叱る(正確には"怒る")という行為をしてしまうことも
多くの上司は経験されているのではないでしょうか?


そういう時には、だいたい言い過ぎてしまうものです。
(恥ずかしい話ですが、私も何度も経験があります・・・)


このことは、名目上は「部下のため」に叱っているつもりでも、
実際には「自分の感情処理」をしているだけです。

これでは、良い部下指導にはなりませんし、
部下のモチベーションが下がって、逆効果になってしまいます。


前回までの「4T+M」の施策をする際には、
まずは上司(経営者)が自分の感情をマネジメントできるように
ならなければなりません。

上司が自律的人材でなければ、部下も自律的人材には育たないのです。


第一歩として、「感情は選択することができる」という考え方を
会社のなかに浸透させなければなりません。

自分の感情にも責任を持つことを、教えていかなければなりません。


自分の感情を選択することが、自律的人材への第一歩となるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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