人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2013年3月22日

キャリアについて考える

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


今回は、「キャリア」について考えていきたいと思います。

キャリアを日本語に訳すと「職歴」「経歴」という意味ですが、
私は「生き方そのもの」だと考えています。

どういうキャリアをたどってきたか、
あるいはどういうキャリアを歩んでいきたいのかを考えることは

ほとんど「人生」を考えることと等しいからです。


したがって、会社のなかで「どういうキャリアを歩めるのか」が
不明確であるということは、社員の側から見ると、

この会社で頑張っても将来が見えないように映ってしまうのです。


これほど重要なキャリアですが、私の感覚では経営者の多くは
キャリア開発について深く意識されていないように感じます。


その原因としては、大きく2つあるように思います。


1.「キャリアは自分でつくるもの」という認識があるから

 経営者の多くは、自分の意思で会社を立ち上げ、
 自分の意思で行動し、自分で最終責任をとってきた方々ですので
 
 「自分のキャリア(生き方)は自分で決めるもの」

 という認識が強くあり、
 これがキャリア開発が意識されない原因の一つだと思います。


2.キャリア開発は不確定要素が多いから

 実際に社員のキャリアを考え出したときに、
 不確定要素が多すぎることに驚かれた方もいらっしゃると思います。

 社員のキャリアを考えようとしたときには、
 自社の組織戦略(組織をどのような形にしていくのか)について
 明確にすることが必要となります。

 そして組織戦略は、長期的なビジョンや経営戦略がなければ
 明確な方向性を打ち出すことができません。


 キャリアには「計画された偶発性」という言葉があります。

 クランボルツという学者の考えですが、
 キャリアは人生のなかで起こる偶然の出来事によって左右され、

 その偶発的な出来事を主体的に活用することがキャリア形成には
 大切なことだという考えです。

 ※本当は「計画された」ということがキーポイントなのですが、
  ここでは説明を割愛します。

 
 つまり、キャリア開発に関しても、経営環境の変化などによって
 将来を完ぺきに設計することはできないということです。

 このように不確定要素が多いことも、
 キャリア開発を難しくしてしまっている原因の一つです。


1つ目の「キャリアは自分でつくるもの」に関しては、
私自身も、自分の夢を実現するために会社を立ち上げましたので
基本的には同じ考えです。

しかし、私がお客様の会社で社員と面談して感じることは、
多くの方が将来への強い不安を抱いていて、その大きな原因は、
自分のキャリア(将来像)が見えないことです。

その不安が、現在の仕事に没頭できない原因となっています。

社員の不安解消のためにも、
自社のキャリアを示すことは重要な施策ではないかと思います。


また、2つ目の不確定要素が多いことに関しても、

「先が読めないから考えなくてよい」ということではなく、
先が読めないからこそ、一貫したコンセプトを構想することが
求められます。 

そもそも、将来のことは全てが不確定要素です。

その不確定な将来を、自力で主体的に切り拓いていくために、
経営ビジョンや経営戦略があるわけです。


「キャリア」も同じです。

不確定なキャリアを自分の力でつかみ取っていくために、
将来のキャリアを描くことが大切になります。

「キャリア」を考えることは「人生」を考えることと同じです。

社員が「この会社で頑張ればどんな人生をつくれるのか」を
示してあげることも、大切なことではないでしょうか。


まとめますと、キャリアを築いていくのは自己責任ですが、
会社としては社員に選択肢を示してあげることが必要だと思います。

そして、その選択肢は固定的である必要はありません。

会社が提供できるキャリアは、会社のビジョンや戦略が変われば
当然のことながら変化します。

大事なことは、分からないから示さないという姿勢ではなく、
将来のことは不確定だからこそ、真剣に考える姿勢が必要です。

その誠実な経営者の姿勢が、
社員にとっては最大の安心材料になるのではないでしょうか。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年3月21日

360度評価制度が効果を発揮する条件

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


今回は、「人間性」について考えていきたいと思います。

多くの人事制度では、「情意評価」ということで
社員の「人間性」を高めるための評価項目が存在しています。

しかし、情意評価に関しては賛否両論あるところです。


否定的な見方として、情意評価で評価する「人間性」の部分は
正確な評価が難しいことが挙げられます。

社員の「積極性」や「協調性」など、
客観的に数値化して評価することなど、ほぼ不可能です。

無理やりに指標をつくることはできますが、
その客観性、妥当性に関しては大いに疑問が残ります。

また、会社は社員に成果を求めているのだから、
「人間性」にまで踏み込むべきではない、という意見もあります。


しかし私は、本当に社員のことを大切に考えるのであれば、
「人間性」を高めるための取り組みをすべきだと考えます。

知識やスキルだけ身につけても、
人間性が伴わなければ本当に良い仕事はできるはずがありませんし、
プライベート(家庭生活や子育て など)もうまくいきません。

人間性を高めることは、社員が豊かな人生をおくるための
必要不可欠な条件なのです。

ですので、会社が社員の人間性を高めようとすることは
とても大切なことだと考えています。


しかし、360度評価制度が効果を発揮するには条件があります。


先にも述べたように、人間性を客観的に測ることは不可能ですし、
人間は自分の内面を人からとやかく言われたくないものです。

ましてや、情意評価の結果が給与に連動しているならば、
評価結果を素直に反省して成長の糧とすることは非常に困難です。


では、どうするか?


私がお勧めしているのは、
給与制度とは連動させない「360度評価制度」によって、
人間性についてのフィードバックを行なうことです。

上司が部下を評価するのではなく、5~6名のチームを組み、
そのチーム内で相互に人間性に関する評価項目で評価し合うのです。

そして、その評価結果は給与制度には連動させません。
あくまでも、成長のためのフィードバックという目的だけです。

ですので、もっと言えば、別に点数化する必要もありません。
評価項目についてのコメントをするだけでも良いのです。

給与に連動させないことによって、
評価結果を素直に受け入れて反省しやすくなるのです。


社員の人間性を磨くために360度評価制度が有効なのは、
この制度が「客観」に近いからです。

上司一人が部下の人間性を評価したのでは、
悪く言えば、「上司は自分のことを分かっていない」という
言い訳が通用します。

しかし、複数名から同じような評価だった場合は、
耳の痛い評価結果だったとしても、受け入れざるを得ません。

真実はどうであれ、
周りから「そう見えている」ということは事実だからです。


また、上司や部下という役職など関係なく、
会社全体に「お互いに高め合おう!」という社風をつくることが
「人間性」を高める取り組みには必要です。

経営者・上司がどれだけ謙虚になれるかが、
社員の人間性を高めるための最大のポイントだと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年3月14日

キャリア開発制度が効果を発揮する条件

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

前回は、独立支援を中心に据えたキャリア開発制度を構築し、
社員に「経営スキル」を身につけてもらうことが、

会社にとっても、社員にとってもプラスだとお伝えしました。


しかし、制度や仕組みというものは全て、作っただけでは機能せず、
同時にそれが生きる風土もつくっていく必要があります。

風土をつくるなかで、私がもっとも大切だと考えているのが、
社員の「自律性」を促進することです。


「自律」という言葉は、
2006年に日本経団連が「自律型人材」の必要性を提唱している通り、
これからの日本社会におけるキーワードの一つだと思います。

私は、日本経団連の主張よりも広く捉えていて、
「自分の人生」を自律的に考えることが必要だと思っています。

自分の人生を自分で築いていくという決意を持った人材の育成が
必要だと考えています。


キャリア開発制度を活用するということは、
社員が自分の人生を自分で設計していくことと同じ意味になります。

ですので、社員のなかに「会社がなんとかしてくれる」という
意識があったのでは、キャリア開発制度は絵に描いた餅になって
しまうのです。

「自分の人生は自分の意思で主体的につくっていく」という
強い意思を一人ひとりが持つことが必要になります。

そして、そのような意思を持つことが、
社員の人生にとって最も有意義なことなのではないでしょうか?


人生に対して「自律性」を社員にもっていただくためには、
地道な「教育」しかありません。

上司が、部下との対話のなかで、会社任せ・成り行き任せではなく、
「あなたはどうするのか?」と常に問うていく必要があります。

一見すると仕事とは関係のないことのように感じますが、
自分の人生に「他律的」だと、仕事も当然「他律的」になります。

社員が自分の人生を自律的に生きることによって初めて、
キャリア開発制度が効果を発揮できるようになります。

制度だけではなく、人材育成による風土変革も必要なのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年3月 7日

社員の「独立」をどう考えるか

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


引き続き、社員を尊重する人事施策について考えます。
今回は、社員の「独立」について考えてみましょう。

業種によっては独立志向の強い業種もありますが、
社員が退職して事業を起こすことを快く思っていない経営者が
多いのではないでしょうか?

そのお気持ちは、とても分かります。

これまでせっかく育てた社員が辞めるのは戦力ダウンになりますし、
競合企業が増えることにもつながります。

また、仲間が離れていくことへの寂しさもあるでしょう。

経営者のなかには、社員が独立を願い出てくる度に、
「自社に魅力がないからだ」と落ち込む方もいらっしゃいます。


私は「終身雇用」という考え方が個人的には好きで、

会社が、社員の人生を終わり(定年)まで面倒を見るという
考え方に共感するものがあります。

社員にとっては、将来についての安心感にもつながります。

また、気の合う仲間とずっと一緒に働ける環境というものは、
社員にとっても楽しいものだと思います。


しかし、個人的には好きな「終身雇用」ですが、
人事コンサルタントとしてはあまりお勧めできないと考えています。


なぜなら、「現実的ではない」からです。


経営環境は、刻一刻と変化しています。
現在は順調な会社でも、この先はどうなるかは誰も分かりません。

すべての会社に「倒産」の可能性は存在します。

そのような中で「終身雇用」を謳うのは、
あまりにも不確実な部分が大きすぎると言わざるを得ません。

もし、「終身雇用」の名の下、
その会社でしか通用しない人材が育ってしまったとしたら、
会社がなくなったときのリスクは計りしれません。


私は、本当に社員のことを大切だと考えるのであれば、
実際に独立するかは別として、

社員に「独立してもやっていける人材」に成長してもらうことが、
最良の施策だと考えています。

つまり、独立まで選択肢のなかに含めたキャリア開発制度を構築し、
社員に「経営スキル」を身につけてもらうということです。


これはもちろん、会社にもメリットがあります。


私の経験上、独立を目指している社員ほど、
仕事で自発性を発揮していて、労働条件への不満などが少なく、
パフォーマンスも高い傾向があります。


もちろん独立に向く業種と向かない業種がありますが、
どのような業種であっても、

社員に経営に必要なスキルを身につけていただくことは、
会社にとっても、社員の人生にとってもプラスになります。


これからの不確実な社会においては、
「キャリア開発制度」の充実がより必要性を増すと思います。


当然、制度をつくっただけでうまくいくことはありませんので、
その辺りのことを次回に考えたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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