人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2013年6月26日

キャリア開発制度を設計するときの基本姿勢

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。

1.等級制度をなくす

2.評価と給与を分離する

3.キャリア開発制度を中心に据える


今回から3番目の「キャリア開発制度」についてお伝えします。


前回でもお伝えした通り、
評価と給与の分離とは「社員を評価しない」ことではありません。


目標管理制度や360度評価制度を通し、評価していくべきです。

しかし、「何のため」に評価するかが重要です。
評価を給与決定ではなく、社員の成長のために活用するのです。


つまり、評価結果が連動するのは、社員の成長支援の仕組みである
キャリア開発制度に限定するべきなのです。


キャリア開発制度の重要性については、
多くの人事担当者や人事コンサルタントが強く認識しています。

その一方で、企業サイドからは、
「うちの社員は勉強したがらない」という声もよく聞きます。

しかし、これは全く的外れな意見です。
「勉強したがらない」のではなく「する気にならない」のです。


その理由は、キャリア開発制度が会社からの押しつけであり、
社員自身の人生とキャリア開発制度が結びついていないからです。


キャリア開発制度の根底には、企業の戦力強化などではなく、
社員の「人生そのもの」を応援する精神が必要です。

社員が「人生を豊かにする実力」を身につけることを支援する
という思想が必要であり、「人生のサポート」をコンセプトと
することが求められます。

そうでなければ、社員は真剣にキャリア開発制度を活用して
自己成長に取り組みません。

自分の人生にとって有意義だと感じるから、努力できるのです。

社員一人ひとりの顔を見ず労働力として考えているうちは、
キャリア開発制度が活用されることはないのです。


制度内容の前に、制度構築の基本姿勢についてお伝えします。


キャリア開発制度に関する書籍はたくさんありますが、
自戒も含めて言うならば、学者やコンサルタントというのは
物事を複雑にしすぎる傾向があります。

キャリア開発制度も然りです。
特に中小企業では、複雑な仕組みなど全く必要ないのです。


キャリア開発制度は、できるかぎりシンプルに設計すべきです。

なぜなら、シンプルな制度の方が、運用しやすいからです。
制度というのは、運用しなければ全く意味がありません。


多くの人事コンサルタントや人事担当者が陥る間違いは、
事前に明確にできない不確定なこと(=制度化できないこと)
まで制度にしようとすることです。

制度化できないことは無理に制度にせず、
個別具体的に意思決定する余地を残しておけば良いのです。

全ての社員が長期的なキャリアをデザインできるような、
万能のキャリア開発制度を作ることは不可能ですし、

もしそのような制度をつくろうとしたならば、
あまりにも複雑すぎて中小企業では全く運用できません。


さて、次回からは、いよいよ制度内容に話を進めます。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年6月11日

何のために社員を「評価」するのか?

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。

1.等級制度をなくす

2.評価と給与を分離する

3.キャリア開発制度を中心に据える


前回は、2つ目のポイントである「評価と給与の分離」について
お伝えしました。

今回は、「評価」の目的についてお伝えします。

評価を給与には連動させませんが、
「社員を評価しない」ことではないと、前回にお伝えしました。


人が成長するためには、「評価される」というこが必要不可欠です。


当社では、人事制度の中で「目標管理制度」と「360度評価制度」を
構築しますが、その中でキチンと「評価」を行ないます。

評価というと点数を付けるように考えられがちですが、
本当に意味のある「評価」とは点数を付けることではありません。

社員の長所や強み、うまくいったこと、改善すべき点、成長課題を
明確にすることが本当の「評価」です。

そして、評価結果は「成長のための情報」として活用します。


この時に大切なのは、評価結果を直接的に給与に連動すると、
その評価を素直に受け入れられなくなるということです。

評価結果によって自分の給料が決まるとなれば、
人間はなんとかして評価結果の見栄えを良くしたくなります。

そして、評価結果が成長のために役立たなくなるのです。

評価結果は「成長を促す目的」のみに限定して活用すべきです。


したがって、社員の成長を支援する仕組みが非常に重要になります。

それが「キャリア開発制度」です。

目標管理制度と360度評価制度での評価結果は、
キャリア開発制度の中で成長支援の情報として活用されます。


次回は、逆発想の人事制度の中核であるキャリア開発制度について
扱います。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2013年6月 6日

給与制度をシンプルにする設計の3要素

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。

1.等級制度をなくす

2.評価と給与を分離する

3.キャリア開発制度を中心に据える


前回は、2つ目のポイントである「評価と給与の分離」について
少しだけお伝えしました。

今回は、いよいよ、評価と給与が分離した人事制度の概要を
お伝えしていきます。


まず疑問に思われるのは、


「どうやって給料を決めるの?」


ということではないかと思います。


当然ながら評価以外の基準によって決めることになり、
次の3つの要素を総合考慮して設定します。


●給与制度設計の3つの要素

 1.社員が安心して暮らせる給与水準

 2.業界における給与相場感

 3.会社の支払い能力(財務状態)


給与制度を設計する時の大前提ですが、
新しい人事制度によって月例給与を「減額」することは
出来る限り避けるべきです。

これを大前提として、3つの要素によって給与制度を設計します。


1番目の「社員が安心して暮らせる給与水準」については、
当然ながら、"普通に"暮らせる給与水準を確保することです。

それに加え、結婚や子育て、介護などによる支出増加によって、
社員が安心して暮らせなくなる事態を回避することを考慮に入れて
給与体系を設計します。


2番目の「業界における給与相場感」については、
業界の給与相場がありますので、それを基に水準を決めます。


3番目の「会社の支払い能力」も、給与制度を設計する時には
大変重要です。

しかし、仮に財務基盤が脆弱であったとしても、
一人ひとりの月例給与額を大幅に減額することは、
社員の生活を脅かすことになりますので避けるべきです。

したがって実際には、採用や賞与によって
人件費負担と財務基盤強化のバランスを図ることになります。


給与制度の骨子は以上の通りです。評価と給与を分離すると、
拍子抜けするぐらいにシンプルにできます。

私は当社の考え方を「CSR型給与制度」と呼んでいますが、
給与制度を「安心の提供」のために設計し、
動機づけの道具に使わないことで、劇的にシンプルになるのです。


「給与」というものはそもそも、
不満は生み出すが長期的なモチベーションは生み出さないという
非常に難しい存在です。

給与制度をいくら工夫を重ねて構築したとしても、
不満がゼロになることはありませんし、
社員のモチベーションが目に見えて高まることもありません。

給与制度の目的を「安心の提供」に絞って、
シンプルにすることで、社員からも理解しやすくなります。


次回は、「評価」と「給与」を分離したときに、
「評価」をどのように活用していくかについてお伝えします。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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