人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2014年5月29日

未来の働き方を考える

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


ある顧客企業のプロジェクトメンバーさんに
リンダ・グラットン著「ワーク・シフト」(プレジデント社)を
課題図書にしたので、再読しています。

未来の働き方について示唆に富む良書だと思います。


そのなかで、「お金を稼ぐために働く」という意識から
「充実した経験をするために働く」という意識にシフトすることを
著者は提案しています。

このブログでも申し上げてきた通り、私もまったく同意見です。

著者は社会の変容のなかでその必要性を論じていますが、
私はもう少しドロドロとした視点で考えていきたいと思います。


まず、現在の日本経済を考えると、
「多くのお金を稼ぐ」ことでモチベーションを維持し続けることは
不可能に近いことです。

収入が多少増えたからと言って、喜びが持続するのは数か月です。
中毒症状のように、より多くの収入でなければ満足できなくなります。

ましてや現在は、収入が減ることも往々にしてあります。

長い職業人生を通して、収入が上がり続けることは稀なケースで
ほとんどの人はいずれ頭打ちするものなのです。

そうなると、働く意欲の中心が「お金」だったとしたら、
仕事への充実感や達成感、喜びなど感じることはできないでしょう。


また、会社で言えば、
「お金になることはやる」「お金にならないことはやらない」
という人と一緒に働きたいでしょうか?

自分の利になることばかりを考えている人たちが集まった会社で
仕事の喜びを共有できるでしょうか?

私は「お金が目的」の人が集まった会社では、
社員同士の人間関係や信頼関係、絆は構築できないと考えます。

以前に成果主義人事制度が流行ったときに、
社風がボロボロになった会社が続出したことでも明らかでしょう。


もちろん、「お金を求めるな!」と言っているのではありません。
お金は人生において、本当に大切なものです。

私は創業して間もない頃に、10日後に資金ショートするという
状況まで追いつめられました。

個人の全財産を会社に突っ込んでいましたので、
会社が倒産するということは、私も自己破産するということです。

資金ショートの日が近づくにつれ、夜も眠れなくなり、
時には息ができず水に溺れているような苦しさを味わいました。

家族を路頭に迷わせることになるかと思うと、
無邪気に寝ている息子の寝顔を見て、涙が止まらなくなりました。

幸運にも、なんとか資金ショートすることなく乗り切りましたが、
その体験からお金がなくなることの恐ろしさを実感しました。

お金は人生において、本当に大切な要素です。


しかしそれでも、私は、働く目的としてお金が適しているとは
思いません。

お金の魔力はすさまじく、
人として本当に大切にすべきものを見えなくしてしまいます。

お金に心を奪われた人が、人の道をはずした例を挙げだすと
枚挙に暇がないでしょう。


私は、未来の働き方として、お金の力に打ち克てる精神力を
身につけることが必要だと考えます。

「何が得か?」ではなく、「自分はどうありたいのか?」から
物事の意思決定ができる人間になるということです。

そういう意識で働いている時にこそ、
仕事のなかで充実感や達成感、幸福感を味わえるのだと思います。


私は、当社の人事制度を通して、
そういうメッセージを社会に発信していきたいと思っています。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2014年5月15日

年収103万円・130万円の壁

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


5月13日の日本経済新聞に「年収103万円・130万円の壁」について
記事が載っていました。

ご存じの通り、年収が103万円を超えると納税額が増え、
更に年収130万円を超えると社会保険料の支払い義務が生じます。

このことから、主にパートで働く主婦などが
この年収を超えないように働く時間を調整することを
「年収103万円の壁」「年収130万円の壁」などと呼んだりします。

この仕組みが女性活躍の妨げになっているとし、
政府が見直しに動きだしたということが書かれた記事でした。


ここにも、金銭的報酬の扱いづらさが見て取れます。

やる気がなくて「夫の扶養に入って楽をしたい」という人だったら、
この「壁」に影響されるのは分かるのですが、

私の経験上、社内で素晴らしい働きをしているパート社員さんでも
この「壁」によって働く時間を調整する方がいらっしゃいます。

せっかく高い意欲と能力を持っているのに、もったいない話です。


実際には、130万円を超えると手取額が減ってしまうのですが、
社会保険に加入することで将来の年金額は増加します。
(年金制度の行方も不透明ではありますが・・・)

金銭的報酬が、人の意識を短期的にしてしまう好例だと思います。


また、103万円を超えると納税額が増加するのですが、
大きな視点に立つと、より多くの納税をすることは社会貢献です。

確かに、税金の良い使われ方がされているようには見えないので、
「納税=社会貢献」という意識は持ちにくいことは事実です。

しかし、私たちの国が納税によって動いているのは確かですから、
たくさんの納税を行おうとするのは、健全な考えだと思います。

人の意識の中心を「善悪」ではなく「損得」に変えてしまうのも
金銭的報酬の特徴です。


悪い制度というものは、人間の意識を物事の本質とは違う所に
持って行ってしまうのです。


しかし、「壁」には囚われず、会社や社会に貢献しようと意識で、
あるいは自分の成長のために頑張る人もいらっしゃいます。

こういう方は、精神的に自律していて、
「損得」よりも「善悪」で、「権利」よりも「責任」を重視して
物事を考えられる人です。

「仕組み」が全ての原因ではなく、人の意識の問題でもあります。

実際に「年収103万円・130万円の壁」は、
事情があってどうしても十分に働けない場合は助かる仕組みです。

この仕組みに便乗して、働ける人まで働かないことが問題なのです。


リンダ・グラットン著の「ワーク・シフト」(プレジデント社)に

  お金を最大の目的に働くのではなく、
           充実した経験を味わうために働く

とありますが、責任を果たすことで充実した経験が得られますし、
人間は本来、大きな責任を果たしていきたいものです。


税法や社会保険、人事制度などの「仕組み」をつくる時には、

人間が本来持っている向上心や責任感を「邪魔」しないように
設計することが大切だと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2014年5月 8日

人事制度で「生きがい」をつくれるか?

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

今から約4年前、前職から独立して会社を立ち上げるとき、
私は自分の信念が一目で分かるような会社名にしたいと思いました。

考えに考えた結果、「生きがいラボ」というコンサルティング会社
らしくない会社名をつけました。

決定する前は、自分でも「ちょっと変かな?」と思ったのですが、
妻に相談したところ「あやしいからやめた方が良い」と言われ、

「どこがあやしいんだ!これが自分の生きる道だ!」とムキになり、
そのまま押し切ったことを思い出します。

今では「生きがいラボ」という会社名にして正解だったと思います。


私は人事制度のコンサルティングを通して、
一人でも多くの人が「生きがい」にあふれた人生を送ることを
サポートすることを自分の使命だと思っています。

しかし、制度を構築するだけで「生きがい」をつくれるかというと、
それは不可能だと考えています。

人事制度づくりは単なる「環境づくり」であって、
日々の仕事のなかで「生きがい」を感じられるかどうかについては、

結局は「ご本人次第」です。

当社の人事制度は、社員さんの「成長」をサポートする制度ですが、
成長したくない人にとっては何の価値も感じられないでしょう。


では、なぜ私が、社員さんの「生きがい」をサポートするために
人事制度のコンサルティングをしているかというと、

大きく分けると2つの理由があります。


1つ目が、一般的に普及している人事制度では
社員さんが仕事に「生きがい」を持つことを邪魔するからです。

社員さんに点数を付け、その点数に応じた昇給額で釣る人事制度は、
仕事の目的をお金に変えてしまいます。

このブログでも、今までお伝えし続けてきたことです。


2つ目の理由は、人事制度はメッセージを込めやすいからです。


「豊かな人生を歩むには成長が必要だ」
「自分の人生を自分でデザインすることで生きがいが生まれる」
「高い目標にチャレンジすることで仕事の充実感が高まる」
「顧客や仲間に貢献することで人生が広がっていく」

というようなメッセージを人事制度を通して伝えていくことが
社員さんの「生きがい」づくりにつながると考えています。

このメッセージを伝える人が多ければ多いほど広がりやすいので、
私は人事制度づくりに幹部社員さんも入っていただくのです。


多くの人事コンサルタントは制度づくりを目的にしていますが、
私は制度に「どんなメッセージを込めるか」を大切にしています。

制度そのものに価値はなく、人事制度に込められた思いの強さが
最も重要なのだと思います。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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