人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2015年3月30日

後継経営者が受け継ぐもの

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


最近、何かとメディアを騒がしていた
ある大手家具小売企業のお家騒動が、一応の決着がつきましたが、

同族経営での後継の難しさを、改めて痛感させられました。


私がお付き合いしているのは中小企業ですから、
そのほとんどが同族経営で、身内が後継経営者になっています。


今回のようなお家騒動があると、

「やっぱり同族経営はダメ!」

という主張が出てきますが、それは少し短絡的な意見です。


私は、中小企業では、同族での後継が適していると考えています。

理由は、2つあります。


1つ目は、中小企業においては、後継するものに「負の遺産」も
含まれることが多いからです。

つまりは、借金です。

中小企業の借入金は、ほとんどが代表者の連帯保証がついています。
会社を承継するということは、これらも引き継ぐことになります。

果たして、身内以外で、この負の遺産をも受け継ぐという覚悟が
持てるかということです。


2つ目は、後継で最も大切なのは、「志」を受け継ぐことであり、
身内の方が、先代経営者の志を身近で感じているからです。

ほとんどの中小企業経営者は、人生すべてを会社につぎ込んでいて、
会社に命を懸けています。

当然ながら、その姿を身近で見てきた身内の方が、
先代経営者の「志」を深く理解している可能性は高くなります。


以上の2つの理由から、

中小企業においては、身内が後継する方が適していると考えます。


しかし、今回の騒動のように、身内だからこそ難しいということも
増えてきます。

それは、人間関係の面です。
身内で経営していると、感情的な対立に発展しやすくなります。

そして、企業規模が小さいと、経営陣が感情的に対立しだすと
働いている社員は、仕事どころではありません。

身内のゴタゴタに振り回されます。


人間ですから、感情的になるのは ある程度 仕方のないことですが、
私的な欲求で会社を混乱させるのは、あってはならないことです。

経営をするうえでは、会社は「公器」であり自分のものではない、
ということを、常に意識している必要があるでしょう。

今回のお家騒動も、この意識があれば、別の解決法があったかも
しれません。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年3月26日

給与のベースアップについて

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


大企業の「ベア満額回答」のニュースが立て続けに出ています。


念のため、ベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)の違いですが、

・ベースアップ:給与テーブルそのものを「書き換える」こと
・定期昇給:給与テーブルにもとづいた「個別の昇給」のこと


ですので、ややこしいですが全く違うものです。


こう立て続けにニュース報道されると、

社員さんの立場からすると「自社もベースアップするだろう」と
期待してしまうかもしれませんが、

基本的には「経済」と「経営」は違います。


私は、昇給(ベアと定昇を含めて)するかどうかの意思決定は、

「一人当たりの生産性」の伸び率

つまり、会社の実力を根拠に行うべきだと考えています。


少なくとも中小企業においては、大企業の春闘を根拠にするのは、
やめた方が良いという考えです。


社員さんの生活などを考えて、
昇給するという「愛情」は、非常に素晴らしいことだと思います。

しかし、実力の伴わない昇給は、非常に危険な行為です。


これには、2つの理由があります。


1つ目の理由は、

給与には「下方硬直性」、つまり下げられないという特性があり、
一度上げると、なかなか下げられないからです。

実力が伴わない昇給は、いずれ限界が訪れます。
つまり、いずれは、下げなければならない局面が現れます。

上げるのは簡単、下げるのは困難、というのが給与なのです。



2つ目の理由は、

実力の伴わない昇給は、
社員さんの「甘え」や「依存心」を強化してしまうからです。


給料というのは、できれば多い方が良いに決まっています。

しかし、実力に応じて給与が高くなるのは大いに結構ですが、

実力の伴わない昇給を行なえば、
社員さんは「このままでいいんだな」と思ってしまいます。

あるいは、会社の実力を見ることなく昇給を期待することに
つながります。


以上の2つの理由で、

今のように「ベア満額回答」のようなニュースが流れていても、
きちんと会社の実力を見て、判断することが大切だと思います。

そして、会社の状況をきちんと社員さんに伝えて、
理解を促していくことが、本当に大切な経営施策だと思います。

それが、長期的に見れば、社員さんのためにもなります。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年3月23日

キャリアをデザインする

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回の投稿で、

企業ビジョンを考えたとき、表面的なコトしか出ない理由として、
自分の心の奥底と深く向き合っていないから、とお伝えしました。


「自分の人生の目的」
「自分の存在意義、存在理由」
「自分が本当にありたい状態・なりたい自分像」
「自分が本当に創り出したいもの」

を深く考えていないと、自分が所属する企業のビジョンを考えても、

・給料がもっと高い会社
・休みがもっと多い会社
・有給休暇をもっと取れる会社
・労働時間がもっと短い会社
・福利厚生がもっと手厚い会社
・もっときれいな社屋

のような、表面的なビジョンしか出てきません。



もう一つ、人生を深く考えていないと出てこないものがあります。


自分の「将来のキャリア」です。


人事制度のコンサルティングをしていても、

ご自分のキャリア、

つまり、これからどのような仕事をしていきたいかについて、
積極的にデザインされている人はごくわずかです。


多くの人は、

・キャリアのことなど考えたことがない
・今のままの仕事を定年まで続けられればそれでいい
・何を目指したら良いのか分からないからキャリアなど描けない
・会社がどんなキャリアを進んだら良いかを示してほしい

のように、ご自分のことですが、他人事のように考えています。


私は、本当に豊かな職業人生を歩もうとするならば、
自分でキャリアをデザインすることは必須条件だと考えています。


自分のキャリアをデザインすることは、
仕事をしている人にとっては「人生をデザイン」することです。

そこに向き合っていなかったり、他人任せになっていたとすれば、
自分の努力で人生を切り拓く充実感や達成感を得られません。


自分が理想とする人生に近づく実感こそが「生きがい」ですから、

自分の人生をデザインすることは、「生きがい」づくりにとって
欠かすことができない大切なことです。


自分のキャリアがデザインできていなければ、
給料や休日、有給休暇、労働時間、福利厚生などの表面上でしか
会社を見ることができません。

そこに生まれるのは、やらされ感や不平不満、グチばかりです。

当然ながら、雇用する側・雇用される側という立場を乗り越えて、
経営者と社員が真のパートナーになることはできません。


私の人事制度は「自律した人生」への変革をメッセージとして
発信することが狙いの一つですが、

「自律した人生」に変革するためには、
自分の人生を他人任せにせず、自分で切り拓く覚悟が必要です。


そのことを、人事制度を通じて伝えていきたいと思っています。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年3月19日

ビジョンを共有する意義

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


人事制度を構築するときの私のスタイルは、

人事制度をつくる前に、
プロジェクトメンバーさんに経営ビジョンと人材ビジョンについて
徹底的に考えていただきます。

そして、ビジョン・ステートメントを作成します。

ビジョンを文書化することが目的ではなく、
文書化を課すことで、ビジョンと真剣に向き合うことが目的です。


ここで、メンバーさんのほとんどは、かなり戸惑います。

なぜなら、ほとんどのメンバーさんは、
これまでにビジョンについて真剣に考えたことがないからです。

なぜ考えたことがないかというと、一つの誤解が存在するからです。



それは、「ビジョンはトップが示すもの」という誤解です。


ビジョンを示すのがトップである割合が高いのは確かですが、
トップでなければビジョンを示せないかというと、それは違います。

逆に、経営トップしかビジョンを示してはならないとするならば、
社員はいつまでも「雇用される側」という精神的地位のままです。

経営者と社員が、本当の意味で「パートナー関係」となれるのは、
ビジョンを心から共有できたときです。

ビジョンを心から共有できたときに初めて、
経営者・社員という立場の違いを超越し、協力していけるのです。


ただし、ビジョンを共有するうえで、2つの壁があります。



まず1つ目の壁は、

社員さんがビジョンを描くことを経営者が応援できるか?

という壁です。


経営者といえども人間ですから、
支配欲・権力欲・独占欲などの私的な欲求・欲望も持っています。


経営トップがこれらの私的な欲求を乗り越え、
本当に社員さんをパートナーとして迎え入れる覚悟がなければ、

ビジョンを共有することはできません。



2つ目の壁は、社員さん側にある壁です。

これも同じく、
社員さんが私的な欲求・欲望を乗り越えられるかという壁です。


多くのケースで、社員さんが業のビジョンを考えると、

・給料がもっと高い会社
・休みがもっと多い会社
・有給休暇をもっと取れる会社
・労働時間がもっと短い会社
・福利厚生がもっと手厚い会社
・もっときれいな社屋

などの意見が出てきます。


これらの意見を否定する気はありませんが、
本当のビジョンとはこのような表面上のことではありません。


なぜ、このような表面上のビジョンが出てくるかというと、

「自分の人生の目的」
「自分の存在意義、存在理由」
「自分が本当にありたい状態・なりたい自分像」
「自分が本当に創り出したいもの」

という、自分の心の奥底にあるものと向き合っていないからです。


自分の心を掘り下げて観ていないと、表面的なビジョンが出ますし、
これらの意見を経営トップが共感できるはずがありません。


私は、2つの壁を乗り越えるには、時間がかかると思っています。

少なくとも、すべてのプロジェクトメンバーが、
6か月間という短い期間で、完全に壁を乗り越えることは困難です。


困難だと認識しながらも、なぜ行っているかというと、

経営者と社員さんが共に「生きがい」を感じる組織を築くためには、
ビジョンの共有は必要不可欠なことだからです。

そして、この人事制度構築プロジェクトをきっかけとして、
ビジョンを共有するための取り組みを続けてもらいたいからです。


2つの壁は、時間をかけて努力し続ければ、必ず乗り越えられます。

なぜなら、人はみな、心と心がつながった関係を望んでいるからです。

しかし、弱い心があるのもまた人間ですから、
私のようなカタリスト(触媒)が必要となってくると思います。


私は、ただ単に人事制度をつくるだけではなく、
心が豊かになる関係づくりのお手伝いもしていきたいと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年3月12日

社会のあるべき姿を追求する

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


昨日は、4年前の東日本大震災のことを考えていました。

2011年3月11日の地震発生時には、
私は大阪市内の本町というところのカフェで、仕事をしていました。


最初は、ゆりかごに乗っているような感じになったので、
「めまいかな」と思いましたが、

カフェにいる人たちの様子から、地震だと分かりました。

その後、続々と被害の状況が分かるにつれ、
何日かはショックで仕事が手に付かなかったことを覚えています。


あの震災をきっかけに、世界に対して日本がどんな貢献ができるか
を考えるようになりました。

正確には、前から考えていましたが、真剣に考えるようになりました。


きっかけは、海外から義援金などの支援が寄せられてきたことです。

なかには、日本よりも経済面では豊かではない国や地域からの
義援金もありました。


自分たちの生活も苦しいのに、はるか遠い日本のために義援金を
送ってくださる・・・

なんとありがたいことだろう、と感動しました。

そして、どうやったらこの恩に報いることができるのだろうと
考えるようになりました。


私の一つの結論は、


『すべての人が心豊かに暮らせるような社会のあるべき姿を示す』


ということです。


世界は今、金融資本主義に支配され、富んでいる者はさらに富み、
貧しい者はより貧しくなるような流れのなかにあります。

また、経済的に発展している国々においても、
本当に精神面が豊かで、幸せを実感して暮らしているかというと
そうではありません。

「お金」を価値の中心に置く社会は限界に来ていると感じます。

さらに日本は、原発の問題や超少子高齢化など、
解決が極めて難しい問題に、世界に先んじて直面しています。


これらの問題との向き合い方を示し、心の豊かさを実現し、
社会のあるべき姿を世界に示すことが、

日本が世界にできる最大の貢献なのではないかと考えています。

そして、東日本大震災の時にも現れましたが、
日本人の思いやりや誠実さがあれば、実現できると感じています。

3.11のことを思い出し、その気持ちを新たにしました。


あるべき社会づくりのために、
当社の人事制度には「自律」「成長」「貢献」というメッセージを
込めています。

「自律」した人でなければ、すべてに感謝することはできませんし、
「成長」しなければ「貢献」もできません。

微力かもしれませんが、私は自分の事業を通して、
心豊かな社会づくりのために貢献していきたいと思っています。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年3月 5日

複雑な人事制度は必要ない

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

先週末に、数社からの人事制度に関するご相談があり
現行で運用している人事制度を拝見させていただきました。

いわゆる「成果主義」や「職務給」の人事制度でしたが、
せっかく作ったのに運用が全くできていないというご相談でした。


運用できていない最大の理由は、「複雑すぎる」ということです。


信じられないかもしれませんが、今まで「運用できていない」と
いうご相談のあった企業さまの多くは、

自社の人事制度の構造をキチンと理解されていませんでした。


しかし、それも仕方のない話で、以前につくった人事制度は
人事コンサルタンティング会社が持ってきた出来合いの制度で、

「自社でつくった」という感覚がないのです。

自分でつくったという感覚がなく、しかも複雑な人事制度であれば、
運用が滞るのは当たり前です。

その企業さまの責任ではありません。コンサルタントの責任です。


人事制度が企業を良くするのではありません。

企業で働く一人ひとり「会社を良くしよう」と努力することで、
会社は良くなります。

制度づくりより「人づくり」の方が大切なのです。


当たり前のことですが、ここを見失っているコンサルタントが
あまりにも多すぎます。

だから、運用できないような複雑な人事制度をつくるのです。


私も自分の持っているノウハウを全て使い切りたいという欲求が
出てくることがあります。

そうして、知らず知らずのうちに、複雑な人事制度づくりの方に
足が向いていることもあります。

私たち専門家は、単なる自己満足ではなく、
何がお客様のためなのかを、常に自問自答する必要があるでしょう。

今回のご相談で、改めてそのことを感じました。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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