人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2015年9月17日

賞与制度へのご質問に対する回答

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回までは、数回にわたって賞与について扱ってきましたが、
いろいろとご質問をいただきました。


いただいたご質問のなかで、

 賞与を利益の還元だと位置づけることの意義は分かりましたが、
 当社はこれまでずっと「月給●か月分」という支給をしてきたので、
 いきなり「業績が悪いから今回の賞与はゼロ」というのは
 難しいように感じますが、いかがでしょうか?

という内容がありました。


この経営者さまのお悩みは、本当にごもっともだと思います。

社員さんからすると、

今まで夏冬の年2回、ほぼ定額の賞与を受け取っていたのであれば、
賞与を確定した年収の一部だと考えておられるでしょう。

賞与が支給されることを見越してのローンを組んでいる社員さんも
いらっしゃることと思います。

そんななかで、賞与が企業業績に連動して支給されるとなると、
かなりの動揺があることが予想されます。

賞与制度を変更して、社員さんの意欲を削いでしまうのでは、
まったくの本末転倒です。


実際に、もしこの企業さまのお手伝いをさせていただくときに、
どのような賞与制度になるのかは、

様々な状況を考慮し、時間をかけて検討していくことになるので、
軽々には「どう変更すべきか」の結論は言えません。

しかし、1つだけ確実に言えるのは、


 社員さんに『賞与は本来「利益の還元」であるべき』だという
 原則を理解してもらう


ことが必要だということです。


私は、制度そのものを「どう変更するか」も大切ですが、
制度を通して「どんなメッセージを伝えるか」の方が大事だと
考えています。

もちろん、制度がメッセージと合致していればベストですが、
制度の内容は状況や環境によって流動します。

状況・環境によって、できること・できないことがあるからです。


私の実際のお客さまのなかでも、
完全に賞与を業績連動にしている企業さまはそんなにいません。

しかし、本来は「賞与は業績連動が原則」だというメッセージは、
新給与制度の説明会のなかで、お伝えしています。


メッセージの大切さは、なにも賞与制度に限ったことではなく、
人事制度全体にも言えることです。

人事制度で大切なのは「メッセージ」だということを感じたことが、
評価と給与を分離する人事制度を思いつくきっかけになりました。


私の経験上、中小企業・ベンチャー企業の経営者さまの多くは、
社員さんのことを大切にしたいと思っています。

経営者さまの多くは、
仕事の達成感や成長の実感を通して「生きがい」を感じておられ、
社員さんにも同じ感覚を味わってもらいたいと思っています。

そして、その具体策として、人事制度を整備されます。


しかし、肝心の人事制度が、社員さんに対して

 『お金のためにがんばれ!』

という経営者さまの想いとは違うメッセージを放ってしまいます。


私は、その原因が、評価が給与に直接連動する構造にあると考え、
その問題を解決するために考案したのが、逆発想の人事制度です。


人事制度だけに限らず、仕組みというのは何かしらのメッセージを
発信します。

そして、誤解があったり、曲げて理解されたりして、
意図していないメッセージが伝わることも往々にしてあります。


制度を構築する側は、このことを意識しながら、
キチンと意図が伝わるように、メッセージを発信していくことが
大切だと思います。


最後に、話はガラリと変わりますが10月から最低賃金が上がります。

パートさん・アルバイトさんを多く雇用している企業さまは、
時給が最低賃金割れしないかをご確認することをお勧めします。

9月8日時点で決定している地域別の最低賃金は、下記のとおりです。
実施時期は各都道府県によって異なるので労働局でご確認ください。
(括弧内は前年の額)


北海道  764円(748円)
宮城県  726円(710円)
秋田県  695円(679円)
福島県  705円(689円)
茨城県  747円(729円)
栃木県  751円(733円)
群馬県  737円(721円)
埼玉県  820円(802円)
千葉県  817円(798円)
東京都  907円(888円)
新潟県  731円(715円)
富山県  746円(728円)
石川県  735円(718円)
福井県  732円(716円)
山梨県  737円(721円)
長野県  746円(728円)
岐阜県  754円(738円)
静岡県  783円(765円)
愛知県  820円(800円)
三重県  771円(753円)
滋賀県  764円(746円)
京都府  807円(789円)
大阪府  858円(838円)
兵庫県  794円(776円)
奈良県  740円(724円)
和歌山県 731円(715円)
鳥取県  693円(677円)
島根県  696円(679円)
岡山県  735円(719円)
広島県  769円(750円)
山口県  731円(715円)
徳島県  695円(679円)
香川県  719円(702円)
愛媛県  696円(680円)
福岡県  743円(727円)
佐賀県  694円(678円)
長崎県  694円(677円)
鹿児島県 694円(678円)

         生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年9月 3日

喜びを分かち合える組織をつくるためには

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


数回にわたり賞与について扱ってきましたが、今回が最後です。

今回は、賞与を「利益の還元」だと位置づけることが、
なぜ、社員さんの「生きがい」につながるのかを扱っていきます。


まず最初に、「生きがいとは何か」を明らかにする必要があります。


賞与を利益の還元だと位置づけたならば、
企業業績が芳しくない時には、賞与がないということもあり得ます。

それならば、賞与を利益の還元だと位置づけ"ない"方が、
安定して賞与が支給されるので、社員さんの満足が向上するように
感じてしまいますが、

ここでの「安定して賞与をもらえるから満足だ」という感情と、
私が言っている「生きがい」とは、まったく次元が違うものです。


「生きがい」とは、人間の根源に関わる欲求です。


動物は「自己保存欲求」と「種族保存欲求」という本能を持ちます。

この本能に、人間が持つ「知性(意志の力)」が加わると、

「自己保存欲求」は「自己実現の欲求」に、
「種族保存欲求」は「相互信頼の欲求」に、それぞれ変化します。

この「自己実現」と「相互信頼」の2つの欲求が満たされることが、
人間として生まれた「生きがい」なのです。

※この点については、詳しくは当社のホームページをご覧ください。


「生きがい」とは何かを明らかにしたところで、
賞与と生きがいの関係について、話を進めたいと思います。

賞与を「利益の還元」と位置づけることは、
社員全員が、いわば「運命共同体」になるということです。

苦しいときには、全員で励まし支え合い、
嬉しいときには、全員で喜びと幸せを享受するということです。

このときに、他者とつながっている感覚を味わうことができ、
「相互信頼」の欲求が満たされます。


これが「生きがい」です。

賞与をもらえた・もらえなかった、という一時的な感情とは、
まったく別次元の根源的な喜びです。


しかし、賞与を「利益の還元」と位置づけただけでは、
最低ラインをクリアしただけに過ぎません。

「生きがい」につながるには、もっと大切な条件があります。


1.「利益の還元」というコンセプトを理解すること
2.妥当性のある賞与の意思決定プロセスを築くこと
3.一人ひとりが人生の目的を深く考えていること


1番目と2番目については、前回に扱いましたので割愛しますが、
3番目にあるように、


「自分の人生の目的は何なのか?」


というテーマについて、一人ひとりが深く考えていることが
求められます。

言い換えれば、一時的な損得勘定に一喜一憂しないだけの
「自律」した精神が求められます。


賞与を「利益の還元」だと位置づけることは、
自律した価値観への変革を促す「メッセージ」になるのです。


もちろん、賞与制度を変えただけでは、何も起こりません。

しかし、あらゆる仕組みを「生きがい」というテーマで再構築すれば、
強烈なメッセージとして発信することができます。

賞与制度は、そのなかのごく一部に過ぎませんが、

「生きがい」というコンセプトを貫くには、
賞与だけを放置することは、メッセージを弱めることになります。


人事制度は、制度のコンセプトによって
「どんなメッセージを発信したいのか」が最も大切になるのです。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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