人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ

2015年11月26日

■これからの時代に求められるリーダーシップ

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

前回から、慶應義塾大学大学院特任教授の高橋俊介さまの

「自律組織とその運営
  ~なぜ今 自律組織か、どうすれば自律組織になるか」

がテーマのご講演を聴かせていただいた感想を述べています。


私が特に印象に残った3点は、


1.下方硬直的序列組織では対応できない時代になった

2.自律組織では、意味の伝達、内省を促す問いかけ、
  ポジティブなフィードバック、ヨコ関係の巻き込み、などの
  リーダーシップが必要となる

3.伝承型OJTではイノベーションは起きない


で、前回は1番目について、私の考えを述べさせていただきました。


今回は、2番目の「リーダーシップ」について考えます。


発揮すべきリーダーシップが変化しているのは、間違いありません。

その大きな原因の一つは、

社員のモチベーションの源泉が大きく変わってしまったことです。


以前の日本では、終身雇用・年功序列が前提でしたから、
仕事の意味を考えなくても、モチベーションが維持できました。

特にバブル崩壊までは、黙っていてもドンドン昇給しましたから、

言い方は悪いですが、
下積み時代をガマンしていれば、明るい将来が待っていたのです。

実際には、そんな夢のようなことなどあるはずがないのですが、
それを期待させるだけの状況がそろっていたと言えます。


しかし、現在は状況がまったく違います。

将来のことを考え出すと、不安材料ばかりが目につきます。

企業は、社員から努力を絞りだそうと画策し、
成果主義の名のもとに、アメとムチの論理を押し出しました。

それに対して、社員側も、

終身雇用の崩壊で自分が所属する企業に対する絶対的信頼が薄れ、
なんとか企業から短期的利益を得ようと試みます。

それが、権利の過剰な主張となって表れています。


こういう状況においては、これまでのような

「黙って会社(上司)の方針にしたがえ!」
「若いうちは苦労は買ってでもしろ!」
「プライベートより仕事を優先しろ!」

というような上司の姿勢は、まったく通用しません。


私は、これからの時代に求められるリーダーシップは、
高橋俊介教授がおっしゃるように、

「考えさせる」「内省させる」リーダーシップだと思います。


そして、その目的は、

仕事のやり方を考える人材になるということだけではなく、

社員一人ひとりが、自分の人生に真正面から向き合うことで、
人生における仕事の意味を発見することです。


自分の外側にある刺激(役職や給料など)で焚きつけるのではなく、
自分の内面から意欲が湧きだすようにするのが、

これからの時代のリーダーに求められる部下との関わり方です。


その意味で、これからのリーダーには、
「キャリアデザイン」についての深い理解と実践が求められます。

そして当然ながら、

リーダー自身が、自分の人生と仕事の意味を深く考えていることが
大切になると思います。

そうでなければ、部下の人生が豊かになるためのサポートをするなど、
できるはずがありません。

そして、そのことがリーダー自身の人生もより豊かにしてくれます。


次回は、3番目のOJTについて述べることにします。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年11月19日

自律した組織をつくるには?

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

昨日は、慶應義塾大学大学院特任教授の高橋俊介さまのご講演に
参加してきました。

テーマは、


「自律組織とその運営
  ~なぜ今 自律組織か、どうすれば自律組織になるか」


という興味深いもので、参加してたくさんの気づきがありました。


高橋俊介さまは、キャリア開発や人材育成の研究をされていて、

私が人事制度コンサルティングのなかでも「キャリア開発制度」を
重視するようになったのは、高橋俊介さまのご著書がきっかけです。


特に、キャリア開発の分野の

「キャリア論」(東洋経済新報社)
「人が育つ会社をつくる」(日本経済新聞出版社)
「21世紀のキャリア論」(東洋経済新報社)

の3冊は、私のキャリア開発制度の理論的背景になっています。


ご講演はわずか1時間強の短いものでしたが、
ご著書の内容を振り返ることができる密度の濃い時間となりました。

そのなかでも、特に印象に残ったのが、次の3点です。


1.下方硬直的序列組織では対応できない時代になった

2.自律組織では、意味の伝達、内省を促す問いかけ、
  ポジティブなフィードバック、ヨコ関係の巻き込み、などの
  リーダーシップが必要となる

3.伝承型OJTではイノベーションは起きない


1番目は、

等級や役職による序列に伴って、役割や権限が規定されるような
固定的な組織を脱皮して、

その場その場の状況によって、役割や権限が自在に変化していく
柔軟な組織が求められているということです。


本当にその通りだと思いますが、
日本全体を見渡すと、この変革が進んでいない状況だと思います。

なぜ、柔軟な組織運営ができないかというと、
変化を恐れ、安定を求める人間の心理があるように感じます。


・経営者も、組織を大胆に変革するのを躊躇している
・管理職も、今の地位を脅かす変化を避けようとしている
・社員さんも、受け身の姿勢で会社に依存している


「できれば今のままがいい」という心理は誰しも持っているので
それが悪いとは思いませんが、

その考え方の未来に、
「生きがい」や「働きがい」が待っていることはありませんので、

今の状況を手放し、新たな一歩を踏み出すことも必要かと思います。


柔軟な組織運営をするうえで、多くの人が勘違いしているのが、

「権限」がどこから生まれるのか

という点です。


人事制度のコンサルティングをするなかで感じるのは、

「権限」が「役職(役割)」から生まれている

と考える人が、たくさんいらっしゃるということです。


確かに、人事制度の常識から言うと、
「権限」は「等級」「役職(役割)」に紐づけて規定されます。

だから、「権限」は「与えられるもの」という認識になります。


同じ役職(責任・等級・役割・職務などでも同じ)ならば、
同じだけの権限が与えられて当然で、

しかも、

権限は会社が事前に規定しておくべきものだという考えです。


私の考えは、まったく違います。


自分の責任を果たすために必要な権限が欲しければ、

必要な権限を持っている者(多くは上司)に対して、
自分の方から「その権限を自分に譲ってください」と申し出て、
権限保有者が認めることで、権限を手にするという考えです。

つまりは、権限は「委譲される」のではなく「譲り受ける」のです。


その時に、権限保有者(上司)が自分のことを信頼できなければ、
その権限を手にすることはないでしょう。

あるいは、権限の一部だけを譲り受けることになるかもしれません。

だから、同じ役職であっても、持っている権限が違って当然です。

それは、自分が「信頼されるに足る人材なのか」の問題であって、
上司や会社の問題ではありません。

譲り受けた権限を駆使して最高の成果をつくることで、
上司から信頼される自分自身を築きあげていくしかないのです。

「権限がないから仕事ができない」というのは、言い訳なのです。


一方で、権限を譲り渡した上司側も、
それで責任がなくなったということでは、まったくありません。

自分の持っていた権限を譲り渡したのですから、
それがキチンと使われるかを見届けていくことが責任です。

それよりも大事なことは、部下を育成することです。

安心して権限を譲り渡せるように、
部下を成長させることで、部下の人生をより豊かにできます。


柔軟な組織運営のためには、権限を事前に固定化するのではなく、

「その場その場で、必要な人が、実力に応じて権限を獲得する」

と考えた方が実務的です。

権限をこう考えると、もう受け身の姿勢では仕事ができません。


自律組織になるには、一人ひとりの自律した意識が必要なのです。


少し長くなりすぎましたので、
印象に残ったことの2番目と3番目は、次回に述べることにします。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年11月16日

給与制度を設計する着眼点とは?

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

先週末に、人事制度に関係するニュースがありましたので、
それを共有したいと思います。


一昨日の11月14日に、
経団連が「配偶者手当」の見直しを推進するとの発表がありました。

配偶者手当とは、結婚していて配偶者の収入が一定額未満ならば、
家計をサポートするために支給する手当のことです。

配偶者手当を支給している企業の多くが、
配偶者の年収が「103万円未満」を支給条件にしていますので、
所得税の配偶者控除とともに「103万円の壁」を形成する要因でした。

所得税の配偶者控除の方は、すでに見直しに入っていますので、
この流れが実現され、103万円の壁がなくなることを期待します。


私はかなり以前から、配偶者手当の廃止を勧めてきました。

ですので、私が人事制度構築のお手伝いをしたお客様の企業でも、
配偶者手当を新設した企業さまは一社もありません。

日本の労働力人口が減少するなかで、
働くことを抑制する制度を導入するのは不自然だという考えです。


その代わりに、

子どもを持つ社員さんをサポートする手当や、
親が要介護・要支援状態になった社員さんをサポートする手当、
就労できない障がい者を扶養する社員さんをサポートする手当、

などは、積極的に導入を勧めてきました。


企業は社会の一機関ですから、
日本社会が抱える少子高齢化問題に取り組む責務があるからです。

そして、そこで働く社員さまは、安心して働くことができます。


私は、給与制度にかぎらず人事制度全般において、
最も大切なことは、あるべき姿から発想することだと思っています。

「今までそうだったから」とか「周りの会社がそうだから」という
過去の慣習や横並び主義による常識に囚われることなく、

「未来にどのような社会を築きあげたいのか」という視点を持って
制度コンセプトを設計すべきだと思うのです。


つまり、「あるべき社会像から人事制度を発想すべき」と思います。


私が描くあるべき社会像は、

一人ひとりが自分の人生を自分で「経営」している社会、
組織と個人が相互信頼のうえに「パートナー」となっている社会、
「自己責任」を根幹に置きながら「思いやり」で繋がっている社会、

などです。


給与制度のなかで「思いやり」に該当するのが、上で述べた、

お子さんのいる社員さん、親御さんが介護状態になった社員さん、
障がい者を扶養する社員さん、をサポートするという手当です。


もちろん、手当だけ支給していても意味がありません。

その大変さをみんなが理解し、共感し、
ルールではなく心からサポートするという雰囲気が大切です。

いわば、手当を支給するのは、そのシンボルにすぎません。


給与制度に関しては、さまざま統計データが存在していますが、
そのようなデータはあまり意味をなしません。

他社の傾向よりも、考えなければならないことがあります。

あるべき未来の社会像を徹底して考え、
そこから問題意識を持って制度を設計する方が、大切だと思います。


          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

2015年11月13日

一人ひとりが「人生理念」を描く時代

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


先日、私が所属する経営者団体の経営理念を作成するセミナーで
アドバイザーとして参加させていただく機会がありました。

私の人生設計として、
40歳を超えたら社会貢献で自分の時間を使おうと思っていましたので、

ご参加された経営者の皆さんに、少しでもお役に立ちたいと思い、
自分なりに必死で関わらせていただきました。


経営理念の要素としては、次の3点があります。

■科学性:「顧客にどんな価値を提供していくのか?」という視点
■人間性:「社員とどんな関係をつくっていくのか?」という視点
■社会性:「社会にどんな価値を提供していくのか?」という視点

この3つの視点で、自社が目指す最高の目的を探求していくことで
経営理念が明確になります。


口で言うのは簡単ですが、これがなかなか大変で、

自分の人生の目的や経営者としての覚悟を深く見つめていくので、
頭がパンクしそうになります。

しかし、自分が本気になれる経営理念が見つかれば、
確固とした意思決定の軸ができ、経営者としてブレなくなります。


経営理念とは、経営者が描く自社の存在意義になりますが、

経営者に限らず一人ひとりが自分の「人生理念」を考えることが
「生きがい」につながると思っています。


自分の人生を通して、大切にしたい価値観や哲学を明確にし、
自分らしい理念を描くことができたなら、

仕事の意義もより明確になり、毎日の充実感も高まるはずです。


もし、それまではグチや不平不満があったとしても、
その対象が、自らが主体的に解決していく課題へと変化します。

あるいは、自分を成長させてくれるチャンスだと見えてきます。

置かれている状況が変わっていなくても、
物事の解釈が変われば、日々の充実感が違ってくるのです。

もちろん、長期的なモチベーションの源泉にもなります。


自分の人生における理念、あるいはビジョンを描くことが、
キャリアデザインの出発点です。

「キャリア」というと、社内出世をイメージしてしまいますが、
それはキャリアの一部分に過ぎません。

私は、キャリアデザインとは「人生をデザイン」することだと
捉えています。

なぜなら、仕事でどんな成長をしたいのかを突き詰めて考えれば、
おのずと人生の目的やありたい姿を考えざるを得ないからです。


一昔前の日本では、
そこまでキャリアについて考える必要がなかったかもしれません。

なぜなら、国全体が成長していましたから、
将来については会社に任せて、与えられた仕事を懸命にすれば、
なんとなく年齢に応じた昇進・昇格ができたからです。

しかし、そのような時代は過ぎ去り、
一人ひとりが自分のキャリアについて考える時代になりました。


私は、非常に健全な時代になりつつあると思っています。

なぜなら、一人ひとりが人生の目的(理念)を考えることで、
本当の意味で、組織と個人がパートナーの関係になれるからです。

パートナーの関係とは、相互信頼にもとづいた、
健全な緊張感のある協力関係と言っても良いかと思います。

会社と社員が、お互いを自律した存在として尊重し合い、
互いに貢献することを自分の責任として考えている関係です。


もちろん、時代の流れというのは、
行きつ戻りつ、振り子のように真逆の価値観の間を行き来します。

ですから、一見すると、ブラック企業の問題などのように、
組織と個人の関係が悪化しているようにも見えます。

しかしこのことは、組織側にも社員側にも意識変革が必要だという
シグナルだと捉えています。


すでに、組織と個人の新たな関係を模索する動きは始まっています。

経営者も社員一人ひとりも、今までの固定観念を捨て去り、
新たな関係性を模索することが、ますます求められると思います。

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