人事コンサルタントの『生きがい』づくり日記 人事コンサルティング会社 生きがいラボ
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2016年9月 9日

■主観によって給与を決定する

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


前回は、「給与は投資である」というコンセプトに込められた

1.給与は、「未来の貢献」に応じて支払われる
2.給与は、「主観」に基づいて支払われる
3.給与は、「社員側」から提示される

という3つのメッセージのなかの、1つ目について扱いました。

今回は、2つ目の「給与は主観に基づいて支払われる」について
解説したいと思います。


以前に、ある投資ファンドを運営している人から伺ったのですが、
その人は、事業に投資するかどうかの判断を行うときに、

応接室の時計の時刻が合っているか、や
会社のトイレがきれいかどうか、

なども判断材料に入れているとおっしゃっていました。


それはなぜかというと、
応接室の時計の時刻を合わせるのは、誰の業務でもない訳ですが、

そういう誰の業務でもないような部分がキチンとできているかが、
その会社のチームワークや意識レベルを表すのだそうです。

トイレがきれいかどうかも、同じ理由です。

もちろん、事業計画も丹念に確認しますが、
事業家の情熱や使命感、人間性なども重要な判断基準となります。

つまりは、投資をするか・しないかの意思決定は
多面的な視点による「総合判断」によって下されるということです。


このことは、給与決定でもまったく同じことが言え、

社員が未来でどれだけ貢献するのかを判断していくためには、
数値で表現できない要素を含めた総合判断が必要だということです。


しかし、今までの給与制度は、

社員が給料に納得しないのは客観性がないからだと勘違いし、
無理に客観性を高めるために制度を複雑怪奇にしていったのです。

あるいは、客観的に数値化できる部分だけに着目し、
貢献のごく一部分だけを取り上げた制度にしてしまったのです。


社員の未来の貢献を、完全に客観的に表すことは不可能ですから、
主観で給与を決めるという立場をとるべきです。


ただし、単純に主観で決めると割り切るだけでは不十分であり、
次の2つの取り組みが必要になります。


1.企業と社員がお互いを尊重し、対話を行う
2.主観を集めることで、客観に近づけていく


まず1つ目の取り組みについてですが、

画一的な数値指標で未来の貢献を判断することは不可能ですから、
膝を突き合わせて、本音で対話するしかありません。

社員は、会社の成長・発展のために生きているのではありません。

社員は、自分自身の幸せを実現するために生きているのであり、
会社が成長・発展するのは、その手段の一つです。

社員は、会社の道具ではないのです。

一人の独立した個人として社員の夢や目標、ビジョンを尊重し、
誠実に向き合うことが企業には求められます。

そのなかで、お互いの想いを伝えあい、相互理解を促進し、
信頼関係を深めていくことで望ましい関係が構築できるのです。

制度によって点数をつけることでは、信頼関係は築けません。


2つ目の取り組みは、主観を利用するということです。


そもそも、「客観」というのは「主観」の集まりです。

一人の評価だと単なるその人の主観ですが、
たくさんの人が同じ評価をすれば、そこには客観性が生まれます。

つまりは、直属の上司だけではなく、
直属ではないマネジャーや同僚などの主観も参考にしながら、
より多面的な目で見ていけば、総合判断に近づくということです。

周りから信頼されるような言動を普段からしていたとすれば、
主観で評価されても、高い評価が得られるはずです。

それとは逆に、
周りからの信頼を得ていなければ、厳しい評価になります。

その方が、画一的な評価基準で評価するよりも現実的ですし、
一人ひとりの社員に対する理解も深まります。

そのことによって、お互いの成長をサポートするという
企業風土の醸成にもつながります。


今回は、「給与は主観に基づいて支払われる」を解説しました。

次回は、3つ目の定義である「給与は社員側から提示される」を
解説したいと思います。

          生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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