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中小企業にとっての理想の人事システム 3

中小企業にとっての理想の人事システム 3


次に、日本の代表的な人事システムである「職能資格制度」について説明します。

職能資格制度では、部長や課長などの役職とは別に、職務遂行能力(職能)によって参事や参与、あるいは4等級などの資格によって組織成員をランク付けします。そして、その資格によって基本給を決定する制度が職能資格制度です。

職能資格制度では、会社のなかでポストが不足しても、そのポストをこなせる能力があると評価されれば同等の処遇が受けられます。会社側からすると、ポスト不足によって優秀な人材を社外に流出するリスクが軽減されるし、社員側がポスト不足などの外的要因を心配せずに、能力向上の努力ができるというメリットがあります。

反対に職能資格制度の問題点としては、

①  能力の判断が難しく年功的な運用になりやすい
②  実際に行なっている仕事と給料に乖離が起こりやすい
③  働き方に関する多様な考え方や経営環境の変化に対応できない


などが一般的には挙げられています。

しかし、中小企業にとっての職能資格制度の最大の問題点は、資格とポストの二重の格付けがあり、「複雑」で運用しづらいという点です。ほとんどの中小企業が「人事部」という人事専任部署がなく、総務や庶務、経理などを兼任しています。また、人事専任部署をつくるような余裕は、中小企業にはありません。したがって、複雑な管理を要する制度は、中小企業には向かないのです。

職能資格制度の問題点を克服するために、「コンピテンシー制度」が日本に広まりました。職能という潜在的な能力ではなくて、「コンピテンシー」という高業績者の行動特性(顕在化された能力)で評価しようというのがコンピテンシー制度のコンセプトです。しかし、評価基準を「職能」から「コンピテンシー」に変えただけで、基本的な構造は職能資格制度と同じです。したがって、二重管理による複雑さという問題は解決されていません。
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